ドボク鎮守府　提督と大潮　

まも（C102お疲れさまでした） @Kojimamo

提督「ちょっと相生の『マリンクレーンテック』に行ってくるわ。大潮、2日ほど提督代行頼むな」 大潮「いってらっしゃい～　車椅子押していくのは誰が？」 提督「朧ちゃんに頼んだ」 #ドボク鎮守府

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長良「司令官、病院？」 大潮「そうです、クレーン船娘の専門外来って日本に2箇所しかないんです。相生と呉だけ。」 長良「特殊船の船娘は大変だね～　なんか患ってたっけ？」 大潮「…　実は司令官、抑うつ病なんです」 長良「えっ？嘘でしょ？」 #ドボク鎮守府

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長良「建設機械とか電車を並べたりしていつもニヤニヤしてる人…じゃなくてフネにそんな悩みがあるの？まぁ提督という地位の重さもあるだろうけど。」 大潮「まぁ、建機とかの前だとアヘ顔状態ですよね」 #ドボク鎮守府 pic.twitter.com/or7wYeR2WH

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大潮「でもだからこそ…ですよ。あのフネは数十年もそれらを取り巻くものと闘ってきたんです。」 長良「ん～、重機ドロボウとか…工事現場の騒音問題とかかなぁ？」 大潮「公害・自然破壊・過疎・交通問題…他にも…　土木屋が背負うにしちゃ重すぎるモンばっかですよ」 #ドボク鎮守府

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長良「そこまで…　ちょっとマジメすぎるんじゃないの？言い方悪いけど、たかがクレーン船でしょ？」 大潮「司令官とケッコンカッコカリして精神同調プログラムをオンラインにする時に言われましたよ 『我が嫁となる者は更におぞましいものを見ることになるだろう』って。」 #ドボク鎮守府

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数ヶ月前、ケッコンカッコカリを済ませた夜… 提督「大潮、予め言っておくがオレと精神同調したらいろんな重いものを一緒に背負う事になるぞ。本当にいいか？」 大潮「何言ってるんですかww　大潮はいつでもど～んと大丈夫です！」 提督「わかった…すまない…」 大潮「？」 #ドボク鎮守府

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提督「とある漫画の台詞を借りて言う。『我が嫁となる者は更におぞましいものを見ることになるだろう』　それでもついて来てくれるか？」 大潮「大潮は大丈夫です!」 提督「起重機船というのは、曳船がいないと基本的に動けない輩が多い。オレもその一人だ。」 #ドボク鎮守府

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提督「朝潮型駆逐艦二番艦、大潮殿」 司令官が佇まいを正して正座した。 大潮「はい」 #ドボク鎮守府

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提督「起重機船『三光』として本船は貴船との永年曳船契約を求める。我はこの世界での水先案内人を欲する」 提督はそう言うと国際信号旗のZ（ズールー）を掲げた。意味は「当船は引き船がほしい」 そしてもう一本の旗も取り出した。G（ゴルフ）旗。意味は「水先人を求む」 #ドボク鎮守府

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大潮は国際信号旗のＣ（チャーリー）旗を無言で掲げた。意味はシンプル、「ＹＥＳ」である。 契約は成された。 前代未聞の350トン非自力航行式起重機船と朝潮型駆逐艦二番艦との夫婦である。 #ドボク鎮守府

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とある電子網… 「この世界はあと、どんだけ持つのかね…」 「”会合”によるとミニマム（最低限度）2年というのが定説らしい…」 「イベントでヘイトを溜まらせた鎮守府が”ウンエイ神”に電子テロを仕掛けるとの情報が…」 「私はずっと第6駆逐隊の子と戯れたいのに…」 #ドボク鎮守府

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提督「…なぁ、大潮？」 大潮「あぁ、またオークションで変態重機でも見つけましたか？」 提督「オレはね、起重機船だからね、彼女が来るのをずっと待ってるんだよ…」 大潮「あらま、浮気ですかいの？」 提督「ジュウコンカッコカリ上等って言ったやん」 大潮「誰なんです？」 #ドボク鎮守府

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提督「陸軍の特殊起重機船『蜻洲（せいしゅう）丸だよ…　彼女はオレと同世代でな…　オレは海軍の砲熕部、彼女は陸軍兵器廠で砲を据え付けたりサルベージとか 似たような仕事してたし、なんか親近感湧くんだよ」 大潮「陸さんのクレーン船ですか…」 #ドボク鎮守府

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提督「陸軍の船も、まるゆ・あきつ丸と特殊船の奴らが来たんで実は期待してるんだよ…　 大潮にゃ悪いが提督業始める前は朝潮型駆逐艦の事は知らなくて… 大潮の姉妹達の存在を知る前から、印象に残ってて好きな船だったしなぁ」 #ドボク鎮守府

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大潮「まぁ、ウチら朝潮型の存在をこの”世界”で始めて知った提督の方々も多いと聞きますし」 そういうと大潮は寂しげな顔をした #ドボク鎮守府

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その寂しげな顔が作業現場を立ち去るブルドーザーに似てて可愛いんだ 何年も山奥のダム工事で奮闘して役目を終えて次の現場へ、トラックに積まれてゆく時のような… 寂しげだけど、まだまだヤレる、頑張るぞいみたいな… #ドボク鎮守府 pic.twitter.com/bviMtkHeHO

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提督「でもまぁ、大潮とケッコン(仮設)できて良かったよ。やはりこの世界にゃ、強力な曳航ロープで結ばれた水先案内人が居ないとな、寂しいしな｣ 大潮｢仮設って何ですかそれ…。それに水先案内人つってもそんなに自信ないですよ～」 #ドボク鎮守府

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提督「(仮設)ちゅうのは、仮設橋を掛けたちゅう事。 コレから基礎工事で下の岩盤までパイル打って、橋脚載せても動かんようにして橋を掛けてくんや。橋の工事はイカに基礎固めができるかで8割が決まるつっても過言じゃない。コレからウチら2隻で工事進めてくんだ。永い工事だ｣ #ドボク鎮守府

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大潮｢なるほど… じゃあ水先案内人はどういう意味です？まぁ司令官引っ張ってけば、いいんですよね」 提督「オレは海軍にいたけど軍艦でも雑役船ですらない海上起重機とか工作船とか呼ばれてたしな。だから海戦の事はさっぱしなんだわ。ただ砲塔等を載せるのが取り柄の作業船だし」 #ドボク鎮守府

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大潮｢司令官たら、よく言いますよ。もう24隻も深海棲艦沈めてるじゃないですかw 充分戦ってますよ。｣ 提督「んん…、ところで俺が深海棲艦沈めたとこ見た事あるの？｣ 大潮｢あっ…聞いただけですね、そういや…｣ 提督「艦娘量産化計画の前の話だしな、10年も前だ」 #ドボク鎮守府

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提督「まぁ昔話はまた今度するよ。とにかく仮設橋でウチラの艦隊連中を通してやって、早く本橋の橋桁掛けてやらんとな。 他にもケッコン(仮設)させて思う存分、海原を駆けさたい奴らいっぱい居るし。だからこの世界は何時までも続いて欲しいんだよ。さざれ石、巌となりてってな？｣ #ドボク鎮守府

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提督「それにな、軍艦連中の海だけじゃつまらんだろ？ 隼鷹や飛鷹に客船艤装プレゼントしてやって、互いが切磋琢磨して旅客誘致でバトルする太平洋とか見てぇんだよ。 『我々は海洋これくしょんを目指すべきだ』ってウンエイ神に 要望書出してるんだけどね」 #ドボク鎮守府