トヨタ生産方式とエセトヨタ生産方式の違い

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せみやしん @shin_semiya

必ずデスマするアジャイルの作り方

2014-05-16 23:34:05
せみやしん @shin_semiya

上層部からの「次はアジャイルでやってよ」という声で始まる 上層部のアジャイルの理解は「早い、安い、うまい」という理解 「アジャイルだから設計できてなくてもいいんでしょう?」 「アジャイルだから仕様変更何回してもいいんでしょう?」 最後にお約束の「ただし納期と仕様はマストだから」

2014-05-16 23:34:50
せみやしん @shin_semiya

基本的に形から入る。 イテレーションという短い単位で区切る。一週間単位が多い。 なぜ一週間なのか、とかそういう話はしない。 かんばんというものも取り入れる。 かんばんつくる目的って何?とか考えない。 新しいプラクティスを入れないところは今まで通りやる。

2014-05-16 23:36:39
せみやしん @shin_semiya

例えばタスク管理はエクセルシートで行う。 それってほかの作業と食い合わせ悪くね?という話をするのは反逆である。 また、当初に決めた作業を基本的に最後まで温存される。 作業は増えるが、それって無駄じゃね?とか言う理由で何かが減ったりはしない。

2014-05-16 23:38:04
せみやしん @shin_semiya

カイゼンのための現場カイゼン会議などという会議を定期的に行う。 ただし、会議の方向性は事前には決めない。 また参加者に対し、カイゼンとはどのように行うか、最初に現状をどう分析するか?という研修はほぼ行われない。 あったとしても、現場にいる「詳しい人」が1時間くらい説明をするだけ

2014-05-16 23:39:52
せみやしん @shin_semiya

エセアジャイルの特徴として「失敗を認めない」 あるいは上司の承認が必要で、かつ上司が「前例がない」「リスクが高い」という理由で却下されるケースが多い。 また、一度承認された場合は誰かが責任を持って年単位で最後まで実行される。 途中でやめるという選択肢はない。

2014-05-17 00:35:16
せみやしん @shin_semiya

さてこの辺でみんな大好きトヨタ生産方式の話をしよう。

2014-05-17 00:35:42
せみやしん @shin_semiya

当時弱小自動車メーカーに過ぎないトヨタは身の程知らずにもアメリカ自動車メーカーに挑もうとした

2014-05-17 00:36:10
せみやしん @shin_semiya

この時点で問題になるのは原価である。 基本的に原価というものはスケールメリットがきくので大量に生産した方がコストが安くなる。 だからアメリカ人が大味に10,000台作って2,000台売れ残っても 日本メーカーが1,000台作って100台売れ残るより利益率が高いのである

2014-05-17 00:37:42
せみやしん @shin_semiya

またスケールメリットを背景にした低いコストを武器に同じ品質の車を安く売れる。 高くてしょぼい日本車は、愛国心を煽れば多少は売れるかもしれないがアメリカメーカーを超える規模になることは不可能である。

2014-05-17 00:38:42
せみやしん @shin_semiya

ここで大野耐一は社長から無茶ぶりされる。 「数年でアメリカ自動車メーカーを超えるんだ」 いや無理やろ

2014-05-17 00:39:55
せみやしん @shin_semiya

しかしスケールメリットがあるんだからなんぼ量産効果出しても生産台数の桁が違うので普通にやったらコストでは勝てない そこで大野は「無駄を省けば原価下がるんじゃね」ということで無駄を省く方針に変えた。 要するに細かく計画変更かけて在庫と売れ残りを減らそう、というのが始まりだった

2014-05-17 00:43:04
せみやしん @shin_semiya

しかし細かく計画変更したら何人管理職が生産管理室にいてもたりない。 そこで、現場に権限委任して現場で次のタスクと生産する量を判断させるようにした。 またそのための情報を載せる情報インフラを構築し、判断基準を単純化、明確化した

