『美味しんぼ』の描写についての東浩紀さんのつぶやき（2014．05．13）

東浩紀 Hiroki Azuma @hazuma

美味しんぼについて某週刊誌より電話取材を受けたので、ぼくは福島第一原発内に入ったけど鼻血はまったく出ていないし、件のマンガについては素朴に信念を表現したというよりも話題性重視の商売的なものを感じるので支持できないと答えました。

東浩紀 Hiroki Azuma @hazuma

権力を告発する決死のドキュメンタリーなるものこそ俗情に訴えた格好の金儲けの道具になり、その二つはまったく　矛　盾　し　な　い　というのが現代社会のアイロニーであり、要はあの作者は、一方でこれは真実だと思いつつ、他方ではこれやれば儲かるぜとも思っていたと思うんですよね。そこが不快。

東浩紀 Hiroki Azuma @hazuma

福島の現実について語るのであれば、反権力の決死の告発なるものこそがいまマーケットでいちばん「商品」として求められている、というこの状況全体への批判が必要なんだと思います。

東浩紀 Hiroki Azuma @hazuma

反原発やら健康被害告発やらがいちばんキャッチーな「商品」であり思考停止の道具になってしまう。という状況に対するシビアな自覚なくして、本当の反原発も告発もありえないんじゃないでしょうか。美味しんぼはだめですよ。父子が鼻血で和解とか、物語としてもくだらなさすぎる。