エアミス研同人誌『非実在探偵小説研究会7号』感想まとめ
てことで、エアミス研新刊『Airmys 非実在探偵小説研究会 7』読了。お腹いっぱいである。以下、簡単に感想。というか思いつくまま書いてたら20連ツイくらいになりそうなのでもろもろ端折る(でも10くらいいく。ご容赦)
2014-05-06 01:16:21まずリレー小説。毎回思うけど、よくこんなの(失礼)まとめるなあ、と感心する。無茶振りが半端ないし、しかも最終回ってことで、過去作の放置された伏線までわりと盛り込んでいて。それも計算して放置されたわけじゃなくて、使い道に困って放置したものを。結構ロジック的にもちゃんと着地してるし、
2014-05-06 01:18:20真犯人の設定ならではの動機に、それを裏返した黒幕の動機を被せるとか、感心が過ぎて喫茶店で変な声出た。夜にこの表紙の本読んでるクソぼっちが、カップルに囲まれた状態で。やめてほしい。哀れみの目。ふざけんな。ともかく、力作でした。おつかれさまです。レタス。
2014-05-06 01:20:14短編ふたつ。麻里邑圭人「眼球と雪だるま」。まずは登場人物の名前に草。雪だるま含めK少年オマージュ(?)。宇宙人の存在が前提となる特殊設定モノで、解決それ自体は「なるほど」と思えるけど、読者が真相に辿り着き得るかは疑問。あと被害者が○○だった点の描写、猫を見たうえでの宝石の隠し場所
2014-05-06 01:22:26関するリアクションあたりにもうひとつ欲しい。超人な探偵が早い段階で気づいてるためか、ワトスンでも真相に辿り着ける視点が弱いかなと。雪だるまを○○する理由や、それゆえ…なくだりや最後のオチは面白い。一貫してブレないシリーズで、いずれ一冊にまとめて欲しいところ。
2014-05-06 01:25:04方功鉄文「獅子の檻」。物理に徹底した倒叙?作品。犯人の工作過程ながら、脱出ゲームか無人島物語っぽい印象。正直、画として見えにくい物理は苦手で、実際把握するのに苦労したけど、面白かった。次、ショートショート。前回のSS企画が自分の中で話題になったので、今回も期待大。
2014-05-06 01:26:47田中大牙「名探偵薬」。おちおちグアバ茶も飲めない。パワプロのダイジョーブ博士を思い出しました。佐倉丸春「ランプの精よ」。すでに王者の風格。今回も凄い。麻里邑圭人「探偵連続発狂事件」。色んな意味で法月『ノックスマシン』に収録されてておかしくない。オチが完璧。これも読んでて変な声出た
2014-05-06 01:29:29次、特別寄稿、斎藤肇「作家になって、その先に」。新本格ムーヴメントの一翼を担った著者の回顧録風エッセイ。これはもう単純に面白い。やはり宇山絡みが。O田も読め。そしてマイメイン、松井和翠「ミステリ通になるための短編小説100」。ツイッター上でやりながら中絶した感のある、
2014-05-06 01:30:40「オールタイム短編ベスト100」(ATB100)がこういう形で陽の目をみてうれしい。しかも北村薫風にテーマを設けてそれに沿って挙げるスタイルとか凝りすぎ。内容も充実。惜しむらくは、解説が駆け足すぎる点。今後の企画とあわせて、これまた一冊にまとめて欲しい。
2014-05-06 01:31:39個人的に一番良かったのは、どうしても古典の名作やミステリ風の文学作中心になるところ、ラストに某新人作家のデビュー作から一作持ってきてるところ。ミステリとしての精度や物語としての強度、文学としての洗練を軸にしてるセレクトで、この「全然未熟だけど評価してやりたい」チョイスはグッとくる
2014-05-06 01:32:42というかこの著者、なんで編集が某氏じゃないんだろうね。どうみてもベストの組み合わせというか、一番磨ける人だと思うんだけど。余計なお世話。はい。ちなみに、既読は100のうち54。こんなものか。池澤夏樹編の全集とかボルヘス編のバベルの図書館とか、あの辺の底なし沼に手を出し切れてない。
2014-05-06 01:35:07「Airmys7号」ちょっとずつ読んでますが、まるしゅんさんのショート・ショートやっぱりすごいわ。これが天然なのか……!?
2014-05-06 11:17:20昨日購入したエアミス同人誌リレー小説を1号分から順番に読もうということで読んでます。今のところ1・3号分のみ読了。上手く伏線拾ったり繋げたりしながら唸らせて、そしてえらいことしでかして魅せるのまじ反則。面白すぎるでしょ。早く5・7号分読まな。
2014-05-06 13:13:08松井和翠「ミステリ通になるための短編小説100」:「ミステリ通」といいつつ幅広いジャンルを押さえて、テーマごとに紹介した労作。意外だったり納得だったりのセレクションは読みごたえ十分ですが、欲をいえばもっと読みたい。ちなみに既読は25/100。 #air_mys_ken
2014-05-06 20:49:00特別寄稿の斎藤肇「作家になってその先に」:事前に読ませていただいてたので再読になりますが、今は遠い昔となった新本格勃興期の裏事情(?)と、「作家とは?」という考察は、やはり読み物として実に面白い。作家を目指す方ならずとも必読かと。 #air_mys_ken
2014-05-06 20:54:00田中大牙「名探偵薬」:星新一風のショート・ショートで、オチは途中で読めますが、しゃれてます。動機(?)がいいですね。 #air_mys_ken
2014-05-06 20:57:30佐倉丸春「ランプの精よ」:ファンタジーミステリ(?)のショート・ショートで、犯人が明かされた時には「は?」と言うしかなく、理解できてみると、設定と手順が実にいやらしい(ほめ言葉)。超傑作。 #air_mys_ken
2014-05-06 21:01:06麻里邑圭人「探偵連続発狂事件」:一部で言われてますが『ノックス・マシン』風の、ミステリパロディショート・ショート。探偵が発狂する理由にも笑いを禁じ得ませんが、オチがまたすばらしいw #air_mys_ken
2014-05-06 21:04:10麻里邑圭人「眼球と雪だるま」:某ノベルス風の扉が目を引く、銀河探偵シリーズの短編。内容は十分に面白いですし、オチには驚かされたのですが、ある手がかりがわかりやすく、そこからするすると全貌がだいたい見えてしまったのが、個人的に残念。 #air_mys_ken
2014-05-06 21:08:21方功鉄文「獅子の檻」:ひたすら物理トリックの実行を描いた、風変わりな短編。犯人の苦労に頭が下がるというか何というか。少々わかりづらいのは承知の上だと思われるので、じっくり再読してみたいところです。 #air_mys_ken
2014-05-06 21:15:47紫陽花勝則「涅槃城殺人事件」:リレー小説完結篇。これだけでもうお腹いっぱいで、以前のものを再読する気力がわかないのですが、散々無茶苦茶やっっておいて、完結篇らしくきれいにまとめる手際がものすごい。特に第5章ラストで明かされるアレと、犯人の動機に脱帽。 #air_mys_ken
2014-05-06 21:20:00