ミッドウェーに消えた古鷹 まとめ

これまで投稿したやつなんかを。
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古鷹 @hurutaka_CA

雲間から覗く光に目を細めながら、私はゆっくりと足を止めた。 曇天。立場上天候に気を使うの事が多いせいか、大体ならば自分でソレを予測できるようになってしまった。 周りに異常は見られない。 これは早々に切り上げた方がよさそうだ。 恐らく---嵐がくる。 #ミッドウェーに消えた古鷹

2014-08-15 15:07:14
古鷹 @hurutaka_CA

【嵐】 「古鷹、こっちは異常ないよ」 加古の声を聞き、振り返る。 私は軽く手を振って答えた。 数日前までここで大きな海戦があった。 未だかつて無かった深海棲艦との大きな海戦。 ・・・そして、突然の本土空襲。 #ミッドウェーに消えた古鷹

2014-08-15 15:10:26
古鷹 @hurutaka_CA

当然私、そして私の鎮守府もコレに参加することとなる。 辛うじて敵艦隊を押し返すことに成功するも、鎮守府の被害は酷かった。 私達古鷹型は敵本隊を叩く為に海域を離れていたことから被害は少なく済んだが、鎮守府で待機していた艦娘の殆どがこれにより損傷。 #ミッドウェーに消えた古鷹

2014-08-15 15:12:53
古鷹 @hurutaka_CA

損傷の少なかった古鷹型、そして別働部隊は近海での護衛。 及び残存兵力の索敵、掃討の任務へ。 同様に母港はいち早く機能の回復に努める形となる。 最も、たった二隻での護衛任務と言うのも異例の自体ではあるが・・・。 #ミッドウェーに消えた古鷹

2014-08-15 15:15:27
古鷹 @hurutaka_CA

「嵐、来るかなぁこれ」 空を見上げながら加古が呟く。 私は二度三度頷いて同意した。 「そうだね。 今日は早めに切り上げようか」 「はいよー」 飛沫を上げながら反転する加古を見て苦笑しながら、私は電報に手を伸ばす。 #ミッドウェーに消えた古鷹

2014-08-15 15:18:07
古鷹 @hurutaka_CA

「・・・?」 ふと、顔を上げた。 あれ? 何だろう今の・・・。 「加古、今何か言った?」 「え? 何も?」 「・・・そう」 気のせい・・・? ――――・・・。 「?!」 違う、やっぱり気のせいじゃない。 なにか・・・『いる』 #ミッドウェーに消えた古鷹

2014-08-15 15:21:30
古鷹 @hurutaka_CA

「ごめん、加古先に戻って!」 「え、えぇ? ちょっと古鷹?!」 今にして思えば、このとき何故一人で動いたのだろうと思う。 加古の力を借りていれば変わっていたかもしれないのに。 「ちょっと、古鷹ってば・・・!」 加古が叫ぶと同時。 ・・・落雷。 #ミッドウェーに消えた古鷹

2014-08-15 15:23:34
古鷹 @hurutaka_CA

視界が真っ白になり、少し遅れて号砲のような轟音が辺りに響き渡った。 ひたり――― 頬に冷たいものが触れるのを感じ、加古はゆっくりと閉じた瞼を開く。 まるでそれを待っていたかのように、大粒の雨が降り注ぎ始めた。 「・・・古鷹?」 返事は、無い。 #ミッドウェーに消えた古鷹

2014-08-15 15:26:52
古鷹 @hurutaka_CA

―――執務室。 加古からの電報を受け取った執務室は、一瞬で騒然となった。 ―――嵐ノ中ニ、古鷹消ユ 酷く短く・・・酷く明確な一文。 「ちょ、ちょっと・・・これシャレになってないんじゃないかな?」 言うのは衣笠。 脇の青葉もまた同様の表情だ。 #ミッドウェーに消えた古鷹

2014-08-15 15:31:08
古鷹 @hurutaka_CA

「探しに行かないと!」 唐突に青葉が駆け出すのを、衣笠が慌てて止める。 「待って! こんな嵐の中出たら青葉まで危ないでしょ!」 「じゃあ古鷹さんはどうするんですか!」 言われ衣笠が目を細める。 #ミッドウェーに消えた古鷹

2014-08-15 15:34:48
古鷹 @hurutaka_CA

「・・・この嵐じゃあ、瑞雲を飛ばすのも怪しいか・・・」 「・・・そうね」 黙していた伊勢、扶桑の二人が大きく息を吐いた。 「ねぇ、どっちが正しいと思う?」 酷く抽象的な質問。 扶桑は無言で首を振った。 「ま、わかんないよねぇ」 #ミッドウェーに消えた古鷹

2014-08-15 15:37:52
古鷹 @hurutaka_CA

「・・・ならば我輩を出せ!」 ドン、という音と共に飛び込んでくるのは利根。 脇にはそれを支える筑摩の姿があった。 「利根さん・・・! あなたはまだドッグから動いては・・・!」 駆け寄る扶桑を利根は目で制した。 #ミッドウェーに消えた古鷹

