@f_zebra さんの「原子力規制委員会は何を審査してきたか?」のまとめ

原子力規制委員会の審議はどうしてこんなにも長引いてきたのか?とか色々について@f_zebra さんが論じておられたのでまとめました。
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Flying Zebra @f_zebra

原子炉再稼働の第1号は川内1、2号になりそうだ。このまま何事もなく認可されるかどうかはまだ不透明だが、規制委員会の引き延ばし戦術もそろそろ限界だろう。再稼働の是非については世間の関心も高いのに、審査の過程で何が議論されて来たかはあまり知られていない。少し振り返ってみよう。

2014-03-14 12:47:28
Flying Zebra @f_zebra

当初の予定より大幅に遅れた審査の中で、最も時間を費やしたのが活断層の判定と基準地震動の決定だ。島崎委員長代理の強い意向もあり、原子炉の安全を考える上ではバランスを欠くほどに地震対策ばかりが重視されてきた。これについての科学的な根拠は、実はない。

2014-03-14 12:48:02
Flying Zebra @f_zebra

未だに福島第一原子力発電所が津波以前に地震で致命的なダメージを受けていたといった言説を見かけるが、当時のプラントパラメータや事後の現場検証など、あらゆる情報を丹念に分析した検証が海外も含め多くの専門家によって行われ、その可能性は否定されている。

2014-03-14 12:49:53
Flying Zebra @f_zebra

原子力プラントが経験した地震で言えば中越沖地震の際の柏崎刈羽原子力発電所の方が強い揺れを経験しているが、原子炉の安全系は全く損傷を受けなかった。これまで、地震の揺れで安全系を損傷した原子力プラントはない。

2014-03-14 12:52:10
Flying Zebra @f_zebra

地震が原子力プラントの安全性に対して大きなリスク要因であることは間違いない。そのリスクが正しく認識され、適切な対策が為されてきたからこそ、これまで被害を受けていないのだ。地震対策は決して軽視すべきではないが、対策には十分な実績がある。

2014-03-14 12:54:30
Flying Zebra @f_zebra

ところが、嘘も100回言えば何とやらで、規制委員会が地震対策ばかりを偏重し続けているため、マスメディアも世間一般も何となく地震対策だけが重要だと思い込まされている。複雑なシステムの安全性を考える際には、特定の要因だけを偏重すれば全体のトータルリスクは却って高くなる。

2014-03-14 12:55:46
Flying Zebra @f_zebra

原子力規制委員会は、設立当初の政権からは原子炉の稼働を阻止する事だけを期待され、原子力の安全性を確保することに動機が働く仕組みとはなっていない。政権が代わった現在も仕組みは変わっておらず、委員の構成も変わらない。

2014-03-14 12:56:18
Flying Zebra @f_zebra

5人の委員のうち、原子力の安全性を高める事を真面目に考えているのは更田委員くらいだろう。更田委員も事業者には厳しいが、規制の立場として安全性を真剣に考えた上での意見だということはよく分かる。他の委員の、論理的な整合性すらない言い掛かりとは異なる。

2014-03-14 12:57:43
Flying Zebra @f_zebra

現在再稼働を申請している原子力プラントは、震災前と比べれば格段に安全性が向上している。つまり、過酷事故に至る可能性は遙かに小さくなった。有効な対策の多くは震災直後に事業者が自主的に実施したもので、規制委員会が後から要求したものはリスク低減には直接影響しないものが多い。

2014-03-14 12:58:25
Flying Zebra @f_zebra

アメリカの原子力規制当局であるNRCは、事業者に何らかの要求をする際、その合理性と共に経済性を非常に重視する。日本では「安全対策にカネをケチるなんてとんでもない」という意識が強く、規制当局が経済性を考慮することはまずない。これは正しい態度だろうか。

2014-03-14 12:59:03
Flying Zebra @f_zebra

事業者は、規制要求以外にもそれぞれのプラント、ユニットの特性に合わせて自主的に様々な安全対策を実施している。規制要求はどうしても画一的なものになるため、それだけでは不十分だ。過大な規制要求は、事業者からそうした個性に合わせた自主的な対策のリソースを奪うことになる。

2014-03-14 12:59:44
Flying Zebra @f_zebra

NRCは事業者の懐事情に配慮しているのではなく、総合的な安全性レベルを高く維持するために、対策の費用対効果、つまり経済性を重視しているのだ。こうした合理的な考え方は、残念ながら日本ではなかなか受け入れられない。その結果、リスクは却って高くなってしまう。

2014-03-14 13:00:16
Flying Zebra @f_zebra

日本でも、事業者が不当だと思う規制要求については反論することもある。ただ、現在はその規制要求がプラント運転の条件とされていて、事業者からすれば電力の安定供給、言うなれば電気利用者の安全と利便性を人質に取られているような状態だ。

2014-03-14 13:01:18
Flying Zebra @f_zebra

不毛な議論が長引けば、結局お客様である電気利用者にしわ寄せが行ってしまう。だから、合理性もなく、トータルリスクをむしろ高めるような不条理な要求であっても必死に応えようとしているのだ。なかなか見えないが、実は日本社会全体にとって莫大な損害である。

2014-03-14 13:01:32
Flying Zebra @f_zebra

(なんだか中途半端だけど昼休み終了)

2014-03-14 13:01:46