地獄鎮守府の日常 #１８～２０

しゅま＠_(_ _ε:)_ @9289schmaisen

セルビアの虎（勝手に名付けた）と呼ばれた男 #地獄鎮守府の日常 http://t.co/VOrM8r4fvs

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白金桜花 @YamanekoOuka

私と叢雲は今私室に居る、提督としての仕事を終え、彼女も艦娘としての仕事を終え、二人で男と女の状態になる。 「それにしても、結構な時が経ったわね」 叢雲が、ソファーに座る私の隣で、そう囁く。 「ああ、色々あったさ、色々ね」 #地獄鎮守府の日常

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最初は叢雲だけだった、そこからメンバーが増えた、増えるにつれ、提督としての管理業務の何割かを叢雲に委託した。現状はある種、私と叢雲の提督2人による共同管理とも、下手をすれば言えるのかもしれない。だが、彼女は私を、私は彼女を信頼している、だから、問題はない。 #地獄鎮守府の日常

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テレビを流すと白黒テレビから様々な番組が放映される。この時間帯はプロパガンダ要素の薄い、艦娘を使ったエンターテイメントが多い。 「このBlackOpsって話、愉快な話ね」 「アフリカ大陸みたいな話だね、いい1時間ドラマだ、刺激的な面白さがある」 #地獄鎮守府の日常

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「ただ、やっぱり駆逐艦が捨て駒なのが気に入らないわね」 叢雲がぼやく、彼女に言わせれば、駆逐艦は軽巡洋艦よりも優れた運用能力を持つ艦だという。 軽巡洋艦は彼女曰く、微妙な砲撃能力と妙な雷撃能力を持ち合わせた、器用貧乏だ。 #地獄鎮守府の日常

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「解体された艦娘向けのエンターテイメントみたいだからね。駆逐艦はそちらの方が先に解体されて社会ででかい顔する奴もいる。でも軽巡洋艦はその駆逐艦にどやされる奴も多い。重巡洋艦のように器用に立ち回れない奴も多いのさ」 適当な地論を、叢雲に語る。 #地獄鎮守府の日常

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「そんなものかしらね、私は外のそういう事情には少し疎いからよくわからないわ」 そう叢雲は返す。 テレビの先では、駆逐艦達が割と大げさ気味に死んでいく映像が流れる。 ピザが少し、食べたくなる映像だ。 「デリバリーピザってあるかな」 「何それ、知らないわ」 #地獄鎮守府の日常

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「ピザって知らないのかい？」 「一応名前と形は知ってるけど、デリバリーなんて存在するのは初耳よ」 少しほっとする。 「何それ、ピザが知らないとでも思ったの？」 「まぁね」 「ひどい、あんまりだわ！」 叢雲が大げさな悲しんだジェスチャーをする。 #地獄鎮守府の日常

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私はそっと、隣の彼女を抱き寄せた。 たまにはこういう、女の子らしい態度の彼女も悪くは無い。 「うー……」 「よしよし」 私は抱き寄せた彼女の頭を撫で、顎の下を撫でる。 柔らかい、きれいな肌と髪の感触が心地いい。 スレンダーな体形が感じ取れるのも、悪くない。 #地獄鎮守府の日常

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しかし、色々な事があった。 2-4で停滞、各種特殊戦役での戦果を出せない日々。 それらを何とか突破して、現状の私達が居る。 また、大規模作戦が行われると言う噂はある。 その時私は、また第二海域で止まるのだろうか。 それとも、最深部で戦い抜くのだろうか。 #地獄鎮守府の日常

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映像は流れる、主人公格の艦娘と敵の決闘だ。 「不知火も呼べば良かったわね」 叢雲が、撫でられながら語る。 彼女と不知火と私の三人で、一緒に居る事は割と多い。 ただ、それでも私が一人で寝る日はある、叢雲が作った日で、名目上は一人でいる日だが、実際は違う。 #地獄鎮守府の日常

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実際には他の艦娘を連れ込む為の日だ。 叢雲は自分以外に抱ける女を増やす事を私に求める。 彼女が死んでしまった場合の、彼女の代役を立てるための選定でもある。 その一人が、不知火だ。 彼女もまた、叢雲からすれば自分の思想や、手段を継いだスペアにすぎない。 #地獄鎮守府の日常

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ただまぁ、不知火と叢雲と私は仲が悪いと言う訳でなく、比較的良好な関係である。 それに抱く女にしても、不知火と後数名ぐらい抱く状態なら、彼女はそれ以上は要求しない。 「じゃあ、少し少し呼んでくるか」 「そうね、ついでにバドワイザーも持ってきて頂戴」 #地獄鎮守府の日常

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「ピザも作ろうか？」 「何時間で済む？」 「ピザパンだから２０分程で」 「OK、三人分ね」 「ああ、じゃあちょっと行ってくる」 そうして私は、私室を出る。 少し肌寒いが、もうすぐ春なのか、昨日よりは暖かい感じがした。 #地獄鎮守府の日常

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私は女癖の悪い、ボンクラな提督だ。 だがそれでも、こういう日々は、守っていたい。 最低のエゴイズムに塗れてる日々でも、私にとっては、必死で得たものに包まれているのだから。 #地獄鎮守府の日常

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最近、提督たちの集う共有食堂に行くのも少なくなってきた。 提督たちが顔を合わせれば喧嘩を行い、発砲沙汰も日常茶飯事、危なすぎてオチオチ出かけられず、友達になった提督とも酒場で語り合うようになった。 #自鎮

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ではどこで食事を取るか？と言われれば、私は担当区画での食堂で飯を食うようにしている。 そうして私は他の艦娘が食事を終えたタイミングで、一人で食事を取っていた。 普段なら叢雲か不知火が居るが、今日はそれぞれ別の場所で遠征を行っており、帰りを待つ状態である。 #地獄鎮守府の日常

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湯気が出ている薄茶色の、大根とにんじんとこんにゃくとジャガイモ、そして豚肉を模した人造肉を煮込んだベジタブルスープ。 豚汁と呼ばれたものと白米、そして秋刀魚の塩焼きを私は食べる。 #地獄鎮守府の日常

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秋刀魚は油が乗っており、醤油をたらした大根おろしを乗せ食べると油のしつこさが中和され、飯が進む。 豚汁もまた、出汁が野菜にしみこみ、豚肉の味がマッチしてる逸品だ。 #地獄鎮守府の日常

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「どや？美味いやろ？」 カウンターの先から、割烹着を着た黒髪の少女、陽炎型駆逐艦、黒潮が笑顔で問いかける。 彼女はこの区画ではいわゆる二軍以下の予備兵力である。 #地獄鎮守府の日常

白金桜花 @YamanekoOuka

予備兵力ゆえに暇をもてあまし、とうとうこの食堂を復旧させ、何名かの同じような艦娘と共に切り盛りしている。 「ああ、いい腕だ」 笑顔をつくり、彼女に返す。 「あーもうそんな笑顔作らんで恥ずかしいわ。不知火はんに妬かれてしまう」 #地獄鎮守府の日常

白金桜花 @YamanekoOuka

「不知火が、か」 「あの子司令官に相当お熱やねん、結構必死に大鳳の悪口あること無いこと吹き込んでるんやで？まぁ、真に受けるのは誰もおらんけどな」 「全く、何で大鳳をあそこまで敵視するのかな」 #地獄鎮守府の日常