ドラゴン長門シリーズ【その2・ビスマルク編Ⅰ】

BLITZ @Silver_Naught

提督「…遅い…長門のやつなにやってんだ？」 霧島「さぁ…今日は見てませんが…なにかあったので？」 提督「今日は新しい仲間が来る日なんだ。仮にも秘書艦だし、相席させようと思ってな…」 霧島「まぁ！念願の空母ですか？」 提督「いや、戦艦…らしい」 霧島「らしい？」 #ドラゴン長門

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提督「どうも問題を抱えてるみたいでな…」 霧島「問題？」 提督「詳しくは俺も聞かされてない。ただ、どうも他の鎮守府に馴染めなかったらしくてな…色んな所をたらい回しされて…」 霧島「…ここに行き着いた、と？」 提督「そういうことらしい」 #ドラゴン長門

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提督「色んな鎮守府に入っては問題を起こしての繰り返しらしい。かと言って戦艦級の艦娘を放り出すわけにもいかず、上層部はそいつに手を焼いてるんだと」 霧島「…ここでも問題を起こす気なのでしょうか…」 提督「どうだかね…ちなみに、その問題の大半は暴力沙汰と聞く…」 #ドラゴン長門

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霧島「そんな艦娘を提督はよく了承しましたね…」 提督「人数不足なのは否めないからな…それにうちの艦娘たちなら暴れられても力で押さえつけられるだろ」 霧島「あ、争う前提ですか…確かに、私たちなら適任だとは思いますが…」 提督「…それに、問題なんてもう見慣れたしな…」 #ドラゴン長門

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提督「で、俺は長門を待ってるんだが…来ないんだ。もう向こうも着く頃だし…」 霧島「…探して来ましょうか？」 提督「ああ、たの」ドガガアアアアアアン！！！ 霧島「！？」 提督「な、なんだ！？床が吹き飛んだぞ！」 長門「ぐっ…！」 提督「！？ 長門！」 #ドラゴン長門

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提督「お前、なんで床から…それに、その傷…！」 ？？「あら、貴方がこの鎮守府の提督？艦娘…いえ、化物の躾がなってないわね」 提督「！ 下の階から…誰だ！」 ？？「誰とはご挨拶ね。もう情報はそっちに回ってる筈だけれど？」 提督「…まさか…お前が…！」 #ドラゴン長門

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長門「退いていろ提督…ヤツは普通じゃない…！」 提督「退けってお前…なんで戦って…！」 長門「色々あるんだ！」バッ 提督「おい！長門！」 ？？「あら、まだ動けたの。頑丈ね」 長門「先程は油断したが…もう遅れは取らん。貴様を潰す…！」 ？？「出来るかしら？」 #ドラゴン長門

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長門「行くぞォ！！」 ？？「そんな力任せの攻撃、当たるもんですか！」 提督「くそ！なんだってこんな事に…今までで一番凄い喧嘩だ…！」 霧島「私が止めに入ります！」 提督「…いや、あいつにやってもらう…やな予感するが…」 すうううう… 提督「大和おおおおおお！！」 #ドラゴン長門

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ゴゴゴゴゴ…！ ？？「！ 強い揺れ…！」 長門「これは…まさか…」 ゴバァ！！ ？？「！？ これは…！？」 長門「ま、待て！攻撃待て！私はまだここに…！」 大和「喧嘩はいけませえええええん！！」 ドゴゴゴゴオオオン！！ #ドラゴン長門

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〜しばらくして〜 明石「あらら…これは派手に壊しましたね…」 提督「直せるか？」 明石「もちろん！ちょっと時間掛かりそうですが、問題はありません！」 提督「悪いな…頼む」 明石「はい！では、仕事に移りますね！」タタタ… 提督「…で？説明してもらおうか？2人とも」 #ドラゴン長門

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長門「こいつが悪い！」(指差 ？？「最初に殴りかかって来たのはそっちじゃない！」(指差 提督「どっちが悪いかなんて聞いてない。なにがあったのか聞いてるんだ」 長門「ぐっ…私はただ執務室に向かう途中でこいつに会って…そうだ！提督、こいつは誰なんだ！」 #ドラゴン長門

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提督「お前誰かも分からずに殴り合ってたのか…まぁいい。こいつは…」 ？？「名前なんて不要よ。こんな化物に名前覚えられても不愉快でしかないわ」 長門「なんだと貴様…！」 提督「…赴任早々からやけに突っかかるな、ビスマルク」 Bis「ふん！」 #ドラゴン長門

