茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第1311回「アビーロードを渡る直前」

脳科学者・茂木健一郎さんの8月30日の連続ツイート。 本日は、けさ流れてきたツイートに触発されて。
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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート1311回をお届けします。文章はその場で即興で書いています。本日は、けさ流れてきたツイートに触発されて。

2014-08-30 07:08:25
茂木健一郎 @kenichiromogi

あれは何年前だったか、郊外からロンドンに数人で戻ってきていて、ふと目覚めて車の外を見たら、通りがあって、そこの横断歩道で、何人かが渡っていた。夕暮れの、ごく普通の光景。その瞬間、フラッシュが光った。はっと思ったら、撮影している。そこは、アビーロードだった。

2014-08-30 07:09:59
茂木健一郎 @kenichiromogi

レコーディング・スタジオがあり、その前を通るアビーロード。横断歩道で、4人が歩いているところを、横から撮った写真が、ビートルズのあまりにも有名なアルバム・カバーとなった。私のアビーロードとの出会いは、不意打ちだった。だからこそ、そのフラッシュが鮮明に記憶に残った。

2014-08-30 07:12:53
茂木健一郎 @kenichiromogi

なぜ、この写真は、それほど私たちの心をとらえるのか。ジョン・レノンを先頭に、横断歩道を歩いていく。ポール・マッカートニーは裸足。背景の自動車の配置。ごく当たり前のゼブラ・クロシングなのだが、永遠のアイコンになってしまった。 pic.twitter.com/T2WFYbHhFb

2014-08-30 07:14:38
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茂木健一郎 @kenichiromogi

今朝、歴史上の印象的な写真を配信するHistory in Picturesのアカウント @HistoryInPics から、この有名なアビーロードのカバーを撮る直前、横断歩道を4人がわたる準備をしている写真が流れてきて、胸を打たれた。 pic.twitter.com/IcpVnbYT1s

2014-08-30 07:16:23
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茂木健一郎 @kenichiromogi

人生は、つながっている。今や歴史上の人物でも、息づいていて、頼りなくて、ふざけていて、しゅんとしていて、その4人が、高校性みたいにふざけたあと、さっと横断歩道を渡って、その瞬間をカメラがとらえて、その画像が、文化的アイコンとして、私たちの心に刻まれる。

2014-08-30 07:17:41
茂木健一郎 @kenichiromogi

ビートルズの4人が、生身の人間で、アビーロードのスタジオでスタイリストとかに服を着させられて、さあ、キュー出したら横断歩道を渡ってくださいと言われて、待っている間退屈してお茶目になって、そして次の瞬間渡りだして、シャッターが切られて、そしてあの写真ができる。

2014-08-30 07:19:09
茂木健一郎 @kenichiromogi

そして、ノイズに満ちた、あっちこっちふらふらの「現実」から、横断歩道を渡っていく4人の写真が切り取られ、その一瞬が流通し、人々の頭を占めて、模倣する人が出て、あたかも宇宙の最初から存在していたイデアみたいになる。そう考えると、人生ってほんとうに面白いね。

2014-08-30 07:20:20
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート1311回「アビーロードを渡る直前」をテーマに、7つのツイートをお届けしました。

2014-08-30 07:21:00