【忍殺】クローン・シンソツはザンギョ・サラリの夢を見るか【実録・暗黒メガコーポ】
- shin_semiya
- 7226
- 0
- 3
- 0
「新卒が辞めたら、指詰めろ!」 ワタミの社員研修で本部長が叫んだ恐ろしい言葉 yukan-news.ameba.jp/20140529-53/ 美味しいワタミ、嬉しいワタミ。そんなアナウンスが流れる店内その裏ではマケグミ・サラリマンがケジメ案件として指をギロチンされているマッポーめいた酒場それが和民
2014-05-29 22:49:09「ラッシャッセー」一糸乱れぬアイサツ。一糸乱れぬオジギ。一糸乱れぬビール提供。おおみよ、ワタミコーポレーションがジョーシンインダストリと手を組んで作り出した人工労働力クローン・シンソツである。「お客様はブッダです!」一糸乱れぬルール唱和。これが彼らの全てなのだ。
2014-05-29 23:04:39労働!タノシイ!お客様!ブッダ!ウレシイ!人工羊水で育ち、3年で成人となる彼らの精神はスナオ子供である。彼らは週に100時間働き、ザンギョさえこなす。全て無償!スナオ子供はザンギョ・サラリの存在すら知らない。なんたる所業かワタミコーポ!だがクローンシンソツに人権はないのだ。
2014-05-29 23:16:17イザカヤ・タノシイは今日も中産階級のサラリマンで溢れる。「ナマチュービア、お待たせしました」聖獣ドラゴンが描かれたビアジョッキは彼らの癒やしの印である「カンパイ!」「いやあ、今月はたくさんザンギョしました」「おおそれではザンギョ・サラリが楽しみですね」「ザンギョ・サラリ?」
2014-05-29 23:23:44キヤムラ335は業界では一般的なキヤムラ型クローンシンソツである。彼の今月の労働時間は400時間をゆうに超える。そのうち100時間以上は過酷労働とされるザンギョである。「ザンギョ・サラリ?ザンギョにサラリが発生するのですか?」ブッダたるお客様はクローンシンソツに話しかけられ唖然!
2014-05-29 23:27:18「ザンギョ・サラリ?」控室でキヤムラ335の話を聞くのは同じ目、同じ顔、同じ声。同型先輩クローンシンソツ、キヤムラ306だ。「335=サン。私達はすすんでザンギョします。ザンギョできる事はありがたい事です。見返りを求めてはいけません。疲れていますね。30分の休憩をしましょう」
2014-05-29 23:39:24キヤムラ335はズラリと並んだ仮眠カプセルから緑の「空」が点灯しているものへ入り、ある種の薬剤を打つ。瞬時に意識は消え深い眠りに落ちる。30分後には爽やかに目覚める。生まれて3ヶ月の間、毎日繰り返してきた30分の休憩だ。クローンシンソツは夢を見ない。
2014-05-29 23:44:44「……ええ、キ335です。17番で…いえ、キ335が、17番で、ハイ」黒服の男の指示で仮眠カプセルがトラックへ載せられる。クローンシンソツはスナオ子供だがスナオ子供は学習も早い。フツゴウ真実を知ったクローンシンソツは消される。このためメーカーの保証期間は3ヶ月である。
2014-05-29 23:53:07335は保証期間内であった。このため明日にはメーカーから換えのクローンシンソツが手配されてくるだろう。イザカヤ・タノシイは今日も中産階級でにぎわい、クローンシンソツたちが給仕する。同じ目同じ顔同じ声の彼らの誰が誰に変わろうともナマチュードランカーたちには関わりのないことなのだ。
2014-05-29 23:56:19