火山たんが雲仙普賢岳の話をするよ！

火山たん/三原あかり/地学系Vtuber @volcano_tan

さて、そろそろ今夜の連続ツイートを始めていこうかな。まずは、このニュースを見てほしいんだよ。

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Reading:雲仙・普賢岳 大火砕流から２３年　NHKニュース nhk.jp/N4Dg6GH2

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今日、6月3日は1991年に雲仙普賢岳で発生した火砕流により43名の方が犠牲になった日なんだよね。今日の連続ツイートは、その噴火の起きた雲仙岳についてだよ。

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雲仙岳は、長崎県の島原半島の真ん中くらいにある火山だよ。古くから温泉が湧出する地として知られてきた場所で、昔は「温泉」でウンゼンって読んでいたみたいなんだよ。 pic.twitter.com/mkFc5CYxUz

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さっきの写真で、右側にある山に切り取られたような崖があったよね？この山は眉山って言うんだけど、これは平成の噴火の前、1792年の噴火の結果、こんな感じになってしまったんだよ。まずは、そっちの噴火について話していくね。

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江戸の時の活動は、前年の1791年の冬から始まるんだよ。島原半島の西側、小浜っていう地域で地震が頻発した事がその活動の始まりなんだよね。この頃から、島原では地殻変動によると思われる異変が相次ぐんだよ。

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異変の最も分かりやすいモノは、地割れと地下水の上昇だったんだよ。地下水というか、当時だから井戸水だね。地震で地割れは分かるけど、井戸水が上昇するのは不思議だよね…実は、これが雲仙岳のマグマが活動を始めた証拠だったんだよ。

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島原の辺りは地熱地帯って言ったけど、マグマが地上に向けて上昇を始めた事で温められた地下水が上昇したんじゃないかな。この地下水の上昇や地割れは、この後も続いていくんだよね。

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あ、さっきから雲仙岳って言っているけど、コレは普賢岳や国見岳などいくつかの峰の集まった火山体としての総称なんだよ。火山ではよくあるパターンだね。

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さて、1792年になって一旦は小浜の方を震源とする地震は収まってきたんだよ。けど、活動は東に移動して、2月くらいから普賢岳で鳴動が始まって、やがて噴煙を上げるようになるんだよね。雲仙岳、1792年の噴火の始まりだよ。

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あ、この1792年の噴火についての話の中では特に言及しない限りは新暦、今の暦で話していくね。当時は旧暦を使っていたんだけど、分かりやすい方が良いからね。

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江戸の頃の噴火で活動した普賢岳だけど、名前の由来は噴火の数十年前に山に普賢菩薩っていう仏様を祀る祠が建立されたからなんだよね。噴火の前兆の地震が起きていた段階では、この祠にお祈りに来る人も居たみたいだよ。

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噴火が始まって少し経った3月の初め頃、普賢岳の山腹から溶岩の流出が始まるんだよ。とは言っても、雲仙岳は粘り気の大きいマグマで活動しているんだよ。この時も、溶岩流にはなったけど進むスピードはとても遅かったらしいんだよね。

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この溶岩流は、ちょうど深い谷底で流出が始まったから、溶岩が流れる様子は谷の上から安全に見れたみたいなんだよ。実際、当時の人が見物に来て周りで食べ物が売られたり宴会が行われた記録が残っているんだよね。この時は、まだ平和だったんだよ…

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けど、やがて溶岩流を見物していた人が火山ガスを吸い込んで倒れる事故が発生してからは入山が禁止されたんだよ。やがて、溶岩流はさらに流れて民家のある辺りに迫るんだよ。当時の事だから、この事態に僧侶たちが祈祷をしたりしていたんだって。

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そのおかげか、溶岩流は民家の手前で止まるんだけど…ちょうどその頃、旧暦の3月1日（今の4月下旬くらい）に島原半島の東部を震源とする激しい地震が起きたんだよ。この日から、再び地震が相次ぐようになるんだよね。

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この頃は、島原半島の東部に島原城っていう城があって島原藩の中心だったんだけど、ちょうどその場所が被害を受け始めるんだよね。城下町には地割れが多く走り、地下水が上昇してきて水が湧き出てきて…明らかに、何か異変が起きていると分かるようになったんだよ。

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そういう事態を受けて城下町の人はかなりの数が島原を脱出していたんだよ。やがて旧暦の3月も下旬になってくると地震も収まり、逃げていた人も帰ってくるんだよね。

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そして旧暦の4月1日、夜8時くらいに島原東部で強い地震が2回ほど起きたんだよ。M6.4と推定されている強い地震の後、多くの雷鳴が一度に鳴り響いたかのような轟音と共に島原の裏手にあった眉山が山体崩壊を起こしたんだよ。

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ちょうど時間が夜だった事もあって、多くの人が逃げる事が出来ずに流れてきた土砂に飲み込まれたんだよ。さらに、崩れた土砂はそのまま目の前の有明海に流れ込み、大きな津波を引き起こしたんだよ。

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この津波は最大で高さが10m以上もあったと推定されていて、島原の対岸である現在の熊本の辺りなどで大きな被害をもたらしたんだよ…犠牲者は合計で約1万5000人と考えれられていて、これは有史以来の日本の火山災害の中では最悪の被害なんだよ…

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この眉山の山体崩壊は、かつては火山爆発によるものと地震によるものという2つの説があったんだけど、今では地震が原因となって起きたものという説が有力みたいだね。元々、何回もの地震と地下水の上昇によって地盤が弱くなっていて、そこに大きな地震が起きたから耐えられなくて崩れたらしいんだよ。

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この災害から言える事は、火山の活動の収束について判断を誤ると、どんな現象が起きるか分からないって事だね。地殻変動が収まらないうちは、火山に近づくのは危ないんだよ。

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それと、火山によって引き起こされる津波の危険性だね。この活動での津波は、山体崩壊から津波の到達まで早かったと思うから、多くの人が逃げ遅れたんだよ。

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さて、1792年の噴火についてはこんな感じだね。この噴火の話をした理由は、日本で史上最悪の火山災害を知ってもらいたいって事と、この次の噴火の時に、「前回と同じ噴火になるだろう」と思われていたからなんだよね。