2014-08-15 15:39:37
古鷹 @hurutaka_CA

利根は先の海戦で最も多くの海域に出撃した艦でもある。 当然損傷も激しく未だに万全とは言えない状態。 「偵察機を飛ばすぐらいはできる! こんなときに飛ばせずして何が航巡か!」 「落ち着きなさい。 嵐がやむのを待つ」 「馬鹿な! 古鷹殿を見捨てろと?!」 #ミッドウェーに消えた古鷹

2014-08-15 15:42:20
古鷹 @hurutaka_CA

食い下がる利根に、伊勢が少し困ったような表情を見せる。 「被害が拡大してもらっても困るでしょう」 「被害は出ぬ! カタパルトはもう直っておる!」 「ふ、二人とも落ち着いて・・・!」 刹那、執務室に甲高い音が響く。 咄嗟にそこにいた皆が言葉を止める。 #ミッドウェーに消えた古鷹

2014-08-15 15:46:03
古鷹 @hurutaka_CA

「・・・入電、これは・・・古鷹さん!」 扶桑が確認し、歓喜の色の混じった声を上げた。 「古鷹さん! こちら戦艦扶桑! 無事ですか!」 『ガガガ・・・ガ・・・ザーーー・・・』 嵐の影響か、ノイズしか聞こえてこない。 #ミッドウェーに消えた古鷹

2014-08-15 15:48:29
古鷹 @hurutaka_CA

「無事でいろ」 そこにいる誰もがそう祈り、入電を待つ。 『ザーーー・・・ガ・・・ガガ・・・―――ゥゥン・・・』 ふと、扶桑が顔をしかめた。 今・・・何か聞こえたような・・・。 「古鷹殿! おい! 返事をするのじゃ!」 痺れを切らした利根が叫ぶ。 #ミッドウェーに消えた古鷹

2014-08-15 15:51:51
古鷹 @hurutaka_CA

『ザ・ザーーーーザザ・・・・・・・・・・ゥゥン・・・』 「・・・ちょっと、扶桑さん・・・これ」 衣笠も気付いたのか、扶桑に駆け寄る。 扶桑は頷くことで答えた。 「扶桑、どうかしたの?」 その様子に気付いた伊勢が問う。 #ミッドウェーに消えた古鷹

2014-08-15 15:54:16
古鷹 @hurutaka_CA

「・・・これ、砲撃音が聞こえません?」 戦慄が走った。 『ザザッ・・・ザーーーーーー・・・・・・・・ギ、ギギギギ・・・』 直後に聞こえてきた音に、再び執務室が騒然となる。 はっきりと聞こえた。 ここにいる誰もが聞いたことのある「船体が軋む音」 #ミッドウェーに消えた古鷹

2014-08-15 15:56:43
古鷹 @hurutaka_CA

「古鷹! あなた交戦しているの!? 答えて! 古鷹!!!」 今まで冷静だった伊勢が叫んだ。 そこにいる誰もが同時に動く。 これは、一刻を争う事態なのだと理解する。 「まずは加古さんの収容を優先、後に随時抜錨して!」 #ミッドウェーに消えた古鷹

2014-08-15 16:00:36
古鷹 @hurutaka_CA

『ギ・・・ギギギギギ・・・』 耳障りなほどに響く金属の軋む音。 それを聞きながら青葉と衣笠が艤装を握り締める。 「行こう、青葉」 これに青葉は無言で頷いた。 #ミッドウェーに消えた古鷹

2014-08-15 16:04:24
古鷹 @hurutaka_CA

『ギギ・・・ギギギ・・・』 誰もいなくなった執務室。 耳障りな音は響き続けた。 『ギ・・・ギ・・・』 『ギ・・・』 #ミッドウェーに消えた古鷹

2014-08-15 16:08:41
古鷹 @hurutaka_CA

募集により決定した編成 伊勢 ビスマルク 飛龍 夕張 浦風 雷 索敵値 ok ルート固定 ok #ミッドウェーに消えた古鷹

2014-08-21 21:35:36
古鷹 @hurutaka_CA

「艦載機は無理に飛ばさなくていいわ。 今は目視で確認できる限りの探索をして!」 後方に続くビスマルク、飛龍に向けて伊勢が声を張り上げる。 これぐらいしないと声が届かないのだ。  前方に顔を向け、伊勢は大きく息を吐く。 #ミッドウェーに消えた古鷹

2014-08-21 21:37:55
古鷹 @hurutaka_CA

目視・・・目視とは言った物の、目を開いているのもやっと言うところか。 交戦があった以上何かしら手がかりがあると思っていたが、考えが甘かったか・・・。 「ちょっと! 視界不良もいいところじゃない! 艦載機がどうの以前の問題だわ!」 #ミッドウェーに消えた古鷹

2014-08-21 21:39:27
古鷹 @hurutaka_CA

・・・全部ビスマルクが代弁してくれた。 伊勢は静かに肩をすくめた。 「だからこその高速艦でしょ。 頼りにしてるんだから」 「・・・」 「伊勢さん、こっちは彩雲を飛ばすのもやっとです」 申し訳無さそうに言う飛龍。 #ミッドウェーに消えた古鷹

2014-08-21 21:40:48
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