- a_nightbreed
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この辺から続く話
ゲーマー放射線科医です。放射線恐怖症と殴り合うアカウントでしたが、最近は趣味話や冗談ばかり書いています。 自分の鑑賞専用(ここ重要)に映画の字幕を作る変な趣味を持っていますが、その延長で映画「ロックス・イン・マイ・ポケッツ」やゲーム「クランキー・ヒーロー」「スリー・ミニッツ・トゥ・エイト」の日本語化を担当しました。
なーんかまた「自分の知らないことを想像で補ってわかった気になった人たち」がぞろぞろと湧いてきたんで一応書いておきますね。I-131 MIBGってのは甲状腺癌とかに使うI-131 ヨウ化ナトリウムとは違って静脈注射で投与する薬。まずここで早くも間違ってる人が1人。
2014-05-23 01:15:25で、この治療は治療部屋に閉じ込めて投与して、大抵は3週間くらい経たないと部屋から出られないんだけど、出た後にシンチグラフィを撮ると鼻の粘膜が黒っぽく写る。「停滞するわけない」じゃなくて停滞してるのが画像でちゃんと写るの。
2014-05-23 01:15:59なお、注射した翌日に撮影を行うI-123 MIBGっていう検査用の薬もありますが、これも鼻粘膜はちゃんと写ります。これと治療の薬の間に生化学的な違いはないので、治療の人も当然遅くとも1日後には鼻粘膜に集積して、3週間後も鼻粘膜のところにある程度の量が残りっぱなしってこと。
2014-05-23 01:16:29分かりやすく言えば、その少なくとも3週間の間は「鼻から放射性ヨード(入りの薬)がどんどん出てくる」みたいな状態なわけですよ。そんな状態でも鼻血が出ないのに、外から来た放射性の微粒子が鼻粘膜に付着して被曝させて鼻血が出るって?ご冗談をw
2014-05-23 01:17:23あとヨードだから全部甲状腺だと思ったら、それも大間違い。MIBGってのはノルアドレナリン類似物質で、甲状腺じゃなくて副腎とか交感神経の腫瘍によく集まるんですよ。遊離しちゃったI-131は普通に甲状腺に行くので、甲状腺も写りますけどね。
2014-05-23 01:21:20知ったような口ぶりで持論を展開してた人、私が鼻血の反例として出してたI-131 MIBGが、甲状腺癌とかに使う放射性ヨードとは違う薬だって気付いてすらいなかったでしょう?核医学にはあなたの知らないことはまだまだいっぱいありますし、そこを表層をなぞった程度の知識で補完は出来ません。
2014-05-23 01:23:59で、I-131 MIBGは鼻粘膜に分布して、鼻粘液に排泄されるってことがわかってる薬。つまり鼻粘膜の中から外からγ線とβ線が両方当たるわけ。ガンマカメラでちゃんと写る量だから、存在すら怪しい「鼻粘膜に付着する微粒子」とやらよりは圧倒的に多いのは自明。線量計ががっつり反応しますよ。
2014-05-23 01:24:46あと、医療被曝は管理されてるっつーけど、「管理されてるから管理されてないより安全」って考え方もおかしいですやね。温度は自然任せだけど概ね40度くらいの温泉と、100度になるよう管理したお湯はどっちが危険か。当然後者。重要なのは絶対量であって管理の有無じゃない。
2014-05-23 01:25:17机上の空論を弄するのもいいけど、最低限事実として分かってるところは押さえて仮説が事実に合うようにしないと、そんなものはただのファンタジーです。あるいは科学の皮を被ったオカルト。ハッキリ言うと、邪魔なんでそういう遊びはチラシの裏でも使ってやっててください。
2014-05-23 01:25:52あ、さっきの話で1つ補足。「I-131 MIBGは鼻粘膜に分布して排泄される」って書きましたけど、もちろん主たる排泄経路ではなくごく一部です。ただ、治療の場合は数ギガベクレル投与したのうちの「ごく一部」ですんで、まぁ相当な量です。正確な量はちょっと調べられないですけどね。
