ストレイトロード:ルート140(5周目)
- Rista_Bakeya
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藍ちゃんと言えば「風」ですが、厳密には「大気」への干渉能力です。気圧の差が風や悪天候を生むからあれこれできる。多分、真面目に勉強したらもっと色々なことができる。何故そんな特技を持っているのかは不明。 #自キャラの特殊能力的なやつを晒す
2014-04-19 11:04:15「遊びに来たわけではないんですよね?」そんな感じの言葉を何度発したか。寄り道を繰り返しながら広場を突き進む藍の目的が何なのか、私は一切教えてもらえなかった。そこかしこに遊ぶ子供たちの歓声。彼女も遊具によじ登っては降りる。だがその顔に笑みはなく、目は鋭さを失わない。探し物だろうか。
2014-04-09 18:45:50町外れの空地に車を停め、外で昼食の仕度をしている途中、突然藍が悲鳴を上げた。見ると車の助手席に一匹の野犬が居座っていた。人に慣れているらしく、暴れないが動こうともしない。この犬をこのまま連れて行くか聞くと、藍は即座に却下した。「言うこと聞かない犬の面倒なんか見きれない。絶対無理」
2014-04-10 19:14:00軍隊に討ち取られた怪物の巨大な亡骸を目にしても藍は動じない。私と出会う前から何度も見てきたのだろう。つい目をそらした私に言った。「あのクリーチャーがどこから来たか知ってる?」それは人類が解いていない謎の一つではなかったか。「今でもどこかで生まれてるはず。わたしはそれも探してるの」
2014-04-11 19:48:29140文字で描く練習、203。生まれる。 終わりがあるなら始まりもあった。 物語の世界における大きな怪異もまたしかり。
2014-04-11 19:49:50風の魔女は有名人だ。特に侵略の経過を興味本位で追いかけるような人間にとっては。「選ばれた存在って言ってたけど、あれ絶対誉めてなんかない」藍は口を尖らせる。街中で自称科学者に付きまとわれ、突き放してから小一時間。怒りは収まらない。「自分が一方的に選んでるだけなのに、調子に乗って!」
2014-04-12 22:16:39「残念ながら渋滞中ですね」「見れば分かるわよ」郊外のハイウェイを走る車は激減したが、大都市の中に限ればまだ渋滞は日常の内だ。数キロ先の事故のために私達の車は四方を車に塞がれた。「このままじゃ約束の時間に遅れちゃう」「車を降りないでください。逆に時間かかりますよ」「何で判ったの?」
2014-04-13 22:03:39アップにまとめた髪の側面に色とりどりの花を差していく。これでもかと飾り立てた直後には少しやり過ぎたかと思ったけど、その人が名前を呼ばれ立ち上がった瞬間、減らしてはいけないと確信した。純白のドレスのボリュームと、これから降り注ぐ祝福の量に、今ようやく釣り合ったのだ。#twnvday
2014-04-14 19:47:24アップにまとめた髪の側面に色とりどりの花を飾り、花びらの雨を浴びながら、花嫁は階段を降りてきたらしい。私自身には人垣しか見えない。肩車に支えられた藍が頭上から実況してくれたが、何度も褒め称えられる美しさを目にすることはなかった。「本当にいいの?」「私に彼女を見る資格はありません」
2014-04-14 19:47:49同じ出だしで2回投げましたが前者はツイノベ企画(@twnvday_bot )便乗です。後者はいつものアレです。
2014-04-14 19:52:01今夜の宿は一部屋しか取れなかったが、野宿よりはマシだ。室内で軽いトレーニングをしていると、風呂から戻った藍が私を見下ろしてきた。「やっぱり年取ると体力落ちるの?」「それもありますが、適切に鍛えないでいると体はすぐ衰えますよ」「…鍛え方教えて」何故か真剣な不安を帯びた目で見られた。
2014-04-15 20:08:16藍は川で汲んだ水を浄水器に流し入れ、濾過される様子を眺めている。「変なものなんか何も入ってないように見えるんだけど」透明な水が透明な水として出てくるのだから違いは分からないだろう。「じゃあ、この中に何が入ってるのか言えるの?」質問の意を汲めなかった私に藍は意地悪な笑みを浮かべた。
2014-04-16 20:48:21「ここが俺達の縄張りと知ってて言ってんのかガキ!」「縄張りって、あなたたち犬か何かなの?」不法占拠の中心人物と正面から睨み合う藍を広場の隅でただ見ているのは、離れろと事前に指示されたからだ。私と共に身を潜める役場の職員の顔色が悪い。彼女をけしかけたことを今更後悔しているのだろう。
2014-04-17 19:16:45どこで道を誤ったのか、地図にない三叉路に行き当たった。藍はすぐに車を降り、周辺を歩き回ってから言った。「どっちへ進んでも遠回りみたい。表なら右ね」そしてコインを投げ上げた。しかしコインは藍の指をすり抜け、地面を跳ねると、私達が来た方へ転がっていった。「…戻りましょうか」「そうね」
2014-04-18 19:29:36出発前に買った新聞をそのまま車内に放置していたら、藍がそれを真剣に読んでいた。謎の力に目覚めた子供が起こした事故の記事が見えた。「みんな最初はどうしていいか分からないのよ」自分と他の子が違うと一度悟ればもう元には戻れない、と藍は言う。「誰も知らない世界に一人放り出されたみたいに」
2014-04-19 23:10:30