陽炎とエロ本を貸し出す仲になりたいその二

ボニート @bonito2287

陽炎ちゃんが衛士にビール渡して手に入れた「売店には売ってないちょっとアレな本」って結局何なんですかね……陽炎ちゃんの初エロ本……知りたい、知りたいぞ

ボニート @bonito2287

陽炎ちゃんとエロ本貸し借りするうちに陽炎ちゃんは自分でも認めたくない淡い恋心を提督に抱いてしまうんだけど、幸か不幸かその想いが叶わないうちに陽炎ちゃんは転属になって奇妙な交友関係に終わりを告げられるみたいなそういうの

ボニート @bonito2287

他の鎮守府へ行くための列車に揺られてるうちに陽炎ちゃんは(何よあんなののどこがいいのよ、第一私たちはえっちな本を貸し借りして一緒に読んでたりしてただけじゃない。いつまでも続けててバレる前にこうなって良かったのよ)と思いながらも胸が切なくなって頬を伝う涙に気付くみたいなアレ

ボニート @bonito2287

陽炎ちゃん「好き」なんて言う気は今もないけど「楽しかった」くらいは言っておきたかったな……って思ってるよきっとそうだよ

篠原誠🐔日曜日 西ね44b @shinohara_mk2

「おや陽炎、今度は手紙ですか。」「うん、ちょっとね。」「難航しているようですが」「そうなのよ…ねえ、不知火」「なんでしょう」「…その、お世話になった司令官があっちにいるのよ。その、なんて手紙を書けば良いかしら」「出来る限りは自分ですべきです」「んぐ、それはまあ、そうだけど...」

篠原誠🐔日曜日 西ね44b @shinohara_mk2

「どう世話になったのですか」「エ...っと、不安を抱えてる私に手をさしのべてくれた、親しみの持てる司令だったわ」「私生活で世話になったと」「そうなるわね。」

篠原誠🐔日曜日 西ね44b @shinohara_mk2

「では思っていることを素直に書けば良いのです」「へ？」「馴れない生活の中で世話になったこと、今無事に戻ってきたこと、これからの抱負、それだけあれば礼状に値すると不知火は思います」「…ん、そうね、そっか」

篠原誠🐔日曜日 西ね44b @shinohara_mk2

「では不知火はこれで」「え、遠慮しなくて良いのに」「これ以上いると添削に躍起になりそうですから。」「あー、それは勘弁。いってらっしゃい」ﾊﾞﾀﾝ 「えーっと、書き出しは拝啓…いや固いかなそうじゃなくて…満開の桜の花の咲き誇る…回りくどい」

篠原誠🐔日曜日 西ね44b @shinohara_mk2

こんにちは司令。私、陽炎よ。 異動は滞りなく終わって、今は無事に鎮守府で訓練をしてる。海に出ると、やっぱりなんだか空気というか、風の感じもそっちとは違って帰ってきた、って感じたわ。もともとここで進水したけど、数はそっちのほうが多かったから。 あ、敬語は面倒だから使わないわよ。

篠原誠🐔日曜日 西ね44b @shinohara_mk2

それで、......まあ、そっちにいた頃は世話になったわ。ありがとう。 鎮守府の中だと手に入らないものがあったから、そこを融通してくれたのは嬉しかったわ。軍の中にはまだまだ艦娘…というか女の子に関する認識が古い人たちもいたみたいだから。それに関してもお礼を言うわ。ありがとう。

篠原誠🐔日曜日 西ね44b @shinohara_mk2

考えてみたら、私達の関係ってなんだったのかしらね。舞鶴でも呉でも、独逸でも伊太利亜でも露西亜でも、どこの鎮守府だって私達みたいな関係はなかったって、そう思ってる。 初めてアレを知られたときはもう、「しまった」って思ったわ。

篠原誠🐔日曜日 西ね44b @shinohara_mk2

軍規が厳しいそっちのことだから、もしかしたら営倉入りかなって心配したわ。でもあのとき司令が笑って『俺も持ってるぞ、陽炎が営倉入りなら俺は銃殺刑だ！』って笑ったのは…今からしたら馬鹿みたい。でもその時は安心したわ。

