「量子暗号に30年ぶりの新原理」? 古田彩さん&谷村省吾先生の解説まとめ

量子暗号に30年ぶりの新原理―「読まれたら気づく」から「読めない」手法へ― ってどゆこと? 『日経サイエンス』編集部の古田彩さん、谷村省吾先生による解説連ツイ。
150

関連まとめ

まとめ 「量子力学ってどうも騙されているようで納得できない」人のための量子力学入門連ツイ 『日経サイエンス』の記者兼編集者、古田彩さんによる「量子力学ってどうも騙されているようで納得できない」人のための、日経サイエンス7月号「特集:量子の地平線」の前説連ツイ。まだ続くようなので、暫定まとめです。 171475 pv 1508 310 users 151

本編

TANIMURA Shogo @tani6s

量子暗号に30年ぶりの新原理―「読まれたら気づく」から「読めない」手法へ― 小芦雅斗、佐々木寿彦(東京大学光量子科学研究センター)、山本喜久(国立情報学研究所) t.u-tokyo.ac.jp/epage/release/…nii.ac.jp/news/2014/0522

2014-05-22 17:45:14
TANIMURA Shogo @tani6s

論文:Practical quantum key distribution protocol without monitoring signal disturbance, T. Sasaki, Y. Yamamoto & M. Koashi; Nature 509 (2014).

2014-05-22 17:47:34
東京大学 工学部広報室 @Eng_Univ_Tokyo

本日解禁のプレスリリース!量子暗号に30年ぶりの新原理 ー 「読まれたら気づく」から「読めない」手法へー :光量子科学研究センター 小芦雅斗教授らの成果です。 Breakthrough in 30 years of... fb.me/34c2Ip59v

2014-05-22 13:50:46
日刊工業新聞電子版 @Nikkan_BizLine

東京大学など、新しい原理に基づく量子暗号方式を提案。量子暗号分野で30年ぶりの新原理の提案になる nikkan.co.jp/news/nkx022014…

2014-05-22 11:39:36
根来誠 QuEL @makoto_ne56

量子情報でビッグニュース! 東大など、不確定性原理に基づかない盗み見が困難な新量子暗号方式を考案 | マイナビニュース #mynavinews news.mynavi.jp/news/2014/05/2…

2014-05-22 20:07:27
リンク マイナビニュース 東大など、不確定性原理に基づかない盗み見が困難な新量子暗号方式を考案 東京大学(東大)は5月22日、従来の不確定原理に基づく量子暗号方式とはまったく異なる動作原理に基づく量子暗号方式を考案し、従来は必要とされていた通信路の雑音量を監視せずにセキュリティを確保できることを証明したと発表した。
Keisuke Fujii @fgksk

量子暗号ニュースすごい!純粋理論的にも深淵でかつ、応用上・実用上も重要な結果はすごすぎる。

2014-05-22 21:13:05
古田彩 Aya FURUTA @ayafuruta

小芦雅斗先生と佐々木寿彦さんらの新原理の量子暗号で,量子情報界隈が盛り上がっている。年初からあちこちで発表されていたが,22日にNature掲載。

2014-05-23 23:07:46
古田彩 Aya FURUTA @ayafuruta

記者発表も盛況だった。予定時間を2時間以上オーバーして質問が続き,その後で小芦先生に別途アポ取って取材した記者もいたらしい。でも報道は少ない。こういう難しい話はやっぱり載りにくいなあ。

2014-05-23 23:08:47
古田彩 Aya FURUTA @ayafuruta

今回用いた「差動位相シフト(DPS)」っていう暗号スキーム自体は,12年前に井上恭先生が開発したもの。すでに実験も行われている。その安全性を証明する過程で,新たな原理で機能し得ることがわかったという。

2014-05-23 23:09:46
古田彩 Aya FURUTA @ayafuruta

具体的には,送信者は最適条件の場合で5個の光子を100個ほどのパルスに,うすーい重ね合わせにして入れて送る。受信者はそのパルスを長さの違う2経路に分け,その先でもう一回合わせて干渉させ,出力から暗号鍵を作る。

2014-05-23 23:11:33
古田彩 Aya FURUTA @ayafuruta

どこが従来と違うのか? 超ざっくり言うと,これまでの量子暗号は「盗聴があったらバレる」というところに量子の性質を使っている。不確定性原理によれば,盗聴者が光子を測定して情報を読み出したら,光子にその痕跡が残る。だからバレる。

2014-05-23 23:13:57
古田彩 Aya FURUTA @ayafuruta

今回の量子暗号は,盗聴を防ぐところには量子を使ってない。そこは量子でも古典でも成立する「情報因果律」で保証してる。この暗号は,「基本的には盗聴者にも受信者にも情報が読めないシステム」だと,小芦先生は不思議なことを言う。

2014-05-23 23:16:38
古田彩 Aya FURUTA @ayafuruta

情報因果律というのを直観的に言うと,「沢山ある問題の中からランダムに解く問題を指定されたら,ちょっとしか勉強してない人はテストに失敗するということ」。小芦先生の直観的な説明は,いつもながら大胆だ。

2014-05-23 23:21:17
古田彩 Aya FURUTA @ayafuruta

この実験で言うと,100個のパルスに5個の光子をうすーくまんべんなく乗っけて(専門用語で言うと重ね合わせにして)飛ばすと,例えば「67番のパルスの位相は何だ」と番号を指定して聞かれてもわからん,ということ。

2014-05-23 23:23:31
古田彩 Aya FURUTA @ayafuruta

だから情報が読まれないのだが,受信者だけは情報を読めるようでないと通信にならない。実は受信者は「光子の場所」じゃなくて,それと相補的な「2つのパルスの位相差」を読むことができる仕組みになってる。だから通信が成立する。

2014-05-23 23:28:12
古田彩 Aya FURUTA @ayafuruta

以上,小芦・佐々木のDPS量子暗号の超特急まとめ。量子情報の皆様 @tani6s @yshikano @makoto0218ne56 @fgksk @SuperFluegel 間違っていたらご教示下さい。

2014-05-23 23:35:31
Yutaka Shikano / Mameo (P.N.) @yshikano

@ayafuruta 佐々木・小芦の量子暗号の超特急まとめの件です。DPSそのもの ireap.umd.edu/NanoPhotonics/… のSecurityの担保の仕方と今回提案された Randomized DPS 暗号のSecurityの担保の仕方は違いますね。

2014-05-24 21:26:32
Yutaka Shikano / Mameo (P.N.) @yshikano

@ayafuruta twitter.com/ayafuruta/stat… の部分が少し違うと思います。Randomized DPS は確かに井上さんたちのDPS量子暗号の拡張ですが、違う形でSecurity を担保しているところが面白くかつ、今回の発見の要だと思っています。

2014-05-24 21:29:15
古田彩 Aya FURUTA @ayafuruta

.@yshikano 鹿野さん,どうもありがとうございます。仰る通りです。元のDPS暗号は確かに出発点だったけど,受信者が遅延の度合いを自由に変えられるような仕組みはなかったし,そこを変えたことで,新しい方法でSecurityを担保できるようになったわけです。ご指摘感謝です。

2014-05-25 00:12:04

谷村省吾先生の解説

1 ・・ 4 次へ