安全と安心とセキュリティの違い

■概要:安全と安心とセキュリティの違いについて、持論をメモした。 ■背景:安全とセキュリティの違いについては、IAEA(国際原子力機関)による次の言葉[1]が有名だ。「セキュリティ対策が安全を損なわないように、また安全対策がセキュリティを損なわないように」。  だがこの言葉は、おそらく多くの日本人にとって意味不明ではないかと思う(もちろん私にもよく分からない)。なぜなら、安全とセキュリティの違いを日本人が日本語で理解しているとは、あまり思えないからだ(以下で紹介する私の理解も「持論」に過ぎない)。つまりセキュリティは簡単な日本語にならなかったので、セキュリティのままなのだが、それではセキュリティとは何なのか。 続きを読む
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MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

安全とセキュリティの違い。安全は状態、セキュリティは動作を指す。全く異なる概念だが、日本ではそれを誰かが考えてくれる、自分は無関係だと思っている人が多く、安全とセキュリティの違いが理解されていない。これは種々のセキュリティ確保上、深刻な問題をもたらすと思うが、変えるのは難しい。

2014-07-10 19:49:23
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

安全とセキュリティの違いがよくわかる例。「紛争地域のホテルに泊まった。ロビーには警察官や銃を持った軍人がいてセキュリティは万全だった。だが全然、安全じゃなかった(苦笑)。」 この例で学生さんも理解してくれた。これを教えてくれたJさんに感謝。まず安全と安心とセキュリティの違いから。

2014-07-10 19:55:14
中島 大 @dai_dereg

@y_mizuno 立ち場が違うだけでいきなり撃ち殺される可能性の胚胎がセキュリティー、という意味ですか?

2014-07-10 19:59:36
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

それを防ごうとする対応策をとることが、セキュリティ確保、ということだと思います。secure=cureを否定接頭語seで否定していて、cureしなくてよいようにする動作。@dai_dereg 立ち場が違うだけでいきなり撃ち殺される可能性の胚胎がセキュリティー、という意味ですか?

2014-07-10 20:02:42
中島 大 @dai_dereg

@y_mizuno ああ、前のツイートを読んでいませんでした。セキュリティーは能動的な安全確保(平和創造とか、積極的平和主義とか)。本来セキュリティーが必要ないのが理想だけれど、ホモサピも殺し合いますからねぇ

2014-07-10 20:03:06
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

御意です。日本人は水と安全はタダだと思っていると言った人もいました。@dai_dereg ああ、前のツイートを読んでいませんでした。セキュリティーは能動的な安全確保(平和創造とか、積極的平和主義とか)。本来セキュリティーが必要ないのが理想だけれど、ホモサピも殺し合いますからねぇ

2014-07-10 20:04:48
中島 大 @dai_dereg

@y_mizuno 警官が自動小銃を持っている国にお行きになったことがありますか?

2014-07-10 20:04:20
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

旧ソ連で、モスクワ空港でオーバーブッキングで一泊することになって、ホテルに案内されたんですが、その時に。1980年代のポーランドでも、なんとなく息が詰まりそうでした。あとその頃のハンガリーとか。@dai_dereg 警官が自動小銃を持っている国にお行きになったことがありますか?

2014-07-10 20:07:37
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

安全と安心の違い。よく安心に対応する英語がないという人がいるがこれは間違い。安全はsafe, safetyで、無傷の状態を指す。物理的なリスク予想が、ある数字より低く、受け入れ可能な状態。これが安全。安心は心の状態だから、安全でも安心できないことが起こる。安心の英語を考えると…

2014-07-10 20:19:41
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

安心の英語はrelief, relievedに対応。relievedの受け身形から分かるように、救われること、つまり救う主体を想定する言葉。何によって救われるか。これはいろいろで安心の実態や実体もいろいろなのだと思う。ひょっとして民族や宗教によって異なるのではないかとも思える。

2014-07-10 20:25:17
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

というようなこと、つまり安全と安心とセキュリティの違いの語源的理解は、実はかなり大事だと思うので、最近の書きものには入れている。例えば、 法律文化社の『原発の安全と行政・司法・学界の責任』に書いた一文とか、クリエイツかもがわの『士業・専門家の災害復興支援』に書いたものとか。

2014-07-10 20:33:19
ブルン @brunbunby

@y_mizuno 安心はpeace of mind なので受け身形とは限らないかもしれません。

2014-07-10 20:32:17
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

なるほど。安心にも2種類あるのかも。でもまぁ、その「平和」をどう考えるか、というと、そこに文化の違いが出るかもしれません。日本人は平安=平和、欧米では戦争のない時期=平和構築? @brunbunby 安心はpeace of mind なので受け身形とは限らないかもしれません。

2014-07-10 20:36:52
TamaTamaTama @TamaTamaTama12

@y_mizuno @brunbunby 英語に受身形の形容詞が多いいのは脳裏に神様がいるからってどこかで呼んだ覚えがあります

2014-07-10 20:45:49
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

それは?かもですが、たとえばプロフェッショナル、職業のprofessionは(神の)pro(前)で信仰を述べるfessことから来てるとか。@TamaTamaTama12 英語に受身形の形容詞が多いいのは脳裏に神様がいるからってどこかで呼んだ覚えがあります @brunbunby

2014-07-10 20:50:20
中島 大 @dai_dereg

@y_mizuno あのこわさを、どう考えるか、ですね

2014-07-10 20:48:02
中島 大 @dai_dereg

@y_mizuno 反対側の人は撃ち殺されるわけで

2014-07-10 21:49:00
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

National Securityと言っても意味不明、Energy Securityといっても意味不明なほどに平和な世界、平和な国になってほしい。

2014-07-10 20:54:39

補足

MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

言葉の語源的意味。語源的には、fame(名声)、という言葉と、phone(電話)、とが同じ言葉とは面白い。そしてこれらの言葉と、職業professionのfessとは近い言葉で、述べるという意味を持つ。告白するという意味のconfessのfessも同じ言葉であることは自明だけど。

2014-07-10 21:26:52
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

旧ソ連の友人たちのために補足したい。旧ソ連の科学者ほど世界に広い影響を与えた人々はいなかった。物理学辞典で最頻出の物理学者は旧ソ連のL.D.ランダウ。どんな国家も無謬ではありえない。それはどんなことでも同様だ。1990年代、国家崩壊の危機の中をよく頑張られた。彼らは今でも友人だ。

2014-07-10 21:40:00
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

ポーランドの友人たちのために補足したい。それは、ポーランドを私はとても好きだということだ。、ワルシャワは空爆で破壊されたが旧市街を戦後、市民が1個1個煉瓦を集めて再建させた努力。ワルシャワ市内の一角に残る少年兵の像の前で、子どもの手を引いて語り掛けていた母親の姿を私は忘れない。

2014-07-10 21:45:10
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

ハンガリーの友人のために補足したい。1980年代後半、ハンガリーの保養地バラトン湖畔で研究集会があった時、私は家族連れで大きな一軒家に宿泊。極上のワインセラーも訪問し彼らの優しさに触れた。当時のハンガリーで共同研究者を多数招聘し会議を組織し、自国の現状を見せてくれた友人らに感謝。

2014-07-10 22:00:55

補足2

MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

安全とセキュリティの違い。こういえば分かりやすいかも。安全はリスクの値(がある値より低く、受け入れ可能であること)、セキュリティはその微分係数(変化率)。だから、安全は状態(safeは形容詞)、セキュリティは動作(secureは動詞)、という言い方もできる。ということで納得。

2014-07-11 12:04:32