ほめ言葉であっても、クレームと同様の対応が必要になるケースもある

病院に対するほめ言葉であっても、クレームと同様の対応が必要になるケースもある。時間外に特別な対応を 受けた患者さんがそれに感謝の声を返し、そうした対応の再現を求めてきたような場合は、対応を間違えると その患者さんを必要以上に怒らせてしまったりもする。
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medtoolz @medtoolz

クレームは何でないのか 怒りの表明はクレームではない。「主治医の態度が不愉快だった。この病院にはもう二度と来ない!」と 患者さんが怒っても、その人は病院から具体的な被害を受けたわけではないし、病院の側に何かの対処が 求められているわけでもないから、怒りに対して反省すればいい。

2014-07-30 12:01:24
medtoolz @medtoolz

改善の要求もクレームではない。「○○病院は予約制度で外来を回して待ち時間が短くなった。この病院 にもそうした制度を導入してほしい」という声は、病院の側に具体的な対処を求めているけれど、申し入れの 根拠は自施設とは関係ないから、声は強制力のない申し入れとして受け止めればいい。

2014-07-30 12:02:31
medtoolz @medtoolz

クレームとは、1)患者さん自身が当院より何らかの不利益を受けた、あるいはそう誤解した事実を根拠に、 2)病院に対して何らかの補償や対処を求めるものと定義される。

2014-07-30 12:02:34
medtoolz @medtoolz

それがクレームであった場合には、その場で 謝罪してみせるだけではなく、責任者による特別な対応が必要になってくる。

2014-07-30 12:03:41
medtoolz @medtoolz

病院に対するほめ言葉であっても、クレームと同様の対応が必要になるケースもある。時間外に特別な対応を 受けた患者さんがそれに感謝の声を返し、そうした対応の再現を求めてきたような場合は、対応を間違えると その患者さんを必要以上に怒らせてしまったりもする。

2014-07-30 12:04:43
medtoolz @medtoolz

クレーム対応の概観 対応の窓口に立った人、あるいは電話を受けた誰かが「これはクレームである」と認識した時から、 クレームの対応が始まる。

2014-07-30 12:05:49
medtoolz @medtoolz

クレームを受けたら、まずは聞き役を決める。聞き役は窓口対応を行った人自身がそのまま役割を続ける こともあるし、担当の看護師さんや、主治医がコールされることもある。聞き役は、持ち込まれる問題の 大きさに応じた人が任命されることになる。

2014-07-30 12:06:54
medtoolz @medtoolz

聞き役はクレームを申し入れた人との対応を引き継ぐ。挨拶を済ませ、まずは相手の感じた不快に対して 謝罪するとともに、「まずは詳しい話を聞かせて下さい」と続けてから、情報を集めてメモにまとめる。

2014-07-30 12:07:57
medtoolz @medtoolz

相手の話をメモにまとめている間、聞き役は原則として説明したり、自分の意見を述べたり、その場で何かを 判断したりしない。「その件については一度持ち帰らせていただき、相談して改めて返答させていただきます」 という態度を心掛けて、相手の話を聞くことに全力を挙げる。

2014-07-30 12:09:00
medtoolz @medtoolz

聞き役が話をまとめたら、リーダーを探して任命する。クレーム対応のリーダーになる人は、たとえば受け付け 窓口の担当者が聞き役だったら主治医がリーダーに、主治医が聞き役だったら診療部長や病院長がリーダーに なる。

2014-07-30 12:10:01
medtoolz @medtoolz

リーダーは、病院として求められる対応の大きさに応じて、ふさわしい人が任命される。

2014-07-30 12:10:02
medtoolz @medtoolz

リーダーを任命された人は、聞き役のメモを読み、関係者の意見や患者さんのカルテを通じて情報を集め、 情報は最終的にポジションペーパーとしてまとめる。

2014-07-30 12:10:08
medtoolz @medtoolz

ポジションペーパーには、そのクレームを病院は どういう事実と認識し、どのぐらいの重大さとして受け止め、どう対応していくのか、責任者の考えかたが 記述されることになる。

2014-07-30 12:11:11
medtoolz @medtoolz

ポジションペーパーは病院内の主だった部署に回覧され、そのクレームに対する病院の態度が統一されたところで、 最終的にクレームを申し入れた本人と、病院側の代表者たるリーダーとが面談を行う。

2014-07-30 12:12:14
medtoolz @medtoolz

面談では、 まずは相手の不快に対する病院としての謝罪を行い、その後相手が誤認している事実に修正をお願いする。 さらに病院側が把握している事実が伝えられ、最終的にクレームに対して病院側が持っている見解が伝えられ、 相手の納得をお願いすることになる。

2014-07-30 12:13:15
medtoolz @medtoolz

クレームの対処というものは、シングルスのテニスコートでこちらだけダブルスで戦うようなもので、 聞き役とリーダーとの連携がきちんと取れている限り、対応が失敗する可能性をかなり少なくできる。

2014-07-30 12:14:17
medtoolz @medtoolz

その代わり「聞き手は判断しない、リーダーは直接交渉しない」という原則が崩れると、お互いが足の 引っ張り合いを演じてしまうことになる。

2014-07-30 12:15:20
medtoolz @medtoolz

聞き役のお仕事 分業の効果とは何か クレーム対応を行う場合には、話を聞くための「聞き役」と、判断をする「リーダー」とが分業することになる。 聞き役とリーダーとが分業することで、聞き役には以下のようなメリットが生まれる。

2014-07-30 12:16:23
medtoolz @medtoolz

聞き役は一種の伝達係としてその場にいるから、相手の言い分を否定しなくてもいいし、分からないことに対して その場しのぎの取り繕いをしなくてもいい。

2014-07-30 12:17:25
medtoolz @medtoolz

聞き役は判断しない。判断せずに「上に伝えます」と約束することしかできないから、聞き役は相手の要求に対して ウソを言って切り抜けたり、強弁して突っぱねたりしなくてもいい。

2014-07-30 12:18:26
medtoolz @medtoolz

判断できる責任者が最初から交渉の窓口に立ってしまうと、こうしたメリットは失われてしまう。妥協を引き出す ために、相手の言い分を否定する状況が生まれるし、相手の言葉を強弁でさえぎったり、何かウソをつく必要が出て くるかもしれない。

2014-07-30 12:19:27
medtoolz @medtoolz

言い分が否定されれば相手は怒るし、ウソがばれれば信頼は損なわれてしまう。

2014-07-30 12:20:31
medtoolz @medtoolz

相手の言葉を否定せず受け止めることで、怒りの感情は相手が体験した事実から切り離される。相手が体験を語る間、 それに意見せずメモをまとめれば、その人は信頼される。クレーム対応の場面において、冷静な態度とお互いの信頼は、 何よりも大切なものになってくる。

2014-07-30 12:21:33
medtoolz @medtoolz

以下まだけっこう続く。聞き役の任命。準備するもの。4分割メモのとりかた。それぞれの欄の意義について。聞き手の謝罪。聞き手の聞きかた。敬語の使いかたと意義。聞き手の意見について。約束について。聞くときにやってはいけないこと。聞き役の想定問答集。

2014-07-30 12:21:33
medtoolz @medtoolz

リーダーの謝罪について。リーダーによる経過説明で気を付けるべきこと。説明に置いてやってはいけないこと。見解の相違と事実の誤認について。リーダー面談で目指すべき着地点について。リーダーへの想定問答集。だいたいこのぐらい。

2014-07-30 12:22:36