烏賀陽弘道@hirougaya氏の語る、「権威というものの脆弱さ」と、「文章を書く行為の面白さと怖さ」
- Eric_Ridel
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先日「防衛という心理機能によって人間は『嫌われるような理由』を無意識に先にしてしまうことがある」と述べました。そういう行動に日本人がつけた名前に「露悪(ろあく)趣味」「偽悪(ぎあく)趣味」というのがあります。
2010-11-01 02:29:35「人が読んでいる」「多数が読んでいる」とか意識するとなんだか書きにくい。長く自分の考えたことを公にする仕事をやっていても、完全に緊張や自意識から自由になることはない。
2010-11-01 02:33:35ぼくの「連続ツイート」がどかどか長く続いて迷惑がっている人たち、すみません。考えが頭の中でダンスを始めると、もうあふれて出して止まらないのです。思考の洪水、文章の行進。笑
2010-11-01 02:35:11「権威」などというものは人々の認識の集合体でしかないのだ。ある日突然、人々が「そんなものには権威など認めない」「お前の言うことは信じない。従わない」と言い始め、きのうまでの最高権威がゴミクズになってしまった現象は、歴史上何度も繰り返されたことである。/拙著「朝日ともあろうものが」
2010-11-01 03:36:28「朝日ともあろうものが」の原型を書いたのは2003年、7年前だった。その後朝日新聞社はじめ記者クラブ系メディアや検察に起きたことを思い出すと、その通りのことが起きてしまった。
2010-11-01 03:37:51ロースクール卒業生が大量失業している弁護士、記者クラブ系マスコミ、検察と来て、次の権威失墜は裁判官だろう。不祥事が一件起きればもう爆発するくらいガスは充満している。裏金、文書偽造、証拠ねつ造の容認、怠業、汚職、横領、冤罪への加担。
2010-11-01 03:41:24いま日本が経験している権威崩壊は、かつてのソ連崩壊、ソ連共産党の崩壊に近いカタストロフなのではないか。カタストロフの後に来るものが希望なのか、リバイアサン的なアナーキー、カオス、アノミーなのか。わからない。
2010-11-01 03:42:27もうそれはドアの向こう側に来ている。「5年後にどうなっているのか」はわからないが「5年後は現在とは違う世界になっている」ことだけはわかる。
2010-11-01 03:45:20「取り調べで刑事に殴られた」と勾留質問のときに裁判官に訴えた逮捕男性に、裁判官が「お前、人を殴って逮捕されたんだろ?だったら文句言うな」と勾留を延長した、と刑事さんが自慢げに語っていたのを思い出す。むかし警察担当記者だったころ。
2010-11-01 03:52:36ぼくみたいな警察担当落第のボンクラ記者でも、これくらいの裁判官の腐敗の話は刑事から日常的に聞く。警視庁や大阪府警、検察庁の記者クラブにいる記者たちは当然知っているはずだ。裁判官の不正や腐敗を。
2010-11-01 03:53:52ギリシャ神話の預言者カサンドラは、「王が死ぬ」とか「疫病がはやる」とか不吉な予言ばかりするので誰も彼女のいうことを聞かなくなった。そして最後に彼女の予言は現実になってその国は滅んだ。いまカサンドラのような役割を引き受ける言論人は本当に少ない。
2010-11-01 05:06:07これはぼくにとって一生変わらない確信があるのは「文は人なり」という格言の正しさだ。「何でもいいから書いてください」と400字書いてもらうと、教養、家庭環境、読書歴、価値観、だいたいその書き手のことが見えてしまう。だからぼくは今でも文章を書くのが楽しく、かつ怖い。
2010-11-01 05:08:05「真実を述べてくれる友人が十人いれば、100万人に嫌われても私は構わない」(デビッド•ハルバースタム/アメリカ人ジャーナリスト)
2010-11-01 19:01:44「政治家は当選するために過半数の人気を得る必要がある。ジャーナリストにその必要はない。ジャーナリストは人気者である必要はない」(デビッド•ハルバースタム/アメリカ人ジャーナリスト)
2010-11-01 19:03:55ここ4つほどのデビッド•ハルバースタムの発言は、ぼくが彼に95年にインタビューしたときにぼくに言ったことなので、当時アエラに書いた記事とここ以外では出てないですよ。笑
2010-11-01 19:13:41「名声の追求は死に至る病である」(精神分析学者カレン•ホーナイ)=原文の「名声」(fame)は日本語では「人気」とほぼ同義かと思います。
2010-11-01 19:16:15アメリカの新聞は裁判官や検察官の腐敗や不正を暴露するなんて日常茶飯事だった。(それも80〜90年代のメディア統合で全滅に近いけど)日本はその権威で「〜によると」というクオートさえ付ければ何でも書き放題だ。そんなおいしいブラックボックスを権威失墜させる報道なんかするわけがない。
2010-11-01 19:21:26作家にしろジャーナリストにしろ、文筆の職業って「なる」のは簡単です。でも「持続する」のが難しいんです。10年続けるのは大変。町田康さんみたいに毀誉褒貶あってもずっと書き続けていることでしか、作家は作家と自称できないし、ジャーナリストもジャーナリストと言えない。
2010-11-01 22:41:53もちろんジャーナリストは「書く」だけじゃなくていろんな媒体で事実を伝えればいいです。例えば講演だって、場合によっては茶話会だって「知るべき人に知るべきことを伝える」って機能は同じだからやる。
2010-11-01 22:44:02そう思うと町田康さんとか辻仁成さんとか(作品の好き嫌いは別として)あれだけ持続しているのは尊敬に値する。と思うのですがどうでしょう。(ちょっと謙虚に)
2010-11-01 22:51:48