戦史叢書「海上護衛戦」&大井篤「海上護衛戦」と、帝国海軍の海上護衛について

戦史叢書「海上護衛戦」&大井篤「海上護衛戦」と、帝国海軍の海上護衛について
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ユキカゼ @NAVY_ICHIHO

とりあえず、日本政府は先の大戦で亡くなった民間船員への謝罪から始めた方が良い気がする……100トン程度マグロ漁船をまんま徴用してその多くを沈ませたり、民間商船の船員を海防艦の艦長へスライドさせたら当該艦が沈没したり、ろくなエピソードがない。

2014-01-06 10:26:27
ユキカゼ @NAVY_ICHIHO

仲間たちをそんな風に喪った民間船員(高等商船)系統の海上保安庁と、海軍再興を目指す海軍軍人(兵学校)系統の海自があまり仲がよろしくないというのもよくわかる。 というか、70年かけて軟化したというか……

2014-01-06 10:34:34
BARSERGA@C103【12/30土】 東 “ユ” 56b @BARSERGA

@NAVY_ICHIHO そのくせ戦史叢書じゃ船団護衛がうまくいかなかったのも「商船学校出身の護衛艦長及び一般乗員の素質・技量等が低かったせいだ」でしょう。恨まれるのもわかりますよねー

2014-01-06 10:38:19
ユキカゼ @NAVY_ICHIHO

@BARSERGA しかも戦後に伝わり賞賛されるのは栄光ある連合艦隊本体の戦闘のみ。そりゃ恨みますって。

2014-01-06 10:45:00
BARSERGA@C103【12/30土】 東 “ユ” 56b @BARSERGA

@NAVY_ICHIHO ですよねー。日本だとあまり船団護衛扱ったフィクションもすくないですしねー。もう少し日の目みてもいいんじゃないかと思うんですよ。…うかつにやると北号作戦になっちゃうので、もう少し、ねぇというのが。

2014-01-06 10:47:06

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BARSERGA@C103【12/30土】 東 “ユ” 56b @BARSERGA

@NAVY_ICHIHO そのくせ戦史叢書じゃ船団護衛がうまくいかなかったのも「商船学校出身の護衛艦長及び一般乗員の素質・技量等が低かったせいだ」でしょう。恨まれるのもわかりますよねー

2014-01-06 10:38:19
こんぱすろーず @flowerclass

https://t.co/dFiSVdd3ZF  このツイート、多分元ネタはここ http://t.co/pTSwl6TuEH だと思うのだけれど、戦史叢書をチェックしてみたところ、これを「海軍が予備士官を差別していた」証拠とするのは正直筋が悪いのではないかと思われる。

2014-04-24 21:29:24

船舶喪失と海上護衛参謀の回想

http://www.d4.dion.ne.jp/~ponskp/yamato/transport/kaijyo-goei.htm

こんぱすろーず @flowerclass

そのままの文章は戦史叢書中に見当たらないのだが、小山貞氏(元海軍大佐)の執筆した「付録一」の「船団護衛がうまくいかなかった理由」にある「開戦後の護衛部隊の急拡大にともなって、護衛艦の艦艇長及び一般乗員の素質、技量は低下した」(大意)という部分であろうと推測できる。

2014-04-24 21:30:06
こんぱすろーず @flowerclass

しかし小山氏によるこの「付録一」の主旨は海上護衛の失敗の主因を「海軍の艦隊決戦偏重思想による、海上護衛に呈する平時の準備不足」に求めるものである。また第2章では戦前に海軍が予備士官に期待していた役割は徴用された特設艦船の乗組員や港務部員、封鎖・臨検要員といった(続)

2014-04-24 21:30:58
こんぱすろーず @flowerclass

補助的なものに過ぎなかったため、戦況の進展によってそのような予備士官を急きょ適切な教育・訓練を欠いたまま戦闘任務に投入せざるを得なかったことに対する反省が述べられていることから考えて、このセンテンスは来たるべき総力戦に向けて有効な対策を打ち出すことができなかった(続)

