特撮は「ミニチュア」に非ず、特撮は「一発撮り」 ~トクサツ原理主義者のつぶやき

「特撮=ミニチュア」とする単純化固定概念が、否定論も肯定論もその軸足を狂わせる原因になっている! 画面の法則を分かつ根本は「一発撮り」/「多重合成」。 …などと思うトクサツ原理主義者のつぶやきです。 #特撮映像の「一発撮り」と言う言い方は世間的には多分ありません。”多重録音しない”の意の音楽用語を当てはめて使っています。
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神谷純 @junkamiya

NHK「探検バクモン」円谷プロ特集観た。作り物が多いほどやはり楽しい。飾りこまれたミニチュア群越しのギンガという映像は心躍る。ただ番組として(ここ数年のパターンだが)ミニチュアを実際にとっているから「温かい」などの方向に持っていく構成は、どうも釈然としない。

2014-07-24 00:58:38
神谷純 @junkamiya

別に現場はそこまで保守ではないと思う。番組の構成が問題なのだ。ハリウッドの大作はCG主体と言っても実はミニチュア撮影は目白押しで、適材適所的な使い方をしている。『特撮』を視聴者に紹介するなら、排他的な『温かい』という抽象論より、共存する未来を語った方が建設的なのに。

2014-07-24 01:05:09
田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

(RT)個人的なトクサツ原理主義者の意見としては、ミニチュア特撮が”暖かく”見える最大の理由は「ミニチュア」だからよりも「一発撮りだから」。これに尽きると信じる。自分が住む世界と同じ「光」「素材」「空気」で出来た”縮景”だと信じられるからこそ、自分が持つのと同じ「体温」を感じる。

2014-07-24 15:22:49
田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

補)↑例えばこのホーク1号の発進で模型に火薬を仕掛けるのではショボいから、ここだけ本物の噴射煙を合成…と言うのはトクサツ原理主義的にはNG。その場で火を炊けば周りに反射したり煙が絡んだりする。そう言う自然法則がすべて繋がっているのが「縮景」。下手な合成は直ちに世界の法則を壊す。

2014-07-25 17:42:10
田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)その意味では照明が人工的過ぎると「世界の自然さ」が失われるので良くない。自然光で撮ればいとも簡単に「自然」になる。これを避け過ぎたのが日本ミニチュア特撮の弱点で、”縮景”より”錦絵”みたいなものになる。逆に夜は、現実でも人工光が無いと殆ど何も見えないので、不自然にならない。

2014-07-24 15:29:34
田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

補)80年代の現GAINXに依る自主制作特撮「八岐大蛇の逆襲」は撮影日程その他に拘束されないアマチュアの強みを生かし、自然光と大量の紙製ミニチュアで撮影された日本”トクサツ”の一つの到達点。この技法を商業的に洗練させたのが平成ガメラシリーズだが、”物量”ならこれが一番だ。

2014-07-25 18:01:50
田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

まとめ用補足)”SFX”が多重合成の自由度を大幅に上げる前の特撮は、基本的に「一発撮り」しか出来ないのでそれが「自然の縮景」であるのはほぼ当然だった。オプチカルやプロジェクションの合成は特殊な”ハレ”。マットペイントやホリゾントの様なトリックは使えたが静的な部分に限られた。(続

2014-07-27 18:42:22
田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)この「当たり前」と思っていた部分がデジタル合成時代に入るに至り、全く当たり前でなくなった。ミニチュア一発撮り特撮は「やり直しが効かない=コストパが読めない」事がビジネスとしても嫌われた。こうして”一発撮り”が絶滅していく中で、逆にそれが持っていたものの「意味」が見えて来た。

2014-07-27 18:47:53
田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

近年のデジタルVFXは、映る世界の”素材”が何なのか、観客の世界と同じなのかの信頼性が生まれにくい。だから「異世界で”動く絵”」に見える。元々異なる場所にあり現実世界での大きさも不統一な素材を多重合成しているからだ。ミニチュアをはめ込んでも、その素材の法則は画面全体を支配しない。

