マイノリティの被差別性と本質/構築主義の限界について
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オタクに読んで欲しい。艦これ、ロリコン、ペドフィリア、セクマイ、在日コリアン…→『野間さんの “なぜロリコンは セクシャル・マイノリティ ではないか?” がダメな10の理由』前編 http://t.co/ANTYkOrQ63 後編 http://t.co/OppXu8ycm0
2014-04-18 13:38:38途中までうんうんって読んだんだけど、最後がなぁ。/ 野間さんの “なぜロリコンは セクシャル・マイノリティ ではないか?” がダメな10の理由~前編 - レインボーフラッグは誰のもの http://t.co/cOC5Fljig4
2014-04-18 10:23:28「今日言う「レイシズム」とは「人種」のみならず、ある人々の持つ属性が、より価値があるとされる人々によって「劣等」とカテゴライズされることだと言っていいでしょう。」とか、ときどき聞かれる誤用なのだけど、もしかして被差別の後天的な要素を強調するための戦略なんだろうか。
2014-04-18 10:28:28「しかし、これではかつて「人種」という概念における人の優劣の差異が、生物学的に正当化されていったこととほとんど同じだと言えます。」という文章の後は、カテゴリーを本質主義的にのみ捉えるのは間違っています、と続けるべきだったと思うのだけどね。
2014-04-18 10:30:29.@kdxn あぁ、野間氏のブログ記事2本を読んでいないので、野間氏への批判として妥当な内容かどうかはわかりません。
2014-04-18 10:48:29まず一本読んだ。争点はここか。「「オタク差別」とか、そういうのは差別の定義からして成り立たないよってことは、カウンターをやっていたらもはや常識のようにいつの間にか思ってしまっていた」/ Forces of Oppression http://t.co/VIv6IUx9yF
2014-04-18 10:53:53.@kdxn 一つの文章の中にはいろんな文脈が隠れているもの。野間氏に対する批判の文脈が明示されていたとはいえ、それを無視したことをもって非難されるいわれはないなあ。ただ、先ほどのツイートについては、野間氏への批判を「うんうんと読んだ」わけではないということは明言しておきます。
2014-04-18 10:58:59.@kdxn じゃ、あらためてぼくなりにコメントしましょう。話は下から2段落目に絞ります。その際、先ほどツイートした「いろんな文脈」についてもおそらく理解していただけるでしょう。/Forces of Oppression http://t.co/fBrcBdpxUo
2014-04-18 11:04:11このブログ記事では「ヲタ用語で言うところの「属性」って、性的マイノリティやエスニック・マイノリティや宗教的マイノリティ、肌の色といった「属性」と全然意味違いますから」という。直観的に「違う」ということに異論を持つ人は少ないと思う。ただし、どう違うかを説明するのは意外と面倒くさい。
2014-04-18 11:07:16「ヲタ用語で言うところの「属性」」は、「先行する作品によって特定のイメージや物語が付与された特性」と言い換えられると思う。一般的な言葉でいえば、「特性」(の特殊な用法)ということになる。「特性」と「属性」が違うのは当然だ。「属性」は構造的で本質的な「特性」に与えられる名称だから。
2014-04-18 11:15:07「属性」は構造的で本質的な「特性」に与えられる名称だから、両者は異なる次元の概念だと書いた。そこまでは直観的に話が終わる。けれども、《構造的》で《本質的》とはなにかというと、これはそう簡単に終わる話ではない。
2014-04-18 11:18:16定義される対象の中に《構造的》で《本質的》な何かが客観的に備わっていると考える立場を「本質主義」という。逆に、定義される対象が定義する側との相互行為の中で語られることから相対的にしか決まらないものだと考える立場を「構築主義」という。
2014-04-18 11:21:12本質主義の立場からいえば、属性を規定する《構造》と《本質》は決まっているものだから議論の余地はないということになる。だが、構築主義の立場からいえば、属性を規定するとされる《構造》や《本質》は、それを誰がどう語るかによって変わりうるものなので、簡単な問いではないということになる。
2014-04-18 11:23:35言い換えると、構築主義の立場からいえば、「属性」と「特性」の差異は、相対的なものにすぎないということになる。そこに線を引くことができるということは多くの時代、多くの社会に共通することかもしれないが、どこに線を引けるかは時代や社会によって変わりうると主張するだろう。
2014-04-18 11:25:26さて、問題なのは、本質主義と構築主義のどちらのほうが実質的な説明力が高いのかということ。細かい議論は省くが、結論は出ている(とぼくは思う)。「あらゆる場面でどちらかがつねに一方的に優れているという考え方は誤り」だということ。
2014-04-18 11:28:53つまり、本質主義、構築主義とも、どちらかだけでは説明できない現象がたくさんあるということ。したがって、どちらかを原理主義的に主張すれば、それでは説明できない現象があることをエビデンスとして、その主張は間違っていると批判されることになる。
2014-04-18 11:31:19「ヲタ用語で言うところの「属性」って、性的マイノリティやエスニック・マイノリティや宗教的マイノリティ、肌の色といった「属性」と全然意味違いますから。それ、ただの趣味ね。」というのは、原理主義的な本質主義の立場であるように、ぼくには見える。
2014-04-18 11:32:32かつては「ただの趣味」とされていて、その「趣味」を持つことで不利な扱いを招いたとしても自業自得だとされていたことが、現在では幅広く「差別」だと認められていることもある。性的指向はその代表格。原理主義的な本質主義では、こういう変動を説明できない。
2014-04-18 11:35:05先ほどの野間氏の一文は、ある立場から(やや悪意に)解釈すれば、セクシュアルマイノリティへの不利な扱いは「差別」ではない、と主張したかのように感じ取る人がいるかもしれないね。
2014-04-18 11:36:57一方で、セクシュアルマイノリティの中には、構築主義の立場を(ぼくには)過度に強調する(ように見える)人がいる。それはそれでひとつのアイデンティティ・ポリティクスなので、自分の生き方を説明する場合はだれも文句をいう筋合いがない。
2014-04-18 11:40:03しかし、差別とはこういうものだ、差別撤廃運動はこうあるべきだといった文脈で、原理主義的に構築主義の立場を強調されると、それでは説明できない現象があるでしょと批判せざるをえなくなる。民族的マイノリティと性的マイノリティのアイデンティティ・ポリティクスは、時にそうやって衝突する。
2014-04-18 11:42:22