テツヤスレイヤー～サツバツ・ナイト・バイ・ナイト

紅亭彩虹 @mesonso

「フヒヒ！フヒヒ！限定グッズ重点！重点！フヒ、フヒヒ、フヒィー！」暗闇の中、アリアケ・サカサピラミッド周辺にはすでにロックフェスめいて多くの人間が集まっていた。彼らの目的は明確だ。全国から集まったギーグたちによるコミ・マーケットと呼ばれる暗黒巨大キャラバンに参加するためである。

紅亭彩虹 @mesonso

しかし、観察力の優れた読者諸君はお気づきだろうか。この人だかりは、単なるギーグの集まりとは様相が異なっている。彼らの中には、明らかにギーグを装ったジョックが紛れ込んでいる。彼らの正体が周囲のギーグにばれようものなら、次の日からムラハチは必死！最悪の場合、リンチに遭う危険すらある！

紅亭彩虹 @mesonso

「フヒヒ……ケッ！いつまでこんな奴らに合わせなきゃならねえんだ？ZBRでもキメなきゃあやってらんねぇ」ジョックの一人が愚痴をこぼす。彼らにとってみれば、マケグミ階級であるギーグと同じ空間にいること自体耐えられないことだ。ならば、なぜ彼らはわざわざそんなところに出向いたのか。

紅亭彩虹 @mesonso

答えは簡単だ。金である。コミ・マーケットで扱われる商品は、さまざまな場所で需要がある。中にはカチグミが血眼になって追い求めるようなものまで。オークションに出れば高値は間違いないが、コミ・マーケットの者たちは奥ゆかしいので、決して暴利をむさぼろうとせず、適正な取引を行う。

紅亭彩虹 @mesonso

しかし、ここにいるテツヤグミと呼ばれる者たちは、そのような奥ゆかしさなどとうにかなぐり捨てた者たちだ。彼らにあるのは、誰よりも早く、誰よりも多くという、他人を蹴落とそうという思想。ネオサイタマではごくありふれた、マッポーめいた考えである。おお！ブッダ！

紅亭彩虹 @mesonso

テツヤグミによって生み出される圧倒的な品薄状態によって、商品の価値はウナギライジングである。そして、商品の希少価値が上がり切ったところで、彼らのようなジョックの出番となる。すなわち、テンバイと呼ばれる裏取引の始まりである！勿論、彼らの背後には暗黒メガコーポが関わっている。

紅亭彩虹 @mesonso

そう、テツヤグミが異常と言えるまでの購買欲を駆らされているのも、実際に彼らをアリアケ・サカサピラミッドに連れてきたのも、すべては暗黒メガコーポによる洗脳戦略によるものである！そして、その背後にいる思惑には……ニンジャ！そう、すべてはニンジャの仕業なのだ！ナムサン！

紅亭彩虹 @mesonso

「フヒーヒー！フヒヒ！アー！おたく！どう思いますか！コミ・マーケット！素晴らしいとは思いませんか！エエッ！？」興奮したテツヤグミの一人が、隣の男に話しかける。彼はトレンチコートにハンチング帽をかぶり、静かに瞑想していた。明らかに周囲のテツヤグミとは異なっている。

紅亭彩虹 @mesonso

「オヌシ、ここで何をしている？」「アイエッ？何言ってるんです！？コミ・マーケットに参加するんですよ！あなたもでしょう？チガウ？フヒヒヒヒヒヒヒヒ！」唐突な男のゼンモンドーめいた問いかけに、テツヤグミは声を荒げながら答える。テツヤグミはZBRによるオーバードーズ状態にあった。

紅亭彩虹 @mesonso

「コミ・マーケットではテツヤを禁止している。それを知ったうえでテツヤをしているのか？」「lollollol！！あなた馬鹿？テツヤしないと欲しい商品買えない！だからテツヤする！当たり前でしょう！？フヒッ！」「近隣への迷惑は？」「そんなの関係ない！私たちが良ければどうでもいい！」

紅亭彩虹 @mesonso

「なるほど、それがオヌシの最後のハイクか」「何を……アバーッ！？」男が唐突にカンフー映画めいて吹き飛んだ！そして……ナムアミダブツ！もう一人の男は赤黒の装束に「徹」「殺」と威圧的にショドーされたメンポを！ニンジャだ！ 「ドーモ、テツヤグミ＝サン。テツヤスレイヤーです。」

紅亭彩虹 @mesonso

この後のことはあえて語るまでもない。圧倒的な暴力の嵐。そこにはジョックもギーグも関係ない。彼らはルールを破った。それだけで十分だった。モータルにはなすすべがなかった……本当に？本当にモータルにはなすすべがなかったのだろうか？否！

紅亭彩虹 @mesonso

このような、インシデントに巻き込まれない方法があるのだ！それは、テツヤをしないこと！コミ・マーケットの奥ゆかしいルールを厳守することだ！それこそが、最大の対策法である！そんなコミ・マーケットのルールは、コミ・カタログと呼ばれるスゴイアツイホンに書かれている！今すぐに買いに行こう！

紅亭彩虹 @mesonso

ちなみに、一連のニンジャスレイヤー風ネタツイートーオーは、コミケとは実際無関係で、ステマやブラックジョークの類でもないので、実際ごあんしんだ。 だが、少しでも徹夜組が減ってほしいのは同じだ。コミケは皆の奥ゆかしさで成り立っているのだ。ユウジョウを忘れてはいけない！