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長門「ほぉー、ビスマルクと言うのか。ビスケットみたいな名前だな！」 Bis「そういう貴方は某有名キャラと同じ名前ね。名前負けしてるんじゃないの？」 長門「なんだと貴様…！」 Bis「いいわよ、さっきの続きする？」 提督「二人して煽るんじゃねぇ」 #ドラゴン長門

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提督「で、なんで喧嘩してたのかまだ聞いてなかったが」 長門「こいつが迷ってるみたいだったから親切心で案内しようとしたら…！」 Bis「ふん！貴方みたいな化物の案内なんてお断りよ！」 長門「貴様っ！！まだ言うかっ！！」 提督「…なるほどな、発端はそれか…」 #ドラゴン長門

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提督「あのなビスマルク。こいつらのこの姿に対して思う所はあるだろうが…」 Bis「なによ、化物に化物って言っちゃ悪いの？それとも怪物の方がお好み？」 長門「この…！！」 提督「よせ長門、話が拗れる」 Bis「あら、ちゃんと『待て』が出来るのね？偉いじゃない」 #ドラゴン長門

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長門「表へ出ろ！その金髪を黒焦げにしてやる…！」 Bis「なら私はあなたの鱗をバッグにしてあげるわ！」 大和「喧嘩はいけません！二人とも落ち着いて話をしてください！」 長門「止めるな大和！さっきだってこいつは私を化物呼ばわりするに飽き足らず、提督まで…！」 #ドラゴン長門

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提督「お、俺？」 長門「私のことだけならまだ良い…が、提督を愚弄することだけは絶対に許さん…！」 Bis「ふん！それでカッコつけてるつもり？御託はいいからサッサと来なさいよ！」 長門「オオオオっ…！」 提督「バカ！こんな所で火炎放射は…！」 大和「提督危ない！」 #ドラゴン長門

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ドボオオオオオオオオオ！ 提督「た、助かった…ありがとう、大和…」 霧島「うぅ…明石さんの手伝いに行ってれば良かったかもしれません…」 提督「ここは鎮守府の外…長門も海に向かって吹いてたからそっちに被害は無いと思うが…」 大和「…火炎放射が止んだようです…」 #ドラゴン長門

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提督「よし、大和、開けてくれ」 大和「はい！」 くぱぁ 提督「長門！ビスマルク！無事か！…って熱…！？」 霧島「火炎放射の余熱ですね…」 提督「…くそ、余熱でこの温度…食らったビスマルクは無事か…！？」 大和「あ、居た！あそこ！長門です！」 #ドラゴン長門

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提督「このバカ！こんな所で火炎放射吐くやつが…！」 長門「…！」 提督「…長門？」 #ドラゴン長門

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その時の長門の顔は、まさに戦慄という文字で表現できる。 自分のしたことに？ 違う。その答えは長門の目の前にある。 自身の正面…ビスマルクの居た所に。 長門の異変を感じ取った提督は彼女の視線の先を見た。 そこに居たのは…背中より生えた白い翼に包まったビスマルク。 #ドラゴン長門

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だが、その翼は一体どこから現れたのか。 先程までの彼女に翼は無かったし、戦艦級艦娘でしか無かった筈。 だがこの状況からして、あの翼がビスマルクを守ったのは確かだ。 その証拠に、翼に包まっているビスマルクは無傷であり、そして何より、顔は自信に満ちていた。 #ドラゴン長門

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その姿は神々しくて…まるで神話に出てくる戦乙女のようにも見えた。 だがこの現状では純粋にそうは思うことは出来ず、神々しさと同時に恐怖すら覚えてしまう。 今の彼女がいる場所は、他ならぬ長門の火炎放射のど真ん中に位置する場所なのだから。 #ドラゴン長門

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Bis「驚いたかしら？」 誰も一言も発しない空気の中、自信満々の笑みでビスマルクは包まっていた翼を開く。 両翼合わせて2mはあろうかという翼はキラキラしており、太陽の光を浴びてさらに輝いて見える。 思わずこの現状を忘れて見惚れてしまいそうな程、美しかった。 #ドラゴン長門

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しかしこの姿は長門たちに通じるものがある…が、一概に同じものであるとは言えない。 異質なのだ。長門たちとも、普通の艦娘と比べても。 Bis「どう？理解出来た？私は他の艦娘とは違うし、あなたたちのような化物とは違うのよ」 その言葉はまるで勝利宣言のようにも聞こえた。 #ドラゴン長門