2014-04-24 21:31:46
こんぱすろーず @flowerclass

海軍の人事政策を批判したものととらえるのが筋ではないか?(少数精鋭を旨としていた日本海軍の人事政策がすでに日中戦争の時点で破綻しかかっていたことについては高橋毅「帝国海軍における人事と教育」「戦史研究年報」第16号 参照)

2014-04-24 21:32:05
こんぱすろーず @flowerclass

そのような文脈から切り離して、これを「俺たち(海軍兵学校)は頑張ったが、お前たち(商船学校)がだめだった。との総括をしている。」と解釈するのはひどく恣意的で不誠実である。言いがかりとさえいえる。

2014-04-24 21:32:31
こんぱすろーず @flowerclass

海軍全体に商船学校出身の予備士官や商船員に対する差別意識は存在したしその扱いも不公平であったことは確かであるが、だからといって恣意的な引用や曲解で先人を貶めるような真似が健全だとはとても思えない。

2014-04-24 21:33:07
こんぱすろーず @flowerclass

まだ粗雑な表現しかできないのだが、大井の『海上護衛戦』にせよ戦史叢書の海上護衛戦にせよ。妙な誤読のされ方をすることが多いのは、両者とも太平洋戦争の推移を記述しながら実は問題意識は別のフレームに向いていることに読者が気づいていないからではないかと思えてきた。

2014-04-29 23:40:17
こんぱすろーず @flowerclass

戦中の海上護衛についての結論は両著作とも「打てる手は打ってみたが何分あらゆるものが準備不足で後手に回ってしまったのでいかんともしがたかった」といったものであり、したがって批判的検討の対象になっているのはむしろ戦間期(あるいはさらにさかのぼって)の日本海軍の戦略構想や体制であって

2014-04-29 23:43:44
こんぱすろーず @flowerclass

戦中の行為や措置そのものではないのだが、戦中の作戦行動について知ろうとして両書を読もうとする読者とはその時点ですれ違いがあるのかもしれない。

2014-04-29 23:46:55
こんぱすろーず @flowerclass

海上護衛を重視しようにもそんなリソースの余裕はなかった、という反論をよく目にするのだが、別に平時から多数の護衛艦艇を整備するなどということが要求されているわけではない。第一そんな贅沢は米英海軍ですら実現できなかったのだ。

2014-04-30 00:05:12
こんぱすろーず @flowerclass

必要とされていたのはもっと地道な準備であった。戦中に護衛部隊を急速に拡大しようとしても、艦艇以上に乗組員が足りなかった。日中戦争当時からすでに正規士官の下・中級指揮官の不足は危機的状況にあり、そして以前触れたように商船出身の予備士官は戦闘に参加させることを考慮していなかった。

2014-04-30 00:09:58
えいち・えむ・えす・ゆりしーず @hms_ulysses

海兵何期の、あるいは何年入営の何年兵の手による回想、回顧だという相場観、僕らの世代ではもうまったく失われて再帰的というか再構的にと言うかで勘所付けてかなきゃっての、『海上護衛戦』についてのもろもろの話の底流にある程度あるんだろうなとこう

2014-04-30 00:14:03
こんぱすろーず @flowerclass

日本海軍には十分な予備役のプールもなければ、戦時速成教育の制度もノウハウも研究されていなかったのである。予想される「次の戦争」の規模に対する備えとしてはあまりにお粗末であったたといえる。そして戦争前半に破綻に瀕していた人員政策を救おうと奔走していたのが海軍省人事局に在籍していた

2014-04-30 00:14:26
こんぱすろーず @flowerclass

大井篤中佐であったというのは示唆的なものがある。

2014-04-30 00:15:07
こんぱすろーず @flowerclass

もうひとつは研究体制。対潜戦術や船団の運航管理に関するノウハウ、センサーに関する研究がたとえ小規模でも蓄積されていれば、劇的とはいかなくとも戦場の様相は変わっていたはずだ。

2014-04-30 00:27:44
こんぱすろーず @flowerclass

戦間期のイギリスを例にとると専門の護衛艦艇はほとんど整備されず対潜水艦戦の専門将校はキャリアに恵まれない状況ではあったけれど、船団運航の管理組織は第1次大戦から変わらず存続していたし、また戦術やドクトリンに関する研究も地道に続けられていた。

2014-04-30 00:31:33