電解質と輸液 須藤博先生@若手医師セミナー 2010年10月15日 1)講義編
[須藤先生] 総体液量(TBW)42L=>①細胞内液(ICF) 2/3 ②細胞外液(ECF) 1/3 ★細胞外液はさらに(1)間質 11L と (2)血管内 3Lにわかれる
2010-10-15 19:38:29【浸透圧 Osmorality】 ある溶質中に存在する浸透圧を有する粒子の数 ”1L中の粒の数” ★ぶどう糖 360mg/dl =360x 10/180 = 20 mosmol/L
2010-10-15 19:40:19[ 血糖浸透圧] ECF = 2Na + Glucose/18+ BUN/2.8 ≒ 2Na + 10 = 290 ≒ ICF
2010-10-15 19:41:58[ 張度Tonicity ≒ 有効浸透圧] Effective Osmole (Na、ブドウ糖、マンニトール)のみを考えた時の浸透圧 ★ 喉が乾くのはコレと相関する
2010-10-15 19:43:43[Genegeral principle] 1.細胞内と細胞外の浸透圧は常に等しい 2、Na、ブドウ糖はECFのみに分布。 尿素はTBWに分布 (3) 浸透圧の平衡状態は常に水の移動によって保たれる
2010-10-15 19:46:00【おさらい ① Osmolality= 2Na にGlucoseとUrea分をたしたもの ②Tonicity =2NaにGlucose分を足したもの (尿素は考えない) ★尿素は水の移動を起こさない。Tonicityには関係しない
2010-10-15 19:50:41★Tonicy: Mannitol や Glycineなども入る ★非Tonicity:Methanolやエチレングリコールなど
2010-10-15 19:52:41【フィジカル】★間質内水分:↑のとき浮腫、↓のときTurgor低下 ★血管内:↑の時JVDや肺水腫、 ↓の時頻脈、起立性低血圧、ショック
2010-10-15 19:54:25【輸液製剤】 ①生理食塩水; Tonicityには変化なし => ほぼ「全て」細胞外(ECF)に分布 ==> 1L生理食塩水を入れると250ml血管内にはいる
2010-10-15 19:55:49【5%ブドウ糖液】 Free Waterと同じ=> 全体(TBW)に均等に分布 =>血管内にとどまるのは約80ml ★「真水」をいれたと考える
2010-10-15 19:58:36【もし5%食塩液をいれると】 Tonicityが大きく増加 => ICFからECFに1.5Lの水が移動 => 心不全などがおきる
2010-10-15 20:01:04【5%のアルブミン溶液】<iso-oncotic albumnin> 最初の18~24時間は血管内に留まる=>膠質浸透圧を上昇 ■ Colloid溶液(膠質液):アルブミン、デキストラン、スターチなど。
2010-10-15 20:04:06【Colloidの欠点】 肺水腫を増悪させる可能性?、 肝炎やAIDSの危険性、クロスマッチ検査に干渉、凝固障害や腎炎、アナフィラキシーの危険性あり
2010-10-15 20:05:17【1Lの尿が排出された時】 ①等張尿の場合:全てECF由来 ②低張尿:等張成分+Free water => 血清Tonicityは上昇する ★利尿薬 =>Na再吸収を抑制して、Naを排泄
2010-10-15 20:11:12【水も一つの電解質と考える】 水にも調節する独自の機構(Osmoregulation)がある。 ■低Na血症=水利尿不全=ADH分泌
2010-10-15 20:14:13【浮腫】 Naの過剰であって、水の過剰ではない。 ★臨床上明らかな浮腫は4~5LのECF過剰 = NS(生理食塩水)成分の過剰 ★浮腫を改善するためにはNaを多く含まれた尿を出すことが必要
2010-10-15 20:17:45【低Na血症, Na<130mEq/L】 水の過剰であって、Naの欠乏とは限らない。★Free Waterの過剰。 血清Na濃度は体液量の状態を反映しない。 ★低Na血症の改善のためにはNaを含まない尿(低張尿)を出すことが必要。
2010-10-15 20:19:27Naと水の出し入れはほぼ独立している。 ★Naは「容量」調節系で、身体診察で状態をチェックする ★水は「浸透圧」調節系で、”血清Na濃度”で状態がわかる。
2010-10-15 20:22:09【1日の最低限必要な成分】 水2000ml、NaCl5g=86meq、K 60meq、熱量800kcal 、Glucose 200g ==> 3号液(維持輸液)の組成! (water 1000ml あたり: Na 40meq/L, K 30 meq/L, 熱量100g/L)
2010-10-15 20:25:15【Volume regulation】 有効循環血漿量: 尿中Na排泄が臨床パラメータ 【Osmoregulation】 血清浸透圧: 尿浸透圧、口渇がパラメータ
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