「梅小路公園水族館計画の経過と問題点」 by 中島晃弁護士
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中島晃弁護士 梅小路公園水族館計画の経過と問題点
①京都大原でハーブを育てながら、自然に優しい暮らしをされているベニシア・スタンリースミスさん…そんなベニシアさんのBS番組が「大好き」と語っていらした中島晃弁護士が、京都の【梅小路公園水族館計画の経過と問題点】について、分かりやすくご説明して下さいました。 (続
2010-11-06 13:29:38②【はじめに 発端はオリックス不動産の働きかけ】京都市下京区の梅小路公園に、オリックス不動産が水族館を建設するという計画が市民の前にはじめて明らかにされたのは、'08年7月でした。しかし、実際に、オリックス不動産が水族館建設の構想を示して、 (続
2010-11-06 13:32:40③京都市に働きかけを始めたのは、'05年12月のことであり、約2年半にわたって、京都市とオリックス不動産は水族館建設に向けて、市民にしらせないまま水面下で協議を続けてきたのです。'08年7月、この計画が発表されると、京都市長は、いち早く、 (続
2010-11-06 13:40:12④「第三者機関、市民などの意見を聞き、方針を決めたい」として、「検討委員会」を設置するとともに、市民意見を公募しました。'08年12月、「検討委員会」が水族館建設を妥当とする答申を提出したことから、一気にこの計画の実現に向けて動き出しました。 (続
2010-11-06 13:44:26⑤しかし、京都市の公募した市民意見では、その7割が環境負荷の増大や古都京都にふさわしくないと反対していることが明らかになっています。今回の水族館計画は学習教養施設とされているものの、年間200万人もの入場者を予定した国内最大級の内陸型水族館であり、 (続
2010-11-06 13:50:45⑥その実態はイルカショーをメインとした大規模集客をめざした商業的色彩の強い営利施設にほかなりません。 【今回の計画の問題点】今回の計画の問題点の第1は、「いのちの森」として市民に親しまれ、広域避難場所にも指定されている梅小路公園の機能が、オリックス不動産という営利企業の (続
2010-11-06 13:55:39⑦商業的施設によって大きく損なわれることです。問題の第2は、CO2の新たな排出源の建設による環境負荷の増大です。京都議定書誕生の地であり、「環境モデル都市」にも選定され、CO2のためにコンビニ規制も検討してきた京都市が、年間5000トン以上ものCO2を排出する水族館の設置を (続
2010-11-06 14:03:35⑧認めることは温暖化防止に逆行するものです。問題の第3は、イルカショーなどによる水族館の集客は、生物多様性の破壊を招くことです。イルカなどの海洋ほ乳類は繁殖力が低く、また水族館飼育下のイルカの寿命は自然界の3分の1程度でありことから、 (続
2010-11-06 14:09:34⑨イギリスなどでは水族館でのイルカ展示はすでに中止されています。2010年10月には、名古屋で生物多様性条約の第10回締約国際会議が開催され、今回の水族館計画は生物多様性保護に逆行するものとして、国際的批判をあびることになります。 (続
2010-11-06 14:13:39⑩問題の第4は、年間200万人もの入場者を予定して、公園周辺の交通渋滞やイルカショーなどの騒音による地域の平穏な生活環境の破壊が懸念されることです。問題の第5は、上述したとおり本件水族館の設置により、大量の自動車交通が集中することによる大気汚染やイルカショーなどの騒音により (続
2010-11-06 14:19:04⑪地域の平穏で良好な環境の破壊が懸念されるにもかかわらず、水族館が完成して営業を開始した場合に、周辺の環境にどのような影響を及ぼすかについて、環境影響評価手続きにもとづく予想と評価がなされていないことです。以上述べたように、今回の水族館計画にはさまざまな問題点があることが (続
2010-11-06 14:24:30⑫明らかになっており、多くの市民から反対の声があがっています。【京都市による設置許可の強行】今回の水族館計画には、上に述べたとおり、さまざまな問題点があることから、市民から京都市とオリックス不動産に対して、市民の疑問にこたえるために説明会を開催して、 (続
2010-11-06 14:30:33⑬説明責任を果たすよう求める声があがりました。こうした声におされて'10年1月30日ようやくオリックス不動産が第1回の説明会を開催したのをはじめ、'10年3月22日と4月25日には京都市とオリックス不動産の共同説明会が開催されましたがいずれも市民から質問が次々と出されるなかで(続
2010-11-06 14:35:43⑭十分な回答がなされないままに予定した時間が経過したということで、説明会が打ち切られました。また、'10年2月7日には200人以上の市民の手で、建設予定地を取り囲む人間の鎖がつくられたのをはじめ、4月25日には、京大会館で市民による水族館問題を考える (続
2010-11-06 14:41:07⑮公開シンポジウムが開催されるなど”梅小路公園に水族館はいらない”という市民の運動もまた力強く展開されてきました。しかし、京都市は、こうした市民の声や運動の広がりを無視して、'10年5月14日オリックス不動産から申請されていた、梅小路公園での水族館の設置許可を強行しました。 (続
2010-11-06 14:47:31⑯これに対して、私たちは直ちに抗議行動に取り組むとともに、京都市長に対して、水族館設置許可の取り消しを求めて、都市公園法にもとづく異議の申立てに取り組み、6月22日には、市民351人が京都市長宛てに異議申立書を提出しました。 (続
2010-11-06 14:57:40⑰さらに6月28日、京都弁護士会が水族館設置許可の再検討を求める意見書 http://bit.ly/bW19ce を提出しました。また、9月14日には、周辺住民ら141人が京都市建築審査会に、京都市が7月16日に行った水族館の建築確認について、その取り消しを求める審査請求を (続
2010-11-06 15:37:39⑱行いました。こうした住民のねばり強い運動のなかで、京都市は、8月下旬、当初予定していた梅小路公園の七条入り口広場に水族館の来場駐車場を建設する計画を断念するに至りました。以上のように、梅小路公園に水族館はいらないという市民の運動は、京都市長による設置許可の強行という (続
2010-11-06 15:43:34⑲新しい事態のもとでも、いささかもひるむことなく力強く前進しています。一人でも多くの皆さんが、この運動をさらに大きく発展させるために、ともに力を合わせて下さることを心から訴えるものです…と、中村晃弁護士は締めくくられています。地球温暖化が深刻な災害を各地で引起している現在、 (続
2010-11-06 15:49:15⑳京都の市民だけではなく、日本国中の皆様のご協力のみならず、世界中の環境問題や野生動物の保護等、これからの地球の未来に関心を寄せていらっしゃる方達のご協力を、早急に京都は必要としています。ご協力頂きますよう、引き続きよろしくお願いいたします。
2010-11-06 15:56:28関連togetter
2010年4月25日 京都市とオリックス不動産の地元説明会での”サクラ”をつかったやらせ問題について…
「京都水族館計画 怪しい水族館」 http://t.co/8Kq5I1Bt 地域住民説明会で…唯一賛成のの発言をした人がいたそうである。…何年か前のタウンミーティングでの「やらせ」を思い出す。京都市民も馬鹿にされたものだ。(引用)
2011-09-20 13:27:33