魔法少女まどか☆マギカTRPG化したった

二番煎じ三番煎じと重ねて既に無味無臭無色のお湯しか出てこない感のある『まどマギ』TRPG化。 何事も完成させることが大事だとおばあちゃんが言っていたような気がするので、うpしてみました。 ベースはクトゥルフ神話TRPG第六版、参考にネクロニカ、シノビガミ等。 TRPG初心者にも取っ付きやすいよう、サイコロ2つありゃ始められるようにしてみました。
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 ※身内で遊ぶオモチャとして作ったものであり、かなりアラがあります。ご了承の程を。
 ※登録商標などは各権利者に帰属します。


 皆さんが用意するのは、サイコロと紙と鉛筆、そして魔法少女になってでも叶えたい「願い」だけ。
 目の前にいるのは皆さんの友人の姿を借りた「キュゥべえ」。
 さぁ、彼(彼女?)の言葉にしたがって、「願い」を叶えましょう。
 そして手にした力で、苦しみと絶望をまき散らす化け物どもを打ち倒しましょう。


【ゲームに必要なもの】

  • 2人以上のおともだち

  • 2、3時間ぐらいおしゃべりしても怒られない場所

  • 美味しいお菓子とお茶

  • 筆記用具とメモ用紙

  • ちょっと大きめのらくがき用紙

  • サイコロ(6面ダイス1~数個)

※チェスのコマや素敵なアクセサリー、おやゆび姫サイズのお人形などがあると更に楽しくなります

【ゲームの目的】

 1人がゲームの進行役=キュゥべえ(QB)となり、他の人はプレイヤー=魔法少女となります。
 QBの指示や手助けを受けながら、魔法少女の敵……魔女や魔獣、あるいはナイトメアを倒すのが、プレイヤーの目的です。

【魔法少女の作り方】

 筆記用具とメモ用紙、それとサイコロを用意してください。
 あなたと魂を分かつ魔法少女は、ダイスの女神によって肉体を与えられるのです。

<1> 能力値を決める

 あなたの分身は元気な子?病弱な子?気丈な子?心優しい子? サイコロを振って決めましょう。
 下の一覧には「2D6」(六面ダイスを2個振る)とありますが、サイコロが1つしか無くても大丈夫。1個を2回振ればいいのです。

  • 年齢   2d6+6
  • 体力   2d6 肉体そのものの強さを表す
  • 素早さ  2d6 身のこなしや足の速さを表す
  • 知識   2d6 頭の良さや知識量を表す
  • 精神力  2d6 根性や気持ちの強さを表す
  • 魔法系数 2d6 魔法少女としての因果と運命の重さを表す

 2D6の期待値(一番出やすい目)は7。
 もしも体力が12だったとしたら、その子はとても健康で元気いっぱいでしょう。
 精神力が4だったら、他の女の子よりも引っ込み思案かもしれません。
 魔法系数が7前後の少女は「普通の女の子」の人生を送っています。もしも10を超えたら、それは数奇な運命があなたを待ち受けているか、多くの人の期待があなたへ寄せられていることでしょう。
 さて、どんな女の子が生まれましたか?

<2> 願いを決めてソウルジェムを手に入れる

 あなたの分身に、たったひとつの願いを込めましょう。
 願いが叶うと魔法少女が誕生し、魂の宝石……ソウルジェムが現れます。
 あなたはどんな願いを思い浮かべましたか? その願いは、誰のためのものですか?
 それによって、あなたの魔法少女としての力は大きく左右されます。

  • 願望 誰のための願いであるかによって値が決まる
     自分のため→1 生き残りたい、もっと健康になりたい等
     誰かのため→2 好きな人の病気を治したい等
     みんなのため→3 魔法少女全員を呪縛から解き放つ等
     すべてのため→4 宇宙の崩壊を阻止したい等

