ガムラン氏（@M_Gamelin）による【艦これ×papers,please】SS #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局

Norin_Gamelin @M_Gamelin

「なの゛っ！？」伊19の酸素魚雷が足柄の頭へ届く前に、伊19の腹部に足柄の足がめり込んでいたのだ。妙高型特有の脚の長さを活かした電撃的な蹴りをまともに喰らった伊19は、魚雷を手にしたまま地面に崩れ落ちる。 #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局

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倒れた伊19の後ろでは軽母ヌ級eliteが艦爆を発進させていたが、足柄は対空火器など使うまでも無い、と言わんばかりにその艦爆ひとつひとつを目にもとまらぬ速さで掴み取ってヌ級へ投げ返した。 #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局

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爆弾を投下する前に投げ返されてしまった艦爆は、それ自体が一種のロケット弾と化す。たちまちヌ級eliteは爆炎に包まれ伊19と同じく地へ倒れ伏した。「Holy shit...!」歯噛みする金剛。 #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局

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この足柄の何より異質な所は、これだけの動作をあの巨大な『荷物』を担ぎながら容易く行っている所だ。おそらくさぞかし名のある鎮守府の艦娘なのだろう。金剛の心に、艦娘として彼女と一戦交えたいという気持ちが頭をもたげてきた。 #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局

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それでも金剛は35.6cm連装砲を手に取ろうとはしない。入国審査官の職務は他艦娘との戦闘ではなく、故にどれほど相手が好敵手に見えてもそれと争うのは入国審査官として許されない事なのだ。 #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局

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そうこうしている内に、騒ぎを聞きつけて増援の衛兵が到着した。今、足柄と戦うのは彼女達の仕事だ。現れた艦娘、深海棲艦の混成部隊は総勢6隻。2対1が6対1となる。 #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局

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だが当の足柄は落ち着き払った表情で、巨大な袋から何かを取り出すとそれを増援の前に放り投げた。放り投げられたモノは、おもむろに激しく白煙を噴き出し足柄の姿を完全に覆い隠してしまう。 #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局

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増援部隊は煙に巻かれながら手当たり次第に攻撃を仕掛けたものの、全く命中した気配がない。そして煙が晴れた時には、案の定足柄の姿はどこにもいなくなっていた。 #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局

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これ以上時間を取られるのは御免だ、という事だろうか。こうなってしまっては駆けつけた増援も、金剛もどうする事もできない。彼女らは伊19と軽母ヌ級eliteを医務室へ運び込み、野次馬を追い返して海軍および入国管理省の指示を仰ぐ。 #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局

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アルストツカ海軍、そして入国管理省が出した答えはどちらも『検問所を一時封鎖し、今日の業務は中止とする』。指示は文字通りに実行され、列の順番では足柄の次にいた装甲空母、大鳳の抗議は受け入れられる事はなかったのだった…… #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局

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【艦これ×Papers, Please】#アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局【二次創作SS】 ＊＊＊つづく＊＊＊ 過去話は→http://t.co/65VPr9RPQx 質問などは→http://t.co/BKcSswd07q 感想とか雑用タグ作りました→#アル鎮

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今回ゲストとしてお越しいただいた（勝手に使った）艦娘はキタユキさん(@k_t_y_k)の #加賀さん観察日記 より、キンタマスレイヤーこと足柄さんでした。素晴らしいキャラクターを作って頂いたキタユキさんにこの場で感謝を申し上げます。

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人類の手には負い切れない能力を持った艦娘・深海棲艦。社会主義国家アルストツカにおいて、彼女ら専用の国境検問所があるのがアルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局である。 #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局

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そしてここで入国審査を担当する艦娘が金剛型一番艦の『金剛』。彼女は今日も簡素な朝食を摂り、通勤用シャトルバスの中で無料新聞『アルストツカの真実』に目を通す。 #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局

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「Wow, 『コレチアで連続猟奇傷害事件　被害者は全員男性、睾丸を切除される』？世の中物騒になってきてますネー、コワイコワイ」無料新聞を一通り読み終わった金剛は、次に最新の規則書を取り出した。 #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局

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規則書からは空母と軽空母に関する入国制限が撤廃され、かわりに『外交特権証明書』と『亡命認可証』の2つの書類を新たに取り扱うよう項目が追加されている。書類の様式を確認している間にバスは入国管理局へ到着した。 #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局

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職場である検問所へ入った金剛はふと、伊19がいない事を思い出す。検問所の衛兵である彼女は先日堂々と密輸を試みた足柄との戦闘で大破、入渠していたのだ。 #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局

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「うーん、今日の分でティーバッグの買い替えができそうだったんデスケド」伊19と金剛は、その日の拘束人数に応じて手当を山分けする仲だったのだが、片方が入渠していては手当は出ず、山分けもできない。 #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局

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そんな事を考える金剛の肩に、ふと誰かの手が触れた。「What?」「薄給でも紅茶の事はしっかり気にするんだな、『金剛』ってのは」男の声。金剛が振り向くとそこには抜け目の無さそうな顔をした佐官がいた。歳は35から40程度だろうか。 #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局

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「ああ、いきなりすまん。俺はCalensk。今日付けで東グレスティン鎮守府の提督として配属された中佐だ。」「Oh, 提督デスカ？失礼しましタ！」男が提督であると知り畏まる金剛に、男は困ったように頭をかく。 #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局

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「なあに、失礼なんて事はない。俺も5年前までは同じ東グレスティンで衛兵の身だったんだ。ちょっとした"魔法"で見てくれだけは良くなったが、下っ端である事に変わりはない」 #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局

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「Well... それで、何か用事があってココに？」「自分の部下が何をしてるかは把握しとかないといけないだろ。それに1つ、頼みがあってな」そう言うと、Calenskは一枚の紙を金剛に渡す。スケジュール表のようだ。 #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局

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「明後日になるが、入国管理省の偉いさん……Dimitriがここへ視察に来る。くれぐれもトラブルは起こしてくれるなよ。ま、今の検問所の様子を見ればケチの付けようはどこにもないと思うがね」 #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局

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「了解デース！」「お互いの地位のために最善を尽くそうじゃないか、『金剛』」金剛とCalenskは軽く握手し、金剛はCalenskから渡されたスケジュール表を返す。「Next!」Calenskが帰ると早速仕事を始める金剛。 #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局

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「Papers, please!」「Next!」「パスポートを更新して来なサーイ！」「Next!」「Papers, please!」「Next!」「Papers, please!」「アルストツカは印章偽造を許しまセン！」 #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局