帝王切開と腸内細菌

食物アレルギーは腸内細菌と密接な関係があることが分かっている。その腸内細菌をうまく構築できない要因は何が考えられるだろうか。その候補を考え、疫学調査の開始を促したい。
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shinshinohara @ShinShinohara

「帝王切開」と「腸内細菌」。この2つのキーワードで「アレルギー」の話だな、と気づいた人は慧眼である。

2014-02-10 21:36:40
shinshinohara @ShinShinohara

近年、アレルギー、特に食物アレルギーは腸内細菌と深く関わることが明らかになっている。腸内細菌のバランスが崩れると食物アレルギーを起こしやすく、クローン病や潰瘍性大腸炎などの深刻な病気も腸内細菌の乱れが大きな要因だと言われている。

2014-02-10 21:46:02
shinshinohara @ShinShinohara

この腸内細菌と帝王切開にどんな関係があるのか。マウスの実験で、腸内細菌が全くいない無菌マウスの作り方が、帝王切開なのだ。子宮と羊膜で守られた胎児はまったく微生物がいない、無菌の状態。このため、腸内細菌が全くいない無菌マウスを作るには帝王切開するのだ。

2014-02-10 21:50:04
shinshinohara @ShinShinohara

腸内細菌が全くいない無菌マウスは腸の構造が異常になる。本来なら絨毛と呼ばれる突起が無数に発達するが無菌マウスにはそれがなく、ツルンとしたただの管になる。しかし人為的に腸内細菌を与えると絨毛が発達する。正常な腸になるには腸内細菌が必要なのだ。

2014-02-10 21:53:34
shinshinohara @ShinShinohara

食物アレルギーの子どもが増えたことと帝王切開に関係はないのだろうか?もし帝王切開で生まれた子どもが腸内細菌の定着で失敗し、そのことで食物アレルギーになりやすいのだとしたら?帝王切開と自然分娩とで、食物アレルギーのなりやすさに違いがあるか疫学調査をすることは意義があるのではないか。

2014-02-10 22:06:12
shinshinohara @ShinShinohara

もう一つ、重要なことは、帝王切開だからといって必ずしも食物アレルギーになるとは限らないことだ。腸内細菌を正常に形成できているからだが、そもそも腸内細菌がどこから来て腸に住み着くのか、分かっていない。「偶然」腸内細菌を正常に構築できて、食物アレルギーを回避したということだ。

2014-02-10 22:17:15
shinshinohara @ShinShinohara

自然分娩の場合は産道を通る際に、産道に住み着く細菌群(腸内細菌とよく似た組成)を取り込むことができる。しかし帝王切開の場合は無菌状態で生まれるから、口にするものから腸内細菌を取り込まなければならない。ところが今の育児書に従うと腸内細菌を取り込むチャンスがない。

2014-02-10 22:20:19
shinshinohara @ShinShinohara

母乳を与える場合は乳首をアルコール殺菌して。ほ乳瓶は殺菌して。あれもこれも殺菌して。帝王切開で生まれた子どもはいつまでたっても無菌状態に近い環境に置かれ、腸内細菌と出会う機会を与えられない。

2014-02-10 22:22:43
shinshinohara @ShinShinohara

腸内細菌の研究者が面白い説を唱えていたのは「ウォシュレット元凶論」だ。ウォシュレットできれいに洗ってしまうと、親子でお風呂に入っても親から子に腸内細菌が伝わるチャンスがない。「紙で拭くだけならうっかり腸内細菌が口に入るんです」という。ウォシュレットも腸内細菌の伝達を邪魔している。

2014-02-10 22:25:58
shinshinohara @ShinShinohara

したがって、「帝王切開」で「ウォシュレットのある家」の子は、食物アレルギーを起こしやすい可能性がある。疫学調査をする意義があるだろう。

2014-02-10 22:27:25
shinshinohara @ShinShinohara

もう一つ、腸内細菌の伝達を邪魔する最近の習慣がある。口移しをしなくなったことだ。最近は虫歯菌を移すとして口移しをしないよう指導される。これで虫歯菌が伝達しないのは確かかもしれないが、腸内細菌を伝達するもう一つの機会も奪っているのかもしれない。

2014-02-10 22:32:40
shinshinohara @ShinShinohara

高齢出産が増えたことで帝王切開が増えている。高齢だと妊娠中毒を起こしやすいため、帝王切開を選択しやすいことも背景にある。帝王切開の増加が食物アレルギーの増加につながった可能性がある。

2014-02-10 22:46:19
shinshinohara @ShinShinohara

もう一つ気になるのは低体重児。数年前まで「小さく生んで大きく育てよう」と、2500g前後で生むことが推奨されていた時期があった。しかしその後、低体重児は成長過程で心疾患などを患う事例が増えることが分かり、今では再び3000g程度で産むことが推奨されている。

2014-02-10 22:56:49
shinshinohara @ShinShinohara

低体重児の場合、内臓がしっかり育ち上がっていない可能性がある。そのために、腸内細菌の構築もうまくいかない恐れがある。食物アレルギーが増えている背景に、低体重児の増加も影響しているかもしれない。

2014-02-11 07:36:33
shinshinohara @ShinShinohara

授乳時に乳首を殺菌するのも、腸内細菌を獲得する邪魔をしかねない。乳首からわずかに漏れ出る乳汁がもとで細菌が増殖しやすいと考えられるが、生後半年くらいまでは母乳には免疫がたくさん含まれている。腸内細菌に近いものだけが生き残りやすい。濡れたガーゼで清潔に保つ程度で十分ではないか。

2014-02-11 07:43:25
shinshinohara @ShinShinohara

離乳食が始まる頃、子どもは周りのものを片っ端から口に入れる時期がある。この時、身の回りのものから腸内細菌を獲得しようとしている可能性がある。なのに片っ端から殺菌してしまうと、そのチャンスを奪ってしまう恐れがある。水拭きしてある程度清潔に保つ程度でよいのではないか。

2014-02-11 07:47:44
shinshinohara @ShinShinohara

以上、「帝王切開」、「授乳時の乳首殺菌」、「口移し」、「離乳期のおもちゃなど口に入れるものを殺菌する行為」、「ウォシュレット」などが食物アレルギーとどう関連する可能性があるか、疫学調査をしてみることは意義があるだろうし、食物アレルギーを減らす手だても見つかるだろう。

2014-02-11 07:53:16