篠原誠🐔日曜日 西ね44b @shinohara_mk2

そのあとの奇妙な二人の関係については…その、なんていえばいいのかしらね。そういうことをするんじゃなくて、ただ貸し借りだけして、あれが良かったあれは違ったとかなんとかかんとか。…よく見つからなかったわね。もしかして裏でなにかやってたのかしら？

篠原誠🐔日曜日 西ね44b @shinohara_mk2

たまに司令が貸してくれた変なのは…そうね、楽しませてもらったわ。娯楽とか読み物とか、そんな感じでね。昔見た欧州驚き活動写真集とか、あんなのとおんなじ扱いとしてね。私はあれ、別に好きじゃないのよ。思い違いしないでね？

篠原誠🐔日曜日 西ね44b @shinohara_mk2

でも、なんだかんだあったけど... 楽しかった、の言葉を書こうとした所で手が止まった。 私は楽しかったと、一言でも司令に言っただろうか。多分、言ってないのだと思う。 あの司令には、いつも面映ゆい思いを感じていたが、それはどこか心地よくもあった。

篠原誠🐔日曜日 西ね44b @shinohara_mk2

それだけだろうか？ 私は、あのとき何を感じていたのだろうか。 恥らい？緊張？呆れ？安堵？ …それとも、なんだ？

篠原誠🐔日曜日 西ね44b @shinohara_mk2

ーなんだかんだあったけど、楽しかったわ。こっちの鎮守府も、大した損害もなく元気にやってる。まだ曙に自陣砲撃させてないでしようね？高雄さんのストレスの大半がそれなんだから、ほどほどにしときなさいよ。 吉日、陽炎型駆逐艦一番艦陽炎より

篠原誠🐔日曜日 西ね44b @shinohara_mk2

書ききった手紙を乾かそうと手にしたとき、手袋にぽたと落ちた。 泣いていた。

篠原誠🐔日曜日 西ね44b @shinohara_mk2

楽しかった、を言わなかった。ありがとう、も言わなかった。 何よりも、あの心地よさに甘えていた。

篠原誠🐔日曜日 西ね44b @shinohara_mk2

今になって涙が出るのは、ただあの鎮守府が懐かしいわけではない。あの艦隊に戻りたいから、だから流れる涙ではない。 私は、あの司令が好きだった。娘のように、けれども一人前として扱ってくれた、あの素直な軍人が好きだった。

篠原誠🐔日曜日 西ね44b @shinohara_mk2

笑って言ったあの言葉、目を逸らして話したあの日、雨の降る中、気だるげに言い合ったあの執務室。 どれも、あの司令と過ごした初めての時間だった。

篠原誠🐔日曜日 西ね44b @shinohara_mk2

ーーー 「陽炎、夕食の時間で...」「うん、ごめん。」「…手紙は」「書いたよ。でもごめん、これは…出さない。会って言う。今度会ったとき、あいつの胸元に叩きつけてやる」「軍規違反で営倉入りになりますよ」「そんなんで営倉入りならあいつは銃殺刑ものよ」

篠原誠🐔日曜日 西ね44b @shinohara_mk2

「随分と型破りな司令だったようですね」「そうね、型破りも型破りだったわ。空母に甘えるために執務室を壊したり、いきなり寮に押し掛けたり…」「陽炎にお似合いの愉快な提督ですね」「…ん、そうだね。」「……なるほど。」

篠原誠🐔日曜日 西ね44b @shinohara_mk2

「さ、ご飯ご飯！今日の献立は？」「それですが、夕食は延期です」「はあ！？」「近海から深海棲艦反応と、要救助船からの通信が届きました。司令から『陽炎、不知火及び金剛、榛名、五航戦は順次出撃せよ』との命令を受けています。十五分前に」「ってかなり前じゃない！まずいわ！」

篠原誠🐔日曜日 西ね44b @shinohara_mk2

『陽炎、不知火、どうしマシタ？早く出撃するネー！』「うわわわ、こちら陽炎！不知火と今すぐ出撃に向かいます」「はーい、早くしないと置いてっちゃいマース！」「ほら、行くわよ不知火！」「ええ、けど陽炎、一つだけ」「何？」