♮2 間奏曲 ♪ 反逆のアフタヌーン前編 1/2(1~41まで)

エバー・ラスティング・アロー・ミストルティン編まとめ http://togetter.com/li/439782 ⇔人物目録⇔ http://togetter.com/li/446022 第十八話 壊縁♪~ホワイトのショータイム~インディヴィジュアリスツ・エイム~ 続きを読む
0
Astal_jukebox @astral_jukebox

←←←←←←←←←←←←←←

2014-01-16 13:51:29
まとめ ♭7 協奏曲 ♪ NO perfect One gOes 前編 エバー・ラスティング・アロー・ミストルティン編まとめ http://togetter.com/li/439782 ⇔人物目録⇔ http://togetter.com/li/446022 第十八話 壊縁♪~ホワイトのショータイム~インディヴィジュアリスツ・エイム~ 各パートまとめ http://togetter.com/li/560337 #1 序曲 ♪ ロストエレメント http://togetter.com/li/542684 ♭1 序曲 ♪ Lost Element http://togetter.com/li/542943 第三話 葬室からの励と責~イット・カムズ・レイド~ #1 http://togetter.com/li/434003 第四話「護るべき笑顔は~ノー・ティアー!ノー・.. 1039 pv 26
Astal_jukebox @astral_jukebox

⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒

2014-08-31 22:31:57
Astal_jukebox @astral_jukebox

◇ご報告:◇半年強ほど中断しておりましたが、本日より投稿を再開致します。間が空いたこともあり、今回は独立性の高いエピソードから投下致します。本日は2~30ツイート分程の予定です。◇今後の予定としては週3回前後、ツイート数は本日と同程度のペース以上を目指しております。

2014-08-31 22:35:04
Astal_jukebox @astral_jukebox

前回:♭7 協奏曲 ♪ NO perfect One gOes togetter.com/li/616859

2014-08-31 22:40:02
Astal_jukebox @astral_jukebox

あらすじ:2010年1月。小四の少年、浅空勇矢はロボット競技大会・アクトボットへの参加準備をしていた。昨年度の彼は実質一名のチームでありながら、各十数名からなる企業や大学のチームを多数撃破し、上位入賞まで果たしていた。そんな彼だが今年は優勝を目指す為、仲間を得ることにした。

2014-08-31 22:45:09
Astal_jukebox @astral_jukebox

まず幼馴染の七橋裕岐を仲間にした。彼もロボットの操作や制作技術は本職顔負けの物があり、改造に至っては勇矢以上だ。彼は去年、勇矢に大会参加を促した張本人でもある。勇矢が多額の金を必要としていたからだ。本人も参加を希望していたが…言い出せずにいた。その為、彼にとっては渡りに船だった。

2014-08-31 22:55:07
Astal_jukebox @astral_jukebox

勇矢は更に戦術担当を勧誘をする。多くのゲーム大会で優勝経験を持つ同級生、子安星護である。彼は賞金の取り分として法外な要求してきたので、勇矢はボードゲームでの決着を提案した。星護は承諾し、契約書にサインする。彼はこのゲームの全国大会優勝者でもあるので、勝利は確実と思われた。だが。

2014-08-31 22:59:19
Astal_jukebox @astral_jukebox

「僕の勝ちだ」と勇矢は宣言した。そう、勇矢にとってこのゲームの結果など関係ない。賞金額も二の次。実力者だる星護に参加を確約させた時点で、当座の目標は達した。最終目的は優勝のみ。星護は意表を突かれ、プライドに火が着くが、元より参加は望むところ。予定通りに取り分を増やすまでだ。

2014-08-31 23:05:13
Astal_jukebox @astral_jukebox

「…流石、浅空先生の息子だね。良いよ。今その実力とやら、見せてあげるよ」 二人は駒にカードを装填し…バトルが始まった―!

2014-08-31 23:10:12
Astal_jukebox @astral_jukebox

♮2 間奏曲 ♪ 反逆のアフタヌーン

2014-08-31 23:12:07
Astal_jukebox @astral_jukebox

「僕の先攻!ドロー!進軍コストを10払いキングを3前進させる。フィールドトラップを設置しターンエンド」「ドロー!コスト10でナイトを進撃!ヴァンパイアエンブレスで、ポーンマジシャンを攻撃!」「甘いよ!ポーンクラスの時、このカードはダイス判定偶数で破壊を免れる…おや残念奇数だ…」1

2014-08-31 23:15:04
Astal_jukebox @astral_jukebox

「フハハハハ!駒とカードをトラッシュ(捨て山)に置きなぁ!俺はカードを一枚置いてターンエンド…さぁお前のターンだぜ遊…もとい。えーと…あー…お前!」「子安!子安星護。いい加減覚えてよ」星護が名乗ってから5分と経っていない。これには勇矢が人の名を忘れやすいと知っていても辟易する。2

