『第一次ソロモン海戦・サボ沖海戦 回想』のまとめ

伊佐氏(@kinugasa_nakami)による古鷹艦長荒木傳氏の手記『第一次ソロモン海戦・サボ沖海戦 回想』のまとめ。判読できない字をほとんど文脈で補って読み取ったので間違いがある可能性が否定できないとのことなので、その点は注意されたし。
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伊佐海老 @kinugasa_nakami

防衛研究所の資料閲覧室に行ってきたので古鷹さんの艦長だった荒木伝さんの手記『第一次ソロモン海戦・サボ島沖海戦 回想』の簡単なまとめを。読み落としや誤読があったらごめんなさい。前半は第一次ソロモン海戦。行きで敵の駆逐艦と二度すれ違ってるけれど一度目はスルー、二度目は雷撃してる。

2014-09-09 21:29:50
伊佐海老 @kinugasa_nakami

見逃すと通報されるし砲撃すると砲火でバレるからという理由。至近距離だったので雷撃の水柱が静まったころには煙突と前檣しか見えなくなってた。お目当ての敵の主力艦に対しては砲塔が旋回せず応戦してきたのは機銃のみだったそうです。前の四艦と分離しちゃった理由は合流より攻撃を優先したため。

2014-09-09 21:34:42
伊佐海老 @kinugasa_nakami

転舵して