2014-07-24 15:39:29
田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)モニタ上に作られたCGに「現実での大きさ」はないが、説得力を持たせるためにテクスチャ(質感の紋様)が貼られる。これは観客に「現実にある何か」を連想させるために、「現実にある何か」をモチ-フにするか、時によりそのまま利用する。それによって擬似的な「大きさ感」が生まれる。(続

2014-07-24 15:45:23
田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)しかしテクスチャが貼った素材の設定上の大きさと体感的に一致していなかったり、同一画面のほかのパーツと”縮尺感”が一致していなかったりすると、画面に映るものは法則のない世界として信頼を失う。これが初期の出来の悪いCG映画に現れやすかった弱点だった。(続

2014-07-24 15:53:29
田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)現在の高度化したVFXは適材適所にミニチュアやCGを使い分け、デジタル合成を重ね、全体が現実と同じ「一つの法則」に従った世界に見える様に、アフターエフェクトを重ねて「なじませる」。ただこれはパーツ毎の素材感を「目立たない様にする」方向になりがちで、画面が「のっぺり」しやすい。

2014-07-24 16:01:42
田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)画面全体が「のっぺり」して見えるのは、画面内のパーツの個々の「素材感」への認識から生まれるはずの「相互の距離感」がはっきり感じられなくなるためだ。これを補助するために「平行/スポット光源」「空気遠近法」と言った”立体視を強制する”エフェクトを更にかける。(続

2014-07-24 16:09:19
田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)こう言うアフターエフェクトの組み合わせが神業の様に上手くハマれは奇跡的な画面が出来る事もあるが、全体としてはこれだけやってもまだデジタルVFXには自然な「立体世界性」が生まれにくい。だからこそ映写自体を「3D」にしたがるのではないか、と言う気もする。(続

2014-07-24 16:16:01
田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)よほどの才能とバジェットを投入した”奇跡”をのぞけば、VFXは必ず「不自然」だ。「不自然」とは「画面に映る光、素材、動き」等に”統一性”を感じられない事。人間は身の回りの世界をいつも見て「なじんで」いるので、そこにあるのと同じ「統一性」を感じないと「自然だ」とは思わない。(続

2014-07-24 16:24:59
田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)制作側もVFXの本来的弱点は良くわかっているからこそ、他にも様々な「見る者の”仕掛けへの覚醒”」を防ぐ技巧を用いる。例えば画面の彩度を下げ、色調をモノトーンに近くする。絵でも「一つの色調」だけで描くのは無難に仕上げる方法だ。自然界にない「過剰な意味=不自然さ」が生じにくい。

2014-07-24 16:30:47
田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)あるいは画面をわざわざ手持ちカメラの様に揺らす。”観客も映像を撮る”時代ならではのメタ的表現だが、VFXでは当然「画面がどういう物理法則で出来ているか」自体の視認を難しくする「ゴマカシ効果」がある。画面の動きを早くしカット割りも早くする。すべては「目くらまし」になる。

2014-07-24 16:38:10
田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)しかし当然現実世界は「自然な色」で出来ているし、視界がカメラの様にブレたりカットがポンポン切り替わるわけでもない。別の面から「不自然さ」を強調する結果になってしまう。(続

2014-07-24 16:54:51
田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)VFXはその説得力のため画面の要素を増やし、その過程で出て来る不自然さを片端から「つぶそう」とした結果として生まれるので、「つまりこの画面で何を伝えたいのか」が伝わらない。法則は混在、ゴテゴテして反シンプル。シンプルに加工しようとしてかえって「余計なもの」を増やしている。

2014-07-24 17:03:10
田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)VFX映画は”ジェットコースター”と同じ生理作用発生装置で、画面の見世物としての「過剰さ」はバロックの様に鑑賞するものなのだ、と言われれば多分そうなのだろう。自分にはそう言う”趣味”を解する頭があまりない。(続

2014-07-24 17:15:24
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