抗菌石けんと薬用石鹸、逆性石鹸の違い
抗菌石鹸のほうがいいですか?とよくきかれます。日常生活では流水手洗い、石鹸(特別なものは不要)手洗いでOKです。肌荒れしないものを選択しましょう。"抗菌"グッズはどれほどの効果があるかは実は不明。米国では製造販売会社に対して安全性と有効性のデータを開示するよう指示が出ています。
2014-01-21 15:55:40まずは「抗菌石けん」。これには明確な定義がなく、割と好き勝手に使われてる傾向がある。概ね「抗菌作用のある、何らかの成分」を配合してるけど、トリクロサンのような、一応きちんとした殺菌剤(ただしその効果に昨年末FDAから疑問が出された)から、効果不明なハーブエキス含むものまで様々。
2014-01-21 17:00:42「薬用石けん」。これは「医薬部外品」として認められてるかどうかによる。このため効果不明な「抗菌」を謳うものは除外されるのだけど、「殺菌作用」以外での効果で、薬用としての用途が認められる場合もあるので確認が必要。それと後述の「逆性石けん」かどうかの確認は大事。
2014-01-21 17:05:51「逆性石けん」。これは「石けん分子自体が異なる」特殊なタイプ。石けん分子の模式図 http://t.co/w28iVsqkzK 見てもらうと「石けん分子」には親油基と親水基の部分があるのがわかると思う。一般的な石けんは、親水基が陰イオンになるけど、これが陽イオンなのが逆性石けん。
2014-01-21 17:10:48この「逆性石けん」は、「普通石けん(陰イオンになる、一般的な石けん)」に比べると殺菌力が強いので、それ自身が消毒薬として使われる(なので「医薬部外品」になる)。ただし、一般的な洗浄力は普通石けんよりもかなり小さい。またノロウイルスには無効(続
2014-01-21 17:14:00承前)それと、普通石けんと逆性石けんを混ぜると、両方ともに効果がなくなる点には要注意。逆性石けんを使うときは、まず普通石けんで汚れを落とした後、水で完全にすすぎ流した後で、逆性石けんで消毒するという形が望ましい。
2014-01-21 17:18:09注意が必要なのは、特にノロウイルスを対象にする場合。逆性石けんの消毒力は無効な上、洗浄力が小さいので「洗い流す」効果が少なくなる。この場合は「普通石けん」での手洗いが重要になる。
2014-01-21 17:20:32厄介なのは「薬用かどうか」は「医薬部外品かどうか」で決まること。「薬用石けん」とか「薬用ハンドソープ」とかの中に、「普通石けん+殺菌剤」「普通石けん+殺菌剤以外の薬用成分」と「逆性石けん」がありうる、という点。
2014-01-21 17:23:12ノロウイルスに対する洗浄効果は、ただの「普通石けん」でも「普通石けん+殺菌剤」でも「普通石けん+殺菌剤以外の薬用成分」でも……それから「普通石けん+効果あるかどうか判らん成分」でも、おそらく大差ない。でも、この用途に限っては、きちんとした殺菌作用がある逆性石けんでは効果薄。
2014-01-21 17:25:50これが一般的な細菌やエンベロープウイルスが相手なら、逆性石けんの効果が結構大きくなる…が、まぁ実は普通石けんの手洗いの効果も馬鹿にはできない。で「普通石けん+殺菌剤」なら、*一応*より効果が高い、と考えられて「た」。ただ、これに対してアメリカでFDAがクレームが付けたとこ。
2014-01-21 17:27:57@y_tambe 買ったことないですねえ。ははあ、洗浄力弱いんですか。普通の石鹸は陰イオンの界面活性剤が入ってるでしょ?逆ということは陽イオン?なぜ逆だと洗浄力が弱いんでしょう。(素朴な疑問)
2014-01-21 17:59:47@Butayama3 これ、意外と説明が難しいんだよなぁ…例えばこの図 http://t.co/11gALlqlHW これは普通石けんだけど、そもそも「洗浄力」は、こうして石けんが油汚れを取り込んだ「ミセル」という状態で水に溶けることによる。
2014-01-21 18:08:14@Butayama3 で、逆性石けんでもこれは同様なんだけど、このミセルの溶け方があまりよろしくなかったりする。これは石けん分子に使えるような、親油基と結合可能な「陽イオン」の部分の種類が割と限定されちゃって、あまりいいのがないというのが、主な問題なんだけど。
2014-01-21 18:09:54