解説:「個人を特定する情報が個人情報である」ではない
- ChihiroShiiji
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前フリ
高木さんの解釈はわかったけど、"広く一般的に"そういう解釈なのだろうかというところが気になっている。 たとえば立法意図はどうだったのか、とか。実際の行政府の運用はどうなのだろう、とか。 http://t.co/t8PaH66Aon
2014-04-11 10:44:56序盤は実質釣りなので、3ページ目から読む事を推奨する。高木さんはいつから判事になったんだ。条文で遊んでいるだけだよ。法改正の議論が出ているからという背景はわかるけどね。 / “「個人を特定する情報が個人情報である」と信じているすべ…” http://t.co/HdXHlqkP9e
2014-04-11 18:01:56解説
https://t.co/UemgfflWgC https://t.co/rvwEm0jn0B 少なからずこういう声があるので、たまにはここで解説を。(昨年7月以降、従前のようなネットでの論述は控えており、関係者への講演、論文、勉強会、ヒアリングでのみ示していたのだが。)
2014-04-12 01:25:12「個人を特定する情報が個人情報である」が間違いであることは、宇賀本 http://t.co/pfoqfwKoYS に繰り返し書かれている。
2014-04-12 01:32:42p.286「なお、「A氏が解雇された」という情報の場合、その全体が「個人に関する情報」であって、「A氏」という個人を識別しうる部分のみが「個人に関する情報」であるわけではない。」 p.310「たとえば、川田花子が開示請求した「保有個人情報」の中に、「1950年3月6日出生の…
2014-04-12 01:36:01…出生の山田太郎は、財務省に勤務している」という情報が含まれている場合、この情報全体が山田太郎の個人に関する情報である。すなわち、「1950年3月6日出生の山田太郎は」という個人を識別できる情報の部分を除いた「財務省に勤務している」という情報も山田太郎の個人に関する情報である。」
2014-04-12 01:36:17@HiromitsuTakagi 第4版が2013/10/9に出ていてISBNは978-4641131507だそうです。一年も立ってないわけですが http://t.co/yuOKlEt8lF のカスタマーレビューでは改訂希望の声があって、動きが早い世界なんですね。
2014-04-12 01:47:45ISBNを間違えた。先ほど参照したのは第4版であり、こちら。http://t.co/czezqs96bl
2014-04-12 01:50:18「解釈が割れている」と言っている人がいたが、ここの解釈については割れていない。法学者で宇賀本の指摘を否定している人はいない。 解釈が割れているのは、第三者提供の際の提供する情報について、容易照合性の照合が提供元におけるか提供先におけるかの点。なお政府解釈は提供元で一致している。
2014-04-12 01:51:54なお、提供時に「個人を特定する部分」を分離した残りの部分の該当性については、後編で出て来るはず。
2014-04-12 01:58:19この宇賀本の指摘の背景は、同じく宇賀先生による「新・情報公開法の逐条解説」(以下は第5版を参照)からも読み取ることができる。行政機関情報公開法は、行政機関個人情報保護法の個人情報と同じ定義を用いて、不開示情報を規定しているが、これに関して、p.108に次のように解説されている。
2014-04-12 02:30:53「個人に関する情報は、「氏名その他特定の個人が識別され得る情報の部分」に限られないから、氏名、生年月日その他の特定の個人を識別することができることとなる記述等の部分を除いた部分も(略)不開示とすべきことになるが、個人識別性のある部分を除くことによって、公にしても個人の権利利益が…
2014-04-12 02:31:19…権利利益が害されるおそれがないと認められるときは、これを不開示にする意義に乏しく、最大限の開示を実現する観点からは、部分開示をすることが望ましい。そこで、このような場合には、個人識別性のある部分を削除した残りの部分については、5条1号の個人に関する情報に含まれないとみなして…
2014-04-12 02:33:48…みなして部分開示を行うこととしたのである。「みなして」という表現から窺えるように、理論的には個人に関する情報であるが、個人に関する情報とは取り扱わないということである。」
2014-04-12 02:37:46このように、公開法と保護法は共通の個人情報定義を持ちながら、公開法では「個人を特定する情報」を削除した部分の扱い(部分開示)が明示的に規定されていて、保護法にはそれに対応する規定(つまり「個人を特定する情報を削除すれば第三者提供してよいとするような規定」)がない。
2014-04-12 02:40:52公開法では「最大限の開示を実現する」ことが求められていることから、一つひとつの請求に対して行政機関が慎重に検討してまで部分開示を決定する意義があるのに対して、保護法にはそれがないから一律に全体を保護することにしているのだろう。それが、今日、パーソナルデータの利活用が叫ばれるなか、
2014-04-12 02:48:35…パーソナルデータの利活用が叫ばれるなか、公開法における部分開示規定の「公にしても個人の権利利益が害されるおそれがないと認められるとき」と同様に、保護法においても、部分提供をしてもよいとする考え方があるのかもしれないが、少なくとも現行法はそれを許す規定をしていないのであるし、…
2014-04-12 02:51:30…であるし、「公にしても個人の権利利益が害されるおそれがないと認められるとき」という判断を、民間事業者の裁量で勝手にやってよいはずもなく、そう簡単に許す規定を設けるわけにもいかないというのが、個人情報保護法ということだろう。
2014-04-12 02:54:41なお、公開法の5条1号の「又は特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの。」も不開示情報としている点について、宇賀先生の本では次のように解説されている。
2014-04-12 03:01:13p.74「たとえ、個人が識別されない部分であっても、それを開示することが、個人の権利利益を害することがありうるという前提に立ち、かかる部分は開示を禁ずる趣旨である。たとえば、カルテ、反省文のように、個人の人格と密接に関係する情報については、当該個人がその流通をコントロールする…
2014-04-12 03:01:43