「『ま』シン・オブ・ヴェンジェンス」

きれぼし脳向けネタ忍殺SS ◆マロウスレイヤー◆ 第一部「ネオモヘミンチョ炎上H」より「『ま』シン・オブ・ヴェンジェンス」
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sushi_izumi @89_sushi

◆マロウスレイヤー◆ 第一部「ネオモヘミンチョ炎上H」より「『ま』シン・オブ・ヴェンジェンス」

2014-08-22 14:27:57
sushi_izumi @89_sushi

◆ご注意◆ これはネタです!全て嘘です!従ってきれぼし脳と忍殺語と妄想とパクリと稚拙の混合物であり、ケジメ案件不可避な内容であることをご了承下さい。また、微妙に『バグクエスト2』『バグクエスト2、』のネタバレを含みますのでご注意下さい。

2014-08-22 14:28:22
sushi_izumi @89_sushi

(これまでのあらすじ) 『ユーシャ』を目指すミドルエイジニンジャ、トキタ。『ユーシャ』と呼ばれるに相応しいブレイブ事案を探し求めて彷徨う彼は、バグに冒された電脳都市、ネオモヘミンチョに流れ着いた。このマッポーめいた街で彼を待ち受けるものとは……1

2014-08-22 14:28:33
sushi_izumi @89_sushi

……男はうつむき、物思いにふけっているようでもあった。男の両腕はバグで汚れていた。おそらくは、彼の周囲に倒れている男の返りバグだ。男が既に死んでいることは明らかだ。重バグイオンを含んだ雨が、濁ったバグを洗い流していく。 2

2014-08-22 14:29:32
sushi_izumi @89_sushi

倒れた男は既に死後ドット欠けを起こしていた。顔面もくまなくにしきがお化し、既に生前の表情を伺うことは出来ない。しかし、その風体から正体は明らかであった。マロウジンである。そして一人うつむいて死体を見下ろす男もまた、マロウジンだ。 3

2014-08-22 14:30:02
sushi_izumi @89_sushi

アヒャアヒャアヒャ。巨大な推進音が接近し、上空がにわかに明るくなった。マロウジンは顔を上げた。繁華街の退廃的なバグ看板……「ファミリーテテテ」「ふよふよ」「Hさせて頂く。」といった極彩色の文字群の向こう、夜空を斜めに横切る高速飛行船あり。マロウジンはその鋼鉄の下腹を睨んだ。 4

2014-08-22 14:30:15
sushi_izumi @89_sushi

「バグい、バグい、実際バグい」「この飛行船はバグプレイ目的であり、怪しくは無い。安心です」欺瞞の言葉を撒き散らしながら、高速飛行船はコードサーチライトを投射し、対象を探している。「……」零秒後、マロウジンはフワーッ!と跳躍し、ビルの屋上へ飛び移り、そのまま駆け出した。 5

2014-08-22 14:31:28
sushi_izumi @89_sushi

-------- 『ま』シン・オブ・ヴェンジェンス -------- 6

2014-08-22 14:31:46
sushi_izumi @89_sushi

KRAAASSH!「クテハーッ!?」突然の破砕音と粉塵に、男はフートンから跳ね起きた。「待て、畜生待て、何?ナンデ?な、何の話だったの!?」ベランダを見やると、ナムサン!クレーンで吊られた巨大な(   ^o^   )が再度、振り子めいて飛んできた。壁が砕ける!KRAAAASH!7

2014-08-22 14:33:17
sushi_izumi @89_sushi

「待て、ダメ!ないわーなインシデントだろ!」男は叫ぶが、(   ^o^   )に耳は無い。振り子めいて三度目の破壊準備!「やめろッて!」男は下着のままだ。脱ぎ捨ててあったパワードスーツを慌てて着た。「ウメオガン!マスダガンあった!」掴み取り、パワードスーツの背に交叉させ担いだ。8

2014-08-22 14:34:03
sushi_izumi @89_sushi

「ヤバイヤバイヤバイタコ!」KRAAAASH!部屋のおよそ半分が床ごと崩壊!「まだ居る!人が居る!」男は叫んだ。「畜生……」玄関脇の鏡まで走り、いつもの日課を慌てて行う。頭巾とメンポを身につけ、鏡の向こうの自分にアイサツをするのだ。「オ、オハニヨウ!」KRAAAAASH! 9