  • ソウルジェム(SG) (精神力+魔法系数)×願望
     魔法少女に備わった魔力量とソウルジェムの輝きを表す

 このゲームにおいて一番大事な数字はSGです。
 なぜなら、魔力が枯れ果てたりソウルジェムが濁りきったりした魔法少女は、絶望に飲み込まれる=ゲームオーバーとなってしまうからです。
 一方で、魔法を使う際にはSGを消費しますし、敵を探すのに時間を取られても少しずつSGは減っていきます。
 回復させるには、魔女のグリーフシードや魔獣のコアへ穢れを移すしかありません。
 魔法少女として戦い続けるため、そしてあなたがあなた自身であり続けるために、SGには常に気を配りましょう。

<3> 魔法を考える

 魔法少女は魔法で戦う存在。想像力を働かせ、素敵な魔法を考えましょう。
 ちょっとだけ速く走れるようにするだけの魔法から、世界中の時間を逆行させてしまう大きな魔法まで、どんな奇跡を起こすかはあなた次第です。
 ただし、大規模な魔法を使えば使うほど、SGは大きく失われます。希望の象徴が絶望してしまわぬよう、注意しましょう。
 その魔法が誰のためのものか/何へ影響を及ぼすのかによって、コストとして消費するSGが決まります。
 自分あるいは誰かの能力値やSGを増減させる魔法の場合、影響するポイントは1回あたり(消費SG)個のサイコロによって決まります。
 また、使用できる魔法の最大数は、能力値の「知識」と同じだけです。気をつけましょう。

  • 消費SJ 魔法の規模によって値が決まる
     自分に用いる→1 武器を出す、視力を良くする等
     何かに用いる→2 武器を強くする、火をつける等
     誰かに用いる→3 誰かひとりの怪我を治す等
     近くのみんなに用いる→4 仲間が高速移動できるようにする等
     その場全体に用いる→5 自分の幻影を大量に生む等
     物理法則を歪める→6 時間を止める、超重力を生む等
    ※魔法少女とQB同士のテレパシーはSGを消費しない

例:ティロ・フィナーレ(『~まどか☆マギカ』巴マミ)
 消費SG=3(相手の魔女1体に向けて撃つ)
 影響するパラメータ=魔女のSG
 与えるダメージ=3D6(サイコロを3回投げた出目の合計)

<4> 素敵な名前やバックボーンをつける

 あなたの中にはもう、あなたの魔法少女の名前が浮かんでいるはず。
 その子の好きな色やお気に入りの場所、将来の夢と一緒に、たったひとりの分身へプレゼントしてあげましょう。
 魔法少女のコスチュームやソウルジェムの装飾を考えてあげるのも素晴らしいですね。
 あなたの想いを込めれば込めるほど、ゲームは楽しくなるはずです。

 ……これで準備はおしまい。
 ここからは、魔法少女であるあなたの分身と一緒に読んでくださいね。

【ルール】

 QBの導きにしたがって、災いを生む敵を倒しましょう。
 ここではその手段について説明します。

<1> ゲーム内の時間とSG

 魔法少女が行動するたびに、あるいはQBが言ったとおりに、ゲームの中で時間が流れます。
 たとえば、魔女の結界を街中で探し回るとしたら、それだけで放課後いっぱいかかるでしょう。また、魔獣が暴れまわる夜をただ待つのではなく、昼のうちに作戦を考えることもできるでしょう。
 時間をどう使うかは、あなた次第です。
 ただし、1つだけ注意してください。
 魔法少女は奇跡を起こす存在であり続けるために、常に少しずつ魔力を使います。
 具体的には、ゲーム内で1日経つごとにSGが1ポイント減少します。
 つまり、敵を探したり倒したりするのにもたもたしていると、それだけでゲームオーバーになってしまうのです。

<2> 行動と成功率

 どこそこへ行きたい、誰かに質問したい、魔法少女同士で秘密のテレパシーをしたい。
 そんなときはQBに「○○します!」と宣言しましょう。QBは快く許可してくれます。
 でも、魔女の結界を探すとしたら? 手強い攻撃を回避するとしたら? それは必ず成功するとは限りません。
 そんなとき、QBはサイコロを2個取り出し、あなたへ手渡します。
 あなたはサイコロを振り、出目を数えてください。
 もしも出目の合計がQBの指定した能力値と同じか、それよりも小さかったら、あなたの行動は「成功した」とみなされます。
 逆に、あなたの能力値よりも出目の合計の方が大きければ、あなたの行動は「失敗した」ことになってしまいます。

