ピケティの議論に対するKrusell-Smithの批判について

ピケティの議論で一番重要なのは、成長率がどんなに低くても金利はそこそこ高く保たれるので、資本蓄積が続くということなのですが、それはおかしい、という批判です。
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伝左衛門 @yumiharizuki12

ピケティに対する有効な批判は、資本収益率が長期的に低下すると主張する以外にないと思う。資本収益率が低下しなければ資本家の投資インセンティブは低下しないから、資本家に重課税すべしというピケティの主張は正しいことになる。

2014-07-26 04:19:28
伝左衛門 @yumiharizuki12

Krussel-Smithは、資本の限界生産性が常に資本減耗率を上回るという、稲田条件を満たさない奇妙な生産関数を仮定すれば、成長率がゼロに低下しても資本収益率が非負であるというピケティの結論になるとしている。 aida.wss.yale.edu/smith/piketty1…

2014-07-26 12:19:08
Takashi Hayashi @tkshhysh

これか.ヘテロマクロならどうなの?という小並感を出してみる.>Krusell & Smith (2014), “Is Piketty’s ‘Second Law of Capitalism’ Fundamental?” aida.wss.yale.edu/smith/piketty1…

2014-07-26 12:39:12
Takashi Hayashi @tkshhysh

21世紀の今になってこういう文脈でクープマンス・キャス・宇沢の名前を拝見するとは,少々感動的ではある.

2014-07-26 12:42:27
伝左衛門 @yumiharizuki12

やはり経済成長率がゼロの前近代において金利がそこそこ高かった理由を考えるのが重要と思える。現代の先進国でも成長率がゼロに近づくとともに安全資産の収益率はゼロに近づく一方、民間の貸出金利はそこそこプラスである。貸出管理コストが正だからと説明されるが、これと同じ?

2014-07-26 12:44:32
伝左衛門 @yumiharizuki12

貸出管理コストは金融仲介業者の報酬だから資本のリターンとは言えない。つまり成長率がゼロの前近代でも、金融仲介コストを除いた安全利子率は今日同様ゼロに近かったと考えるべきなのか?

2014-07-26 12:51:00
Takashi Hayashi @tkshhysh

誰かはよ,heterogeneous-agent stochastic OLG modelでピケティの主張をreplicateしる!

2014-07-26 12:56:02
伝左衛門 @yumiharizuki12

国債金利がゼロに近い御時世で、住宅ローン金利は2%代。銀行カードローン金利は借入額が大きいほど低い。これらは結局、金融仲介コストが定額だからでしょう。前近代の金融業というのはチマチマした小規模業者ばかりだったので、経済全体として金融仲介コストが大きく、結果、金利が高かったのかな?

2014-07-26 13:01:19
eternalwind @juns76

@yumiharizuki12 徳政令とかあって、貸し倒れリスクが高いからではないでしょうか

2014-07-26 13:05:07
伝左衛門 @yumiharizuki12

ピケティの議論って、結局、成長率がどんなに低くても金利はそこそこ高いという仮定に依存しているので、そこを有効に批判できれば、打ち崩すのは容易かもしれない。

2014-07-26 13:06:41
伝左衛門 @yumiharizuki12

@juns76 おっしゃる通り、貸倒リスクも重要な金融仲介コストです。「ヴェニスの商人」なんてのは、一種の貸倒の話ですよね。

2014-07-26 13:08:33
伝左衛門 @yumiharizuki12

@pririn_ 基本的にそゆことと思います。

2014-07-26 13:12:13
🌸🍀眞葛原雪🍀🌸 @pririn_

@yumiharizuki12 消費者金融の金利があるので、金利はなかなか下がらないのではないでしょうか。高利の貸し出しは今までなくなったことがありません。貧困層が増えるほど、彼らは談合的にある一定の高金利をキープし続けると思います。

2014-07-26 13:14:04
Takashi Hayashi @tkshhysh

@shinichiroinaba 「ピケティの第2法則はあるんです!」などという話になりかねませんw

2014-07-26 13:16:18
伝左衛門 @yumiharizuki12

今だって、JALとか東電とか、メガバンクが貸し込んでいる大企業が経営危機に陥ると、政府主導で債権者は債権放棄させられる。あれは徳政令だよな。

2014-07-26 13:17:07
稲葉振一郎 @shinichiroinaba

@yumiharizuki12 なんか結局話が古典的なところに落ち着いていくなと

2014-07-26 13:18:27
伝左衛門 @yumiharizuki12

@pririn_ 貸倒リスクがあるから金利が高いという因果関係だけでなく、高金利だから貸倒になるという逆の因果関係もあります。後者を重視すると、上限金利規制が正当化できます。

2014-07-26 13:23:01
uncorrelated @uncorrelated

住宅や自動車など担保がない“消費者金融”は全体のシェアとしてはかなり小さいものになります。マクロ的には誤差かと。RT @pririn_: 消費者金融の金利があるので、金利はなかなか下がらないのではないでしょうか。高利の貸し出しは今までなくなったことがありません。

2014-07-26 13:24:07
🌸🍀眞葛原雪🍀🌸 @pririn_

@yumiharizuki12 そうなんですか。低成長時代だからこそ、貸し倒れ引当金分は、高金利にしないとやっていけないかもしれないですね。企業の側も、資本で調達する方がより安心になります。証券・社債市場が隆盛して、銀行からの借り手は減るので、その分も金利は上がりますね。

2014-07-26 13:25:45
伝左衛門 @yumiharizuki12

@uncorrelated @pririn_ そう考えると、前近代的でマクロ的に金利が高かったとするピケティの議論は誤ってることになると思います。

2014-07-26 13:28:19
uncorrelated @uncorrelated

@yumiharizuki12 @pririn_ 前近代だとデフォルト率がさっぱり分からないところで出資しているわけで、潜在変数のリスク回避度を大きくとれば、大きな資本収益率は幾らでも説明できてしまう問題もあります。

2014-07-26 13:31:23
伝左衛門 @yumiharizuki12

@pririn_ そうですね。低成長時代には貸倒リスクは上がります。しかし大企業が資本市場を使えば銀行のお客さんが減るので、銀行金利を下げる要因になりますね。

2014-07-26 13:33:15
伝左衛門 @yumiharizuki12

@pririn_ 社債市場では発行規模が大きくなるので、金額あたりの金融仲介コストは低くなり、金利は下がります。

2014-07-26 13:35:43
🌸🍀眞葛原雪🍀🌸 @pririn_

@yumiharizuki12 経済学の教科書に出てくる金利には、社債金利も入っている、で良いですか?(?_?)

2014-07-26 13:41:43
Takashi Hayashi @tkshhysh

ベッカー(Robertの方)のQJE論文では,決定論的な完備市場モデルでは,最もpatientな人以外は長期には【初期分配によらず】みんな死ぬ,という結果になるので,身も蓋もない.少なくとも世代重複か不完備性のどちらかは入れざるを得ないだろう.

2014-07-26 13:42:23