Hiro Hirai先生集中講義 3日目
今日は、集中講義の3日目です。いまもっとも熱い最前線である占星術の歴史研究から、魔術と科学の関係についてのイエィツ仮説の再考まで。#BH集中講義
2014-07-24 07:09:13集中講義「科学革命の史的コンテクスト インテレクチュアル・ヒストリーの方法と実践」三日目はじまります! まずは昨日残っていたホムンクルス柴田さんの報告から! #BH集中講義
2014-07-24 10:32:46#BH集中講義 そろそろはじまります。Newman "Homunculus and his forebears" の発表と議論からです。実況はまず @fujimoto_d さんがしてくれると思います。
2014-07-24 10:43:18昨日までのところで質問。「インテレクチュアル・ヒストリーとは、昨日の話にあったように、書斎で実際思想家たちが著作をどういうふうに書いていたのかというようなことを理解したいということでいいのか」 #BH集中講義
2014-07-24 10:59:07「本はもちろん大きいけど、扱う対象はそれだけじゃない。たとえば政治的、経済的な事件のような事柄の知的バックグラウンドを探ろうというのは一つの特徴ではないか」 #BH集中講義
2014-07-24 10:59:23「論考をいくつか読んでみて、結構普段読んでいるのと似ているような手法のものもある。インテレクチュアル・ヒストリーの手法の明確な定義とか線引きとかはないのか」 #BH集中講義
2014-07-24 10:59:32「教材の選び方もあるけど、インテレクチュアル・ヒストリーの手法を示そう!として書かれたわけではないものもある。だから説明したような手法が明確に見れないものもあるし、それを感じ取ってもらえればいいのではないかと思う」 #BH集中講義
2014-07-24 10:59:40報告者からのコメント オリジナリティをいろんなものの組み合わせから生み出していくというインテレクチュアルヒストリーの発想を、ニューマンもとっているように思える。 #BH集中講義
2014-07-24 11:15:00報告者からのコメント(続) ニューマンのホムンクルスの事例だと、中世の錬金術用語の話と、アラビアにおける人間をつくるという話を並置したことで、新たな解釈を提示しているのではないか。 #BH集中講義
2014-07-24 11:17:53ヒライ「今回の論文で書かれているパラケルススの記述はやや言い過ぎで、誰かに指摘されたのか、2005年に書かれた本ではその記述は慎重な書きぶりに変更されている。」 #BH集中講義
2014-07-24 11:21:39ヒライ「今回の論文のトピックを、よりインテレクチュアルヒストリー的に捉えるとすれば、今回、偽パラケルススとされた人物の記述が、どのような人物と記述が似ているかを明らかにし、さらには、その書きぶりから作者を特定していくという作業が課題としてあげられるだろう」 #BH集中講義
2014-07-24 11:23:39質問「実際にどの程度まではホムンクルスがつくられていたか」 ヒライ「もちろんそれらはつくられることはなかった。たとえば錬金術では、それがつくれない理由を技術の足りなさのせいにしたりしてエクスキューズし、錬金術をやり続けていた。」 #BH集中講義
2014-07-24 11:26:40柴田による補足「プリンチーペという化学史家が、過去の製造法を現代に試してみた結果、金の製造の例で言えば、金はでいないけれども、それに近いものは実際につくることに成功したと報告している。」 #BH集中講義
2014-07-24 11:29:00なお、そのプリンチーペが著した『錬金術の秘密』の紹介記事も冥王星日記にありますよ! d.hatena.ne.jp/neo_master/201… #BH集中講義
2014-07-24 11:30:20質問「パラケルススたちは全部見知ったことを書いているのか?人文主義の伝統だと一番大事なことは書かれていなかったりするが。」 ヒライ「キミアの伝統では、俗人にはわからない言語で表現するという伝統があり、たとえば鉄を鉄と呼ばず別のジャーゴンで呼ぶ習慣があった。」 #BH集中講義
2014-07-24 11:34:33ヒライ「(続)そういった呼称に関するキミアの伝統のために、のちの科学史家たちから、彼らは科学をやっていなかったと捉えられてしまうこともあった。」 #BH集中講義
2014-07-24 11:36:04@fujimoto_d プリンチーペによる錬金術の実践については、オシテオサレテに詳しい紹介記事がありました! Principe, The Secrets of Alchemy, ch. 6 d.hatena.ne.jp/nikubeta/20131… #BH集中講義
2014-07-24 11:38:55四元素にもとづく自然哲学では、それぞれが順番に層をなしていると考えられた。そこで起こることを扱うのが気象論。その外で起こるのが宇宙論。 #BH集中講義
2014-07-24 11:39:08昨日の話で、錬金術がまじめな研究対象としてここ2、30年で復権した。それと非常に似たようなことが占星術についても言える。占星術が科学なのか、正しいのかということを議論するのではない。歴史的伝統として実際に存在していた。 #BH集中講義
2014-07-24 11:39:20歴史家として先入観をもたずにそれを見なければならない。錬金術研究よりは遅れているがこれから伸びてくると思う。まずこれまでの研究の紹介。まじめな研究として画期的だったのが1899年のBouché-Leclercqのテトラビブロス研究。 #BH集中講義
2014-07-24 11:42:09それに呼応してドイツでも研究がなされるようになる。その後の Thorndike の研究。美術史家 Warburg と Seznec 。これらは邦訳もある。占星術からインスパイアを受けた芸術家たちの活動があり、それを美術史家は比較的オープン・マインドに研究した。 #BH集中講義
2014-07-24 11:44:271 宇宙論、気象論、占星術:第二次大戦前の研究 フランス:A. Bouché-Leclercq, L'astrologie grecque (1899) ドイツ:F, Boll, Sphaera (1903) #BH集中講義
2014-07-24 11:44:27