2014-05-23 01:59:20んー、もしかして数ギガベクレル程度の投与は大した量じゃないって言いたいのかな?じゃあ「1ベクレルたりとも入れてはならない」って言ってるお友達を説得しといてほしいところ。 twitter.com/yunishio/statu…
2014-05-23 02:56:14ケタ数を明らかにしない「ごく一部」って便利な表現だなあ。薬剤の選択性を考慮しないとしても3.7GBqなら細胞1個あたり0.1mBq、細胞1gあたりなら100KBqくらいかな。twitter.com/PKAnzug/status… @PKAnzug @R5_nanomi
2014-05-23 02:41:07環境省「放射線による健康不安の軽減等に資する人材育成事業及び住民参加型プログラムの開発」の周辺について togetter.com/li/559398
2014-05-23 08:09:25具体的な製品名ちゃんと書けばいいのに。こちらも水溶性で静注なので、「鼻腔粘膜に放射性物質が停滞」しませんよね。 twitter.com/PKAnzug/status… fri.fujifilm.co.jp/med/products/d…
2014-05-23 08:22:20添付文書くらいはちゃんと読んどいた方がいいですよ。 fri.fujifilm.co.jp/med/products/d… twitter.com/PKAnzug/status…
2014-05-23 08:27:04@PKAnzug このあたりがまだよく理解でいないのですが、原発事故のような状況で被ばくして、急性期~亜急性期にかけて、ある核種が致死量ではない量だけ体内に入り、骨髄抑制して血小板減少して鼻粘膜から出血はあり得ると思いますか? すみません、いきなり質問して
2014-05-23 08:30:51@PKAnzug 初めまして、先週のTweetに反応してしまいました。やったのはMRIでしたが何もないと言われ1年後造影剤を入れてリトライ、やっぱり何もないと言われ他院で撮り直して異常あるよと言われたことがあります。画像を読めなければ検査も意味がないと思い知ったできごとでした。
2014-05-23 08:33:08@hanashiawanai 骨髄抑制で出血傾向が出るのって結構「生命の危機」なんですよ。感染などに対する抵抗力も下がるし、鼻だけでなくあちこちから出血します。なので鼻血だけで済むようなのはあり得ないですし、そもそもそこまで浴びる状況が原発内でもないとないです。
2014-05-23 08:39:18おっと、「医療用放射性物質と原発の放射性物質を一緒にするのは、カレーでくしゃみ出ないからってコショウでくしゃみ出ないと言うようなもの」ってのが一瞬目に入ったので書きますね。カレーとコショウは刺激物質自体が違うので、被曝するのが同じβ線やγ線である事例の喩えには不適切。やりなおし。
2014-05-23 09:20:04同じレベルの喩えでもっと適切なのを書きましょう。「42度の風呂で全身火傷しないんだから、37度の牛乳風呂で全身火傷するわけねーだろ」です。これだと火傷の原因なのは共通して「熱」なんで、先の事例の喩えになる。
2014-05-23 09:21:23で、そこで「表面に張った膜が貼り付いて火傷を」「ジャージー牛乳ならわからないだろ」「牛乳なら火傷する特異体質の人がいないことを証明しろ」って3年頑張ってるのがあの人たち。笑うかもしれませんが、我々から見たらこのレベルで滑稽な話なのですよ。正直ちょっとウンザリ。
2014-05-23 09:21:58にしても、同じく原子炉から取り出してるものが多い放射性医薬品でも、あの人たちにとって「ケガレ」にはならないんですね。ちょっと興味深い。あと管理されてる方が安全って主張も、よく「自然が安全」って言ってるのとかなりズレるし、場当たり的に自説補強の主張をしてるんでしょうかね。
2014-05-23 09:22:22