緊急時と平時のリスクコミュニケーション

平川先生 @hirakawah による IAEA の行政関係者リスコミガイドの紹介 http://www-pub.iaea.org/MTCD/Publications/PDF/EPR-Communcation_web.pdf に端を発した、緊急時と平時のリスクコミュニケーションについてのツイートまとめです。
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Hideyuki Hirakawa @hirakawah

本日某所の原子力防災の委員会での配布資料。行政関係者が注意すべきこととして「状況はアンダーコントロールだ」「安全だ」など「絶対」を主張するな、と。IAEAの行政関係者向けリスコミガイド本の記述。(続) http://t.co/6M8ZpvaKvr

2014-03-18 16:12:50
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Hideyuki Hirakawa @hirakawah

IAEAの報告書 http://t.co/9ZQ0nCTqRx は2012年のもので福島の事故を契機にまとめられたもの。当然、「日本政府も使ってね」のはずだが、少なくとも官邸周りの役人の人たちは読んでなかったのね。(首相本人には期待しない。)

2014-03-18 16:15:43
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

「アンダーコントロールって言っちゃダメ!」は報告書 http://t.co/9ZQ0nCTqRx のp73にある。すぐ下には「リスク比較はリスキー」だともある。いずれも、リスコミの常識事項

2014-03-18 16:18:11
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

それにしてもこのIAEAのリスコミガイドライン、とても実践的な内容なので、原子力規制委員会あたりで翻訳したらいいんでないかな。 http://t.co/9ZQ0nCTqRx

2014-03-18 16:22:07
s_matashiro @glasscatfish

このガイドラインやアンダー・コントロール云々は "Emergency" 「発生時」の参考では?リスク比較も数字だけの比較では(影響する臓器など)誤解を招くという趣旨かと。 https://t.co/qU3M7UTrmz @hirakawah @satoruishido

2014-03-23 17:16:57
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

@glasscatfish @satoruishido 基本は緊急時対応用ということだと思います。ただ、数字だけのリスク比較が不味いのは、「臓器の違い」など病理的なことよりは、自己選択可能なリスクかどうか(医療被曝と事故被曝の違い)など倫理的な側面の問題が大きいです。

2014-03-23 17:25:13
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

@glasscatfish @satoruishido 緊急時で、とくに自分がリスクに晒されている当事者であるほど、そういう倫理的問題に敏感になるということもあり、数字だけの比較は、やるなら余程慎重にすべきと、リスクコミュニケーションの業界では考えられています。

2014-03-23 17:27:01
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

@glasscatfish @satoruishido それと「アンダー・コントロール」は、余程事態収束が安定してない限り、いつまた事態が変わるかわかりませんし、人々もそう認識してますので、信頼を毀損しコミュニケーションを困難にしてしまうので避けるべきということになります。

2014-03-23 17:29:47
s_matashiro @glasscatfish

@hirakawah @satoruishido その意味では、この IAEAガイドラインで例示している「放射線業務従事者の被曝量と、住民の被曝量を比較」するのも倫理的に問題があることになるんでしょうか。例えば「病院の放射線技師の平均被曝量の半分」とかいう言い方ですが。

2014-03-23 17:30:29
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

@glasscatfish @satoruishido 緊急時のコミュニケーションで使うと問題になる恐れは強いと思います。平時で、倫理的な問題がクローズアップされてない状況でないと使いにくいと思います。

2014-03-23 17:33:13
s_matashiro @glasscatfish

@hirakawah @satoruishido ありがとうございます。平時でのリスク比較で、数字以外に重要な点はどのようなことでしょうか。もし、すぐに挙げられるようなポイントがあればご教示いただけると幸いです。

2014-03-23 17:50:09
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

@glasscatfish @satoruishido 緊急時でも共通しますが、比較する際に大きいものも小さいものも両方示すことが大事かと思います。「○○より小さい」ばかりだと当該のリスクを過小評価してたり、受け容れを説得してるように受け止める人もいますので。

2014-03-23 18:02:43
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

@glasscatfish @satoruishido あとは「数字以外にも自己選択できるかどうかなど色々な要素がリスクの捉え方に影響する」ことも説明し、「これらを一旦、脇に置いておいて数字(確率)だけで比較するとこうですよ」と丁寧に説明することも平時にしておくといいと思います。

2014-03-23 18:07:20
s_matashiro @glasscatfish

@hirakawah @satoruishido 重ね重ねありがとうございます。そう言えば、似たことをゲイル博士が「95%信頼区間で伝える」という言い方で表現されていました。不確実性と共に伝えることでリスク自体の理解と自己決定の助けとなる趣旨だったかと思います。

2014-03-23 18:35:15
s_matashiro @glasscatfish

@hirakawah @satoruishido 自分の抄訳で恐縮ですが、ゲイル博士が千葉医学雑誌に寄稿したもののまとめです。 http://t.co/ZOzdX17rcd 平川先生の今回のツイートも、端緒の3月18日のツイートと一緒にまとめても構わないでしょうか?

2014-03-23 18:46:36
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

@glasscatfish @satoruishido ありがとうございます。不確実性/信頼性の幅を示すわけですね。これは色々な問題に応用できる大切な考え方ですね。拙ツイートの追加、こちらとしては全く問題ありません。ありがとうございます。

2014-03-23 19:11:41
まとめ 線量でなくリスクで比較を〜ゲイル博士の千葉医学雑誌への寄稿 チェルノブイリ事故や東海村JCO事故のあとの骨髄移植および検診体制の確立で多大な貢献をされたゲイル博士が千葉医学雑誌に寄稿した文章からの抜粋です。 放射線のリスクを線量で表現するのではなく、発がんリスクとして考えるリスクコミュニケーションを推奨しています。 参考:放射能汚染を巡る日本人の誤解と政府の説明責任 http://diamond.jp/articles/-/11772 チェルノブイリ事故発生時の医療活動 http://www.remnet.jp/newsletter/11/page1.html 6996 pv 63 3 users 21