2014-08-31 23:20:10
Astal_jukebox @astral_jukebox

さて、これは賞金の取り分を決める戦いである。もっとも勇矢としては、星護を引き入れた時点で目的は達成済みであり、正直負けても良い消化試合ではある。勿論、勝敗次第では(そして大会で勝てれば)数百万単位の金が動く。手加減するつもりは互いに毛頭ない。白熱した試合展開ではあったが…。 3

2014-08-31 23:25:14
Astal_jukebox @astral_jukebox

(全っ然、分かんねぇ…)ルールを知らずに観戦する裕岐にとっては当然そうなる。彼はカードゲームをやらない。チェストカードに至っては観戦すら初めてでルールも知らない。プレイヤー層が中高生以上に多い為もあり、少なくともこの来栖見小学校では殆どプレイ風景を見たことが無い。 4

2014-08-31 23:35:11
Astal_jukebox @astral_jukebox

なので観戦しても雰囲気と勇矢が優勢らしいことしか分からない。二人共裕岐に気を使ってか、時々目線を送ってきたり、わざわざカードの効果を解説しながら戦ってはいるが、それが却って面白くない。勇矢が野球などのスポーツをつまらないと言い捨てる気持ちに初めて共感出来そうだった。 5

2014-08-31 23:40:10
Astal_jukebox @astral_jukebox

「そういえば母さんを知ってるって?」ふと勇矢が問いかける。先程、星護は勇矢の母を『先生』と呼んだ。実際、彼女は弁護士だ。「母さんに何か依頼でも?」「変なことを聞くね?普通、僕の家族が依頼したと思うんじゃない?」確かに小学生が弁護士に何かを依頼することなどまずない。 6

2014-08-31 23:46:06
Astal_jukebox @astral_jukebox

「いや、さっきのは自分で依頼したニュアンスだったろう」裕岐も勇矢の分析に同意する。「まあそうなんだけどね。色々お世話になったよ…ていうかさ」遠くを見る星護。「…僕のこと、やっぱり覚えてないの?」まっすぐに勇矢を見つめる。「え?……どこかでお会いしましたっけ?」 7

2014-08-31 23:53:12
Astal_jukebox @astral_jukebox

「…と、言う訳でお宅の星護君と未菜途ちゃんの身柄をこちらに下さい」 弁護士、浅空夕里は家主に言い放った。 「ふざけるな…何故貴様にくれてやらねばならん」 家主、子安托馬は子供の身柄を要求された親として当然の反論をした。少なくとも字面だけならそう見えた。 8

2014-08-31 23:59:04
Astal_jukebox @astral_jukebox

10人は座れる応接間に今いるのは、この2人のみ。若手弁護士である夕里は一人でこの子安家に乗り込み、中堅の県議である托馬は秘書も連れずに一人で対応している。昨日、急に彼女のアポイントを受けた秘書は今朝から連絡がつかなかった。これが托馬の不快感の一因でもある。 9

2014-09-01 00:05:25
Astal_jukebox @astral_jukebox

「この家が青少年の健全な育成に相応しくないからです。2人には適切な環境が必要です」 「…金も環境も充分に与えているのだぞ?」 托馬は不快感と疑問を顔に出す。彼には何が問題にされているのかが分かっていなかった。 10

2014-09-01 00:11:38
Astal_jukebox @astral_jukebox

「『与えている』時点でダメじゃないですか」 「何を言っている?」 彼は本気で理解していなかった。無意識に子供を『動物扱い』していることにさえ気付いていないのだ。 夕里は内心で溜息を吐き、営業スマイルで話を続けた。 11

2014-09-01 00:17:15
Astal_jukebox @astral_jukebox

「そもそも義務教育を受けさせてませんよね?」 「馬鹿を言え、アレはまだ5歳だぞ?日本の義務教育は6歳からだ。貴様、弁護士のくせに一般常識も」 「『ソレ』のことは存じてますわ」 弁護士にあるまじきことだが、夕里は相手の言葉を遮った。流石に全文は聞くに堪えなかったからだ。 12

2014-09-01 00:25:09
Astal_jukebox @astral_jukebox

「星護君は…むしろ詰め込み過ぎな気がしますが、まあそれはいいとしましょう」 「では何だというのだ」 「(もちろん)未菜途ちゃんのことです」 頭の接続詞は何とか飲み込んだ。子安未菜途は13才。つまり中学生の筈だ。だが彼女は小中学校は愚か、幼稚園にすら通ったことが無い。 13

2014-09-01 00:35:05
Astal_jukebox @astral_jukebox

「?……ああアレのことか」 たっぷり数秒考えてから托馬は思い出した。娘の存在を忘れていた訳では無い。「義務教育の対象である」ことを忘れていたのだ。彼女の軟禁は、呼吸のように無意識にやっていた。 「アレにも家庭教師はつけている。学校などに通わせる必要はない」 14

2014-09-01 00:40:10