私はまだわかってないと認めることが大切。

学ぶ姿勢について、つれづれに語ります。若い学び手に向けてのメッセージ。
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結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

「数学ガール」シリーズを読んでくださった方は「ふんふん」と納得してくださると思うけれど、「数学ガール」シリーズは数学を題材にしているものの、何というか「学ぶということ」や「教えるということ」について語っている局面が多いですよね。ミルカさんと「僕」だけじゃなく、テトラちゃんが重要。

2014-02-24 21:04:28
結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

きちんと自分が「わからない」ことを「わからない」という存在。「わからない」ときに「わからない」といえる存在は重要。考えてみると、自分が学ぶとき、自分に対してすらきちんと「私はここがわかってない」と言えているかどうか。そのような問いかけをテトラ嬢は行なっている。「わかってる?」

2014-02-24 21:06:21
結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

(自分も含め)多くの場合はわからないと認めるのが恐い。恥ずかしい。だからごまかす。自分すらごまかす。「私はわかってない」といいきるのが恐いから、「こんなのわかるわけないよ」「教え方が悪いよ」「役に立たないよ」と言い訳したがる。そこには不誠実のにおいがする。

2014-02-24 21:07:50
結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

自分が病んでると自覚するものだけが医者を求めるように、自分が理解していないと自覚するものだけが、教師を求める。

2014-02-24 21:08:35
結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

わからないからこそ、わかりたいとおもう。わからないからこそ、教えを請う。テトラちゃんは優秀な学び手だ。自分がわからないことをおそれずにわからないという。ときにあざとく感じられるとしても、彼女自身の関心は自分がわかっているかどうか、にある。

2014-02-24 21:10:07
結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

それは誠実に「知」に向かっているといえないだろうか。確かにそうだ/いや違うといえるのは、その前に理解を前提としているはずだ。理解していないのに、そうだともちがうともいえまい。

2014-02-24 21:11:33
結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

「わからない」と素朴にいうことが最も必要なのは若い人だ。これから大いに学ぶ存在なのだから。そして同時に「わからない」と素朴にいうことが最も困難なのも若い人だ。負けたくない、自分を一歩先んじる者と思いたいという気持ちが強いのが若者だから。

2014-02-24 21:13:29
結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

だから、私は思うのだ。「素直な生徒は伸びる」と。若者の中で、もしも、自分の無力を素直に認める力を持っている人がいたら。「わからない」ときにためらわず「わからない」といえる人がいたら。そしてもちろん根源に「わかりたい」という気持ちがあるなら、その若者は最強の学び手である。

2014-02-24 21:15:24
結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

よく有名な学者のエピソードであるよね。学会発表を聞いていて、誰も聞かないような初歩的な質問をする大学者。私はそのような先生がほんものだと思う。「わかった」「わからない」「私はわかった」「私はわからない」その感覚に敏感な人、特に若者は強いのだ。

2014-02-24 21:16:53
結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

繰り返すけれど、誠実に考えた上で「わからない」と自ら認められる人が最強である。

2014-02-24 21:17:42
結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

……あ、ごめん、毎度かたってるよね。以上、連ツイおしまいっ!

2014-02-24 21:18:09