当世漫画家アシスタント事情(含デジタル原稿作成ノウハウ)
気がつけば、先日のサンデーに関するまとめはすごい閲覧数とブックマーク数に。みんなこういうことに興味あるんですねえ。自分としてはどっちかと言うとコマ割とか背景の話のほうを見てくれるとありがたいのですが(笑)
2010-11-11 16:51:04サンデーの件に付け加えるなら、サンデー増刊は現在「週刊少年サンデー超」と名を変えて、2004~9年までは不定期刊行、去年の3月から月刊に戻ったみたいですね。で、WEB連載のものと合わせて単行本化もボチボチ行なわれるようになったと…。
2010-11-11 16:58:00とはいえ、2000年ぐらいから始まった新人連載の単行本を出さない傾向は結局「不定期刊だから連載をそもそもさせない」と言う形で続いて、8~9年間のブランクを生み出しています。これが今ボディーブローのように本誌連載陣の層の薄さに繋がっているわけですね。
2010-11-11 17:01:20新人層の厚みは、連載陣の新陳代謝にもそうですが、現在連載している作家さんたちにも影響を及ぼします。アシスタントの確保と言う重大な問題です。
2010-11-11 17:04:50先日も「ハヤテのごとく!」を描いている畑先生がツイッター上でアシスタント募集をしていましたが、それぐらいアシスタントのなり手が減っているのが現状です。これはサンデーに限った事ではありません。
2010-11-11 17:09:34JACと言う有名なアシ募集掲示板を見ると「こんな有名作家が?」と思うぐらい大手の作家さんが編集部を通して募集をかけています。昔なら編集部が新人さんを送り込んで人手の確保と人材の育成を兼ねていたのですが、今はそのサイクルが成り立たなくなりつつあります。
2010-11-11 17:10:59新人層が薄いところはそれが顕著ですね。そうなるとアシスタントを探す手間やフリーのアシさんを雇うコスト、その他色々と作家の負担が増大します。当然それはモチベーションや作品のクオリティにも影響するわけです。
2010-11-11 17:13:06特に週刊連載の作家さんは絵柄にもよりますが一人や二人のアシさんではとても連載を続けてはいけません。新人作家さんに新人だけで固めたスタッフにでもなったら地獄が待っています。やはりプロクラスの作家予備軍に相当する人材が必要になります。
2010-11-11 17:15:57そういった人材を確保するためにも、まさに増刊(月刊)のような新人育成の場が必要なのです。優秀なアシがいるかいないかで作品のクオリティは大きく左右されるのですから。
2010-11-11 17:19:55そして作家さんの元でノウハウを学んだ人たちの中から、新たな作家が生まれる。そういったサイクルを今まで漫画界はとっていましたが、それが上手く回らなくなりつつあります。自分も他人事ではありません。
2010-11-11 17:23:14@macchiMC72 出版社に銀行屋からの出向役員とかが増えたせいですかね?現場を知らない人が上にいて、それが当たり前な新入社員が増えたみたいな単純な図式ではないのでしょうけれども。<人材薄
2010-11-11 17:24:18@walkbystar そういうこともあるかもしれませんが、上の事情は正確には存じてません(^^; ただもう単行本で本誌の赤字を回収するというスタイルが維持できなくなりつつあるのは確かです。
2010-11-11 18:30:13@macchiMC72 アシスタントさんには「即戦力」を求めてしまうので、難しいですね。思い切って学生さんの頃からじっくり育てられると良いのですが、若いので「まだやり直せる」と、業界から去ってしまうという事もあるし・・・。うーっむ。
2010-11-11 18:00:10@zonko そうですね、本音としてはそうなのですが、即戦力ばかりが揃うほど人材がうなっているわけではありませんから、育てる事を放棄したら結局自分らに返ってきますし…難しいです。
2010-11-11 18:31:39@macchiMC72 すみません、素朴な疑問なんですが、コミックスタジオ等を入れててもやっぱりついていけない、ってことなんですか? てゆか、PCソフトを入れるとどうやってアシさんに作業をふりわけるんだろう……。(←実はコミスタ自体持ってない人(^^;;))
2010-11-11 18:20:46@KdWackey コミスタやフォトショ等の導入は週刊作家さんの間では進んでいません。週刊連載を行ないながら出来るようなことではないですから。もちろん、導入できれば仕上げ行程等は劇的に効率化できますが、結局絵を描くのは人間、と言うところは変えられないのです。
2010-11-11 18:34:38@macchiMC72 週刊連載を行ないながら出来るようなことではないですから。> 「忙しすぎて新技術のチェックができないソフトウェア開発者」と同じなんですね。(^^;) だもので、こっちも「どーしてこんな旧態依然な環境で!?」という仕事場もあったりなかったり……です。
2010-11-11 19:11:51@KdWackey アナログである一定の水準で仕事が出来る人は、デジタルへの切り替えは難しくありません。あとはパソコン&ソフトに慣れているかどうかの問題なので。ただそれを週刊のペースの中で全員一斉に切り替えろというのは無理な話なのです(^^;
2010-11-11 19:39:47ウチの仕事場には色々なアシスタントの方が来ていますが、まだアナログで頑張っている人もいます。そういう方も、ウチの作業の流れでは線画パートをお任せする事で役割分担しています。
2010-11-11 19:42:57全てタブレット上で済ませる方も増えてきていますが、今のところ描ける人間がいるなら「紙に描いたほうが速い」というのが自分の感想です。キャラに限ればタブレット上で済ますのも不可能ではないですが。「何度も修正できる」という事は逆に言えば「直しているとキリがない」に繋がる危険があります。
2010-11-11 19:47:36ただトーン貼りをはじめとする仕上げ行程は劇的に速くなります。これは文句なしです。単純なベタ貼りならアナログの2~3倍の効率で可能です。ウチに来ている人なら一日で10~15枚程度仕上げてしまいます。勿論ページごとの手間にも左右されますけど。
2010-11-11 19:50:37気をつけなければいけないのが、細部にこだわりだすとキリがなくなること。気がつけば印刷では違いの分からない領域まで拡大してちまちま直したりしてます(笑)デジタルなりの「ここまでやれば大丈夫」というラインを見極めるのが最初は難しかったですね。
2010-11-11 19:53:43こないだウチに来てるアシさんが行った仕事場では、500%まで拡大してゴミ取りをしたそうです(^^; さすがにそこまでやると効率悪くてデジタルにする意味がなくなっちゃいますね。
2010-11-11 19:57:18あと特殊な例かもしれませんが、デジタルになって劇的に効率化された事に「マーキング・文字の処理が楽になった」というのがあげられます。これは個人的に非常に嬉しかったポイント。F1漫画とか描いてたとき地獄だったもの…。
2010-11-11 19:59:50マーキングや塗装パターンの類は凝れば凝るほど見栄えするポイントなのですが、一回限りならまだしも何回も出てくるがジェットにそんな労力はかけていられない、というのが従来の常識でした。アニメとかでもつい最近まで凝ったマーキングや迷彩のものって出てこなかったでしょ?
2010-11-11 20:02:28