2014-05-17 00:44:50
せみやしん @shin_semiya

エセトヨタ生産方式は、権限委任の分を怠る。 また現場の判断のおおもとになる情報インフラと判断基準の整備を行わない、絶対にだ。

2014-05-17 00:47:02
せみやしん @shin_semiya

社内では開発が柔軟に変更できるようになった。 しかし、外注が部品を持ってこない、あるいは注文から納品までに時間がかかるせいでそれに振り回されて残業が常態化した。 それではほかのことができない。 そこで外注先に小ロットで細かく納品してもらえるようにした

2014-05-17 00:48:18
せみやしん @shin_semiya

しかし小ロットというのは請負先から見ると困る。 別にトヨタだけと商売している訳じゃない。 ラインの組み替えがあるのでまとめて作ってまとめて納品した方が楽なのだ。 なのに小ロットで納品だ?トヨタは俺たちに何をしてくれるんだよ。

2014-05-17 00:49:50
せみやしん @shin_semiya

大野はここで「じゃあ発注量を保証します。ラインを組み替えなくていいのでそれなら小ロット納品余裕でしょ?」と言った。 ぶっちゃけハイヨロコンデーである。 不況時の売上が保証されるのだ。 また、トヨタ方式になれた熟練工が外部に確保できるようになった。 人員の入れ替えがないからだ。

2014-05-17 00:51:14
せみやしん @shin_semiya

トヨタ生産方式では作業を円滑にするために周囲を巻き込む。 また巻き込むために対価を提供し利益で相手を巻き込む。 エセトヨタ方式は対価をしめさず要求をタダで実行させようとする。 相手は聞き流すし、現状はカイゼンされず、ボトルネックが温存される。

2014-05-17 00:54:08
せみやしん @shin_semiya

大野のトヨタ生産方式の特徴は、トヨタ生産方式を実現する人員が不可欠だとした点だ。 新しい生産方式構築のために、現状分析や生産管理のノウハウをもつ人材を外部から高給で引き抜いた。 また、新しいやり方になじまない、従わない、抵抗する人間は容赦なく外した。

2014-05-17 00:56:19
せみやしん @shin_semiya

高給で招いた人材に指導や研修を行わせ、リーダークラスを少数そだて、さらに育った少数の中核人材と講師でさらに多くの人材を育てた。 暗黙知の移転は簡単ではなく、1人から少数に長い時間をかけて伝播するものと考えていたからである。

2014-05-17 00:57:49
せみやしん @shin_semiya

エセトヨタは研修を軽視する。 現場の、現状分析に詳しくない、あるいは知識が10年前で止まったままのおっさんが大部屋に集まった数十人に1~2日講習をすれば十分知識がつくものと考えている。 外部講師は必要ない、我々は特別で十分に先進的だと考えている。 だがその根拠は薄弱だ。

2014-05-17 00:59:12
せみやしん @shin_semiya

また新しいやり方に抵抗を示す人間にも寛容であり、一方で新しいやり方が実行されているかという点を評価することには無関心である。 だから現場では受け入れる人間よりも抵抗する人間が多く、新しいやり方は常に根付かない。

2014-05-17 01:00:21
せみやしん @shin_semiya

実は大野のトヨタ生産方式は結構失敗している。 トライしたうち半分くらいはやっぱりダメだったね、で取りやめ、うまくいったトライについては「もう少し進めてみようか」で進める。 ポカヨケやカンバンなどはうまくいった方のたぐいである。

2014-05-17 01:02:11
せみやしん @shin_semiya

外部講師から十分な知識伝授をうけ、そのサポートのもとで現状を正しく認識し、仮説の立て方を知っている人間がチャレンジしても半分以上はうまくいかない。 そしてそれでも諦めずに進めたからカンバンやトヨタ生産方式は育った。

2014-05-17 01:03:23
せみやしん @shin_semiya

エセトヨタは低い能力の人間が不正確な現状認識をもとに、適当な仮説を立てて、カイゼンを行う。 さらにその評価も行われない。 失敗したら非難されるし成功しても成果が評価されないので根付かないし途中で放り出される。 だから低い成功率と続かないチャレンジに苦しむ

2014-05-17 01:05:19