2014-08-22 14:34:49
sushi_izumi @89_sushi

男は黒い忍者装束、中肉中背、何より特徴的なのは右目に刻まれた縦一筋の古傷だ。その目は固く閉じられているが、左目には困惑と憤怒の強い光があった。男はベランダ(があった場所)を見やり、悲鳴を上げかけ、ドアを蹴り開けるようにして室外へ飛び出した。KRAAAAAASH! 10

2014-08-22 14:35:00
sushi_izumi @89_sushi

「アアーーーーーーッ……♡」男は廊下にへたり込んだ。「こんなのってないわー……ネオモヘミンチョええがげんにしろよ……」そこで我に返り、「ヤバイ」タイトなパワードスーツを探る。ナムサン、財布は内ポケットにあった!「き、清川神!」 11

2014-08-22 14:35:24
sushi_izumi @89_sushi

KRAAAAAASH!さらなる破砕音!アパートごと吹き飛ばすつもりか?彼は泡を食って、転がるように階段を駆け下りた。「アーラ、まあ、あら、トキタ=サンじゃないの?」太った中年女性が驚いて声をかけた。「ナンデ?なんで中にいたのよお、危ないわほー、死ぬわほー……」 12

2014-08-22 14:35:43
sushi_izumi @89_sushi

「実際死ぬ!」トキタと呼ばれた彼は叫び返した。「出死に枠だ!管理人さん!実際死ねばいいんでしょう!?」「そうよお、危ないわほー」トキタは頭巾を掻きむしった。「アイテム全部パアだって!」「張り紙したし、個別に連絡もしてたわほー」と管理人。「だいたいあなたがいつも留守だから」 13

2014-08-22 14:36:30
sushi_izumi @89_sushi

「張り紙?張り紙ナンデ?」トキタは鼻白んだ。管理人はアパートの前に立てられた掲示板を指さす。『老朽化で取り壊し重点。月内に引越さなければ死、それがここの掟ジイ』「……え?」「家賃も二ヶ月滞納。でももうそれはいいわあ」管理人はため息を吐いた。「サ・ヨ・ナ・ラ!」「え……」 14

2014-08-22 14:37:18
sushi_izumi @89_sushi

トキタは口を半開きにし、管理人を凝視する。「ファ~キュ~ッ……じゃなくて、え……俺の住居……」「サ・ヨ・ナ・ラ!」 15

2014-08-22 14:37:33
sushi_izumi @89_sushi

「そう。うん。もしもし……わかったな?」オレオ・ラーメンを食べる手を止め、トキタは携帯電ガチャ端末(幸運にも持ち出せた品だ)に向かって呟いた。意気消沈だ。「え?そりゃ、やるしかねえよ。これは突発バグ。どうにかするよ。このトキタ様がこれしきでへこたれるわけ無いだろー!?うん」 17

2014-08-22 14:38:32
sushi_izumi @89_sushi

屋台はメンスター茹で機が吐く水蒸気が立ち込め、隣の客の顔も見えないほどだ。「じゃあまたな。この街自体には慣れてきたんだ。うん。俺様の勇者力を試せる機会も見つけたしな。また電ガチャするよ……」通信を終了し、味の濃いオレオ・ラーメンを啜りこむ。「こんなの無いわー、本当にさ……」 18

2014-08-22 14:40:01
sushi_izumi @89_sushi

ゴーにしーを粘つくカウンターに叩きつけ、トキタは霧雨の街角に足を踏み出す。この程度の雨と含有バグイオンなら傘はいらない。マフラー(これも、幸運にも持ち出せた品だ)を鼻の上まで引き上げる。マフラーには「旅勇者忍者」のレタリング。「やってやる……俺は勇者だぞ」彼は独りごちた。 19

2014-08-22 14:41:01
sushi_izumi @89_sushi

歩道橋を歩くとき、彼は西の空を横目で見た。こんな曇天であっても、そしてあれだけ離れていても、画面隅には老人のシルエットが闇の太陽めいて浮かんでいる。「なンだろね」彼は呟き、猫背ぎみに歩く。住処を失くしちまった。早い所まとまったゴーにしーを手に入れないと。20

2014-08-22 14:41:13
sushi_izumi @89_sushi

トキタは37歳。2年前、一念発起してダツ・サラリマンし、ユーシャとなるべく放浪の旅に出たまま、流れに流れてこのネオ・モヘミンチョに流れ着いた。幸い彼には忍術の心得があり、このマッポーのバグ世を生き抜いてくることが出来たのだった。21

2014-08-22 14:41:26
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