  • 例1:難しい漢字ばかりのメモを読みたい 使う能力値→知識
     魔法少女の知識=8 サイコロの出目の合計=7
     結果=メモを読み解くことに「成功

  • 例2:魔女の結界を探す 使う能力値→精神力
     魔法少女の精神力=11 サイコロの出目の合計=12
     結果=結界を探し出すことに「失敗

  • 例3:ナイトメアの体当たりを避ける 使う能力値→素早さ
     魔法少女の素早さ=9 サイコロの出目の合計=9
     結果=体当たりを避けることに「成功

<3> 怪我や病気

 敵と戦うとき、あなたはある程度のダメージを覚悟するでしょう。
 また、普段の生活でも、傷を負ったり体調が悪くなったりするかもしれません。
 逆に、戦闘時の怪我をあらかじめ防ぐ魔法を自分にかけておいたり、転んだ先に運良くクッションがあることも考えられます。
 魔法少女はその肉体を保つため、1日につきSGを1ポイント消費しています。
 もしも怪我をしてしまうと、その部分を治そうとよけいにSGが減ってしまいます。
 ただし、肉体へのダメージは能力値の「体力」、魔法での攻撃は能力値の「精神力」で減らすことができます。
 どんな行為でどれぐらいのダメージを受けるかは、QBがその都度教えてくれます。そしてあなたにサイコロを渡すでしょう。
 最終的なSGの減少値は、サイコロによって決められます。

  • 例1:使い魔の投げたナイフが当たった→直接攻撃
     ダメージ=2D6-(魔法少女の体力)
     出目の合計=10、体力=8のとき、ダメージ=2
     結果=SGが2減少

  • 例2:魔獣が破壊の光線を撃った→魔法攻撃
     ダメージ=4D6-(魔法少女の精神力)
     出目の合計=18、精神力=6のとき、ダメージ=12
     結果=SGが12減少

 もしもSGが「2」以下になってしまうか、一回の減少でその時点におけるSGの半分以上(端数切り上げ)を失ってしまうと、魔法少女は気絶してしまいます。
 気絶すると、動くことはおろか、会話も、テレパシーもできません。
 そのまま放置しておくと、敵に倒されるか、時間の経過でSGを使い果たすか、いずれにせよゲームオーバーになってしまいます。
 気絶したままの魔法少女を助ける方法? それは次の項をご覧ください。

<4> 回復

 誰かの魔法で怪我を治してもらったり、ソウルジェムの穢れを吸い取ってもらったりすると、SGの値が回復します。
 あなたのソウルジェムが輝きを取り戻し、また自由に動き回れるようになるということです。
 SJがどれだけ上昇するかは、魔法やグリーフシード、魔獣のコアによります。
 魔法による癒やしの場合、回復値は(コストSG)×6、つまりコストの分だけサイコロを振ったときの合計です。
 グリーフシードやコアによる回復値は、敵を倒して実物を手にしないと分かりません。

<5> 魔法、使い方と威力

 魔法少女、そして敵が使う「魔法」。
 その奇跡は魂に込められたエネルギーを消費して行使され、例外なくこの世に顕現します。
 魔法を使いたいときは、QBに「魔法を使います!」と宣言してください。もちろん、どんな魔法を、何に対して使うのかもはっきりと。
 QBは魔法の内容を確認したら、あなたへ魔法が何へどのように発揮されたのかを教えてくれます。
 あなたの魔法が誰かへ影響を及ぼすもの、たとえば仲間の傷を癒やしたり敵を攻撃したりするものならば、QBはあなたへサイコロを振るよう指示するでしょう。
 ただし、気をつけてください。もしも魔法の矛先が敵だとしたら、そいつはあなたの魔法を避けるかもしれないのです。
 どんなに大きな魔法を放とうと、それが逸れてしまう可能性があることだけは覚えておきましょう。

