茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第1312回「スマホのマップで歩いてみよう」
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歩くのが好きだ。ふらふらと、歩いていく。時間があれば、1時間でも2時間でも歩く。(ここ数年で一番長く歩いたのは、自由が丘から横浜まで4時間30分くらいかけて歩いたとき)。歩いているうちに、脳のDefault Mode Networkが働いて、いろいろなことが整理されていく。
2014-08-31 08:26:26スマホの上に、グーグルマップがいるようになってから、歩き方が変わったように思う。任意の点から任意の点に、示唆されたルートを参考に、ゆっくりと歩いていく。必ずしも、地形や脈絡を理解していなくても、なんとか歩ける。そうやって、どれくらいたくさんの道を歩いたことだろう。
2014-08-31 08:27:27カーナビも実はそうなのだが、スマホのマップのすばらしいところは、適当に歩いても大丈夫だということである。示唆されたルートと関係なく、「あっ、こっち行ってみよう」とか、「あっち行っちゃうか」と歩いていっても、すべての道はつながっているから、なんとかなる。
2014-08-31 08:28:36つまり、スマホ上のマップが整備されたことで、実は、地図とか関係なく、勝手に適当に歩けるようになった。私たちは、大いなる「自由」を手にしたのだ。そのことに、私たちの身体の、どこか深いところが、まだ呼応していないように思う。本当は、ドリームタイムを持つことができるのに。
2014-08-31 08:29:49さて、マップができたことで、適当に歩けるという自由を得た、というのは、実は人生も同じなのではないかと思う。かつて、私たちは、人生の道筋と言えば、たとえば、小学校、中学校、高校、大学、就職というように、「定点」を経由しなければならない、と思い込んでいた。
2014-08-31 08:30:50これは、「学び」のための糧食が、定型的な道の上にしか置かれていなかったからで、その上を、とぼとぼと歩いていくことが、唯一の成長の道だと思い込まされていた。ところが、今、情報はビッグバンし、ネット上に、無限の学びのマテリアルが存在する時代になっている。検索が脈絡をつくる。
2014-08-31 08:32:13インターネット上に存在しているマテリアルをつかみ、ネットを通して接触できる仲間を議論相手、学び合いの仲間とすれば、じつは、定点的学校を経由しなくても、ふらふら歩いていても学びの体系化ができる時代。ところが、そのことに、私たちの身体が、まだ呼応していない。
2014-08-31 08:33:40人生の歩き道の、「グーグルマップ」は、まだ、仮想のものとしてしか存在しないが、キャリアパスの可視化は、これから進むだろう。適当に歩いていっても、自分がどこにいるかわかる。その時、私たちは、今までの歴史上の人類が夢見たことさえなかった、大いなる自由を手にすることだろう。
2014-08-31 08:34:52実は私たちがすでに手にしつつある、いや手にしている自由に気付かずに、決まり切った道を歩いている/歩かないといけないと思い込まされている。そんな時代に、大いなる自由に気付くことができたら、それは福音だろう。さあ、一つのレッスンとして、スマホのマップで歩いてみよう。あくまでも適当に、
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