NHKのニュースの、新宿区立中央図書館が書棚を買えた書籍の中に『アウシュビッツと知識人』、『夜の記憶』、『私はホロコーストを見た』、『ナチス体制下におけるスィンティとロマの大量虐殺』、『ホロコーストの音楽』などが見えた。
2014-02-25 22:28:18『アンネの日記』、『ハンナのかばん』、杉原千畝…。なんというか子供向けというかポピュラーというか読みやすいというか。一部しか報道されていないけど、このラインナップの意味するものはなんだろう。
2014-02-26 12:12:27エリ・ヴィーゼルやヴィクトール・フランクルは無事なんだろうか。それらが狙われなかったとしたら、「日本独自のアンネ受容」と非常に関連してくると思う。
2014-02-26 12:16:04日本では、『アンネの日記』からホロコーストや反ユダヤ主義というある意味戦争よりもずっと「えぐい」問題を切り離して受容されてきたと思う。
2014-02-26 12:18:18子供に買ってやる(のび太のパパが言うような)「えら人の本」を選ぶときにアンネはヘレン・ケラーなどと等価にならぶ。それはアマゾンのリコンメンドにも出ている。
2014-02-26 12:21:14さらにヘレン・ケラーと違うのは、アンネが戦争犠牲者(実際はホロコースト犠牲者)であることからくる、日教組的腐臭の問題があるとも思う。国も状況も違う『はだしのゲン』への憎悪と結びつけることができるなら、それは「日教組的」という結節しかない。
2014-02-26 12:24:30一次的受容は「反戦のかわいそうな女の子」で終わっていた日本人は、たぶん二通りに分化する。1番目はアンネは戦争によって死んだのではなく、ナチスの用意したホロコーストによって殺されたユダヤ人犠牲者の物語だったと知る者。…
2014-02-26 12:27:011番目の典型的な動きは映画「サウンド・オブ・ミュージック」に顕著である。通常の受容(かわいいたのしいミュージカル)のあと、人はあのミュージカルの背景にナチスのオーストリア併合とそこからのディアスポラがあると知って驚く。
2014-02-26 12:30:132番目はアンネがユダヤ人であると知った場合。1次的受容でホロコーストそのものの問題に触れていないから、戦争犠牲者がホロコーストをすっとばしてユダヤ人と結びつく。可哀想なアンネって実はユダヤ人なの? と言って興ざめする。興ざめというか、日教組的教育の弱点を見つけたように感じる。
2014-02-26 12:32:53はっきりとは知らないがどうもユダヤ人というのはふつうじゃないっぽい。なんか世界的なネットワークをもった秘密組織らしい。なら、アンネのそういう陰謀の文脈で読めなくもないのではないか。そう考えることは容易だと思う。
2014-02-26 12:34:45「アンネ偽書説」はそこからくる。家の作りがどうしたとかボールペンがどうしたとかの些末に走るか、あるいは「ユダヤ秘密結社の陰謀だ」という陰謀論に走るしかないのは、ふだん山岡荘八の『徳川家康』程度を歴史小説と認識している人たちだからどうしようもない。
2014-02-26 12:41:43それでもアンネはベストセラーであり日教組的であり左翼的である。アンネそのものを流通させることさえ危険であると感じ出す。なぜなら日本の窮状は近隣諸国とグルになったユダヤ金融資本が背後にあるからだ。というパラノイア独特の焦り。
2014-02-26 12:48:36ホロコースト否定論はアンネ偽書説が大型化しただけのものだ。もちろん世界的に見て問題の本質はまったくことなってくるけれど、日本ではスケールだけの話になっているように感じる。
2014-02-26 12:51:312007年にホロコースト生還者のエリ・ヴィーゼルがホロコースト否定論者に宿泊先のホテルで暴行されているが、あれもむしろエリ・ヴィーゼルという「生きた証拠」を消したいというよりも、彼が著名な作家として活動しノーベル平和賞まで受賞していることへの危機感だと思う。
2014-02-26 12:55:59アンネが「かわいそうな戦争犠牲者」ではなく「ホロコーストで殺されたユダヤ人」という捉えられ方であったら、多少の抑止力にはなっただろうか。たとえばアンネと比べて「コルチャック先生」が問題の本質を差し替えられなかったように。
2014-02-26 13:02:29ただし「コルチャック先生」はアンネとは比べものにならないほど不人気で、コルチャック先生という名前を知っている人はもうホロコーストを知っている人だと思う。
2014-02-26 13:05:26でも反面、コルチャック先生によってホロコーストや反ユダヤ主義というできごとに関心をもってその入り口とした人も多いと思う。子供の権利章典は特に。
2014-02-26 13:06:57虚偽を信じるのはバカだからだけではなく、そう信じることで成立するものがある。・・・でも、おっと、そろそろ会議だわ。
2014-02-26 13:09:56