<6> 戦闘

 戦いは、素早く、そしてより強い攻撃を行うことによって有利に進みます。
 もちろん、仲間を援護するのも立派な戦いです。
 戦闘中の動作は、ターン制、つまり素早さの高い人から1人1回ずつ順に行います。
 魔法を放つか、どこかへ移動するか、とっさの動きにそなえて構えるか、すべてはあなた次第です。(もちろん仲間と相談しても構いませんよ!)
 ターン制の例外は2つ。
 1つ目は、何かあったときのために身構えていたとき。構えることを宣言してからそのターンが終わるまでの間ならどこでも、1回だけ自分の行動を割りこませることができます。
 2つ目は、攻撃などを避けるとき。避けるだけなら、1ターンの間に何度でも行うことができます。
 魔女や使い魔、魔獣、ナイトメアのSGは、マイナスの値で設定されています。
 そこにあなたの攻撃……SGへの影響をどんどん加えていき、ゼロにしたらあなたの勝ちです。

<7> ゲームオーバー

 もしも、あなたのSGがゼロになってしまったら、どんなに癒やしの魔法をかけても、どれだけのグリーフシードやコアを集めても、もはや復活することはできません。
 そのとき、あなたがどんな姿になってしまうかは……あなたが魔法少女になるときに決めた願い次第です。


【QB向け情報】

 ここからは、ゲームの親=QBのための指南です。

<1> QBの目的

 QBの目的は2つ。
 1つは、魔法少女たちによる戦いを誘導すること。
 そしてもう1つは、ゲームが終わる時点で1人でも多くの魔法少女のSJをゼロにすること。
 情報開示とサイコロにおいては、絶対に嘘やイカサマをしてはいけません。
 しかし「情報を一部だけ伝える」あるいは「訊かれていないことについて答えない」ことは、魔法少女1人につき1回だけ可能です。
 宇宙の熱的死を防ぐため、うまく魔法少女たちを操作してください。

<2> パワーバランスの調整

 ゲームのシナリオには、敵の強さや探しにくさがあらかじめ決められています。
 しかし時には、魔法少女たちがあまりにも弱い、あるいは少しばかり強すぎるように思えることもあるでしょう。
 その場合、結界探しの範囲を広げたり狭めたりする、敵の数を増減する、敵の使う魔法の威力・効果を調整するなど、ゲーム開始前にある程度のアレンジを加えてください。
 魔法少女を絶望へ導くのがQBの役割ですが、それ以前に「このゲームを楽しむこと」があなたたちの目的であることを、くれぐれも忘れないように。

<3> 準備の徹底

 QBはある意味、ビデオゲームにおけるソフトです。
 事件の概要、周辺情報、地理、敵のステータス、その他ゲームに必要なデータを、すべて1人で管理しなければなりません。
 ビデオゲームと違うのは、データの数が圧倒的に少ないことと、ゲーム開始までにじっくり準備することができる点です。
 魔法少女を演じるプレイヤーへ嘘偽りなく情報を与えられるよう、そして滞りなくゲームを進行できるよう、シナリオやルールの確認はしっかり行いましょう。

<4> 描写と小道具

 ビデオゲームと異なり、TRPGはその名の通り「テーブルトーク」=メンバーが集まって、コミュニケーションをしながら1つの物語を作り上げていくゲームです。
 QBの描写が臨場感にあふれればあふれるほどプレイヤー達の胸を打ちます。
 準備をする中で、口だけでは伝えきれないと感じることもあるでしょう。そんなときは小道具を用意してください。
 使い魔の大きさを物にたとえたり、魔獣との距離を紙に描いたり、ナイトメアと魔法少女の位置関係をチェスの駒で表したり……。
 QBが伝えやすく、魔法少女に伝わりやすい方法を、いろいろ試してみましょう。

<5> 勝敗

 このゲームには、厳密な勝ち負けが存在しません。
 片方の陣営が非常に強いか、あるいはシナリオの難易度が適切でない限り、全滅や無傷での勝利はありえないでしょう。
 しかし、それもまたこのゲームの、ひいてはTRPGの醍醐味です。
 誰かの犠牲によって全てが救われたり、敵を逃しつつも街に平和が戻ったりすることもあります。それもまた、輝かしいゴールの1つと言えるでしょう。
 繰り返しになりますが、このゲームを楽しむことが第一の目的です。
 爽快な気分、絶望への恐怖、仲間との助け合い、謎解き。そういったものを存分に味わうための鍵は、QBが握っています。