スマトラの記憶(短歌形式編) 1.JICAマラリア対策
1.初めての熱帯
昼下がりスマトラ行けと電話一本 それって何処や我が友人よ 北スマトラ地域保健プロジェクト ジャイカの二国間医療協力 担当はマラリア媒介蚊対策で 家族連れで頑張れという
2014-06-21 14:41:30[スマトラ] スマトラは行きそびれたるアマゾンと 場所は違えど同じ熱帯 pic.twitter.com/cbxlXWOJFk
2014-07-13 20:09:34イエバエのIPMを確立し 次はマラリアだと若気のいたり 即決で家族と職場の同意もらい 東京の事前研修もあっという間 市長面談や記者クラブ会見こなしつつ 研究業務の報告書提出
2014-06-22 08:01:21連れ合いの職場事情はままならず 独り先行さびしき旅立ち ただ独り東へ向かう車窓から 一面の雪の関ヶ原見ゆ 新宿のJICA本部で諸手続 高層ビルの揺れ初体験
2014-06-22 14:23:46シンガポール航空の英語の案内聴き取れず 騒音のせいにする初の海外 隣席の商社の人に助けられ 機内食のチョイスようよう その夜はシンガポールに一泊す 深夜の怪しき電話はスルー
2014-06-23 19:14:58朝まだき一時預けの荷をうけて メダンに向けて機は飛びたちぬ 昼食と出国届けを書き急ぐ ほんの短き水平飛行 高度下げ急旋回の機窓から 教科書の如く蛇行する河
2014-06-23 22:32:54ココ椰子と赤瓦屋根くっきりと ポロニア空港天気晴朗 タラップを一段降りたその瞬間 熱帯のにおいに身は飲み込まれ 濃厚な椰子油のにおいと生き物臭 人のざわめき此処は熱帯
2014-06-24 19:58:05[スマトラ] タラップを下りればそこは憧れの 熱帯のにおい漂うところ pic.twitter.com/Nnj5d06oC5
2014-07-13 19:37:55出迎えの副領事らの尽力で 多量の携行機材無事に通関 公用のランドクルーザの窓開けて 排ガス混じりの街の気吸い込む レセプションに肌黒く丸顔の人のいて ホテル・ダルマ・デリーにチェックイン
2014-06-24 21:56:44その夜は日本人会の忘年会 背広ネクタイで挨拶まわり 苗字よりそれと分かりし京都人 山国比賀江の人に会いたり 酔い冷まし中庭に出れば熱帯の 夜の草木の妖しき香り
2014-06-25 19:12:55ランクルと運転手をまわすと電話あり 翌休日のまどろみの朝 買い初めはスマトラとメダンの地図なりき 言葉通じぬ運転手氏と バンドマンの日本語の歌聴きながら ホテルの食堂独りの夕食
2014-06-25 19:32:08挨拶は北スマトラ州知事に衛生局長 国の出先の衛生部長 自己紹介なぜか微笑む人多し マイファーストネーム故であるらし チョウベエをチャベと空聞きしたらしい 皆さんお好きな唐辛子のこと
2014-06-26 20:05:31昼下がり掃除機の音響きけり ホテルに独り熱帯クリスマス 招かれてお節いただき紅白を ビデオで見てる熱帯の正月 メンバーとインドネシアの要人と ブガワンソロを唄うパーティ
2014-06-26 19:52:232.マラリアの村へ
[スマトラ] スンガイは河 ウラルは蛇のインドン語 ウラルの如く蛇行する河 大潮と豪雨重なる氾濫す スンガイ・ウラルの河口あたり
2014-07-19 09:00:16海沿いの 橋わたれずに ウラル川 カンポンの道 上流(かみ)へ揺れ行く にごりがわ 渡りて急ぐ 村ありぬ マラリアのむら ムラユ住むむら
2014-02-20 21:49:22薄暗き めし屋の中で 食をとる ラマダーンの街道に 陽炎ゆれる 常のごと 少女が運び来る 混ぜ飯を 木窓わずかに開けて喰らう 薄闇に かすかに浮かぶ混ぜ飯よ ラマダーンの昼餉の秘めやかな味
2014-02-21 20:49:33メダンより南東に延びる高速道 グーグルアース 映す時の流れ ランクルで 単調な景色 追い越しぬ 民家 水田 プランテーション・・・ バナナの葉に包んだ弁当買い求め 目指す集落 揺れ道の果て
2014-02-22 11:27:35穴ぼこに タイヤ取られて ゆるゆると むらむら過ぎて 海辺のむらへ 少年の棒の指図に道を渡る 飼いガモの群れ ランクル止める とりどりの原色の布と笑い声と ピントぼかした井戸端の会議
2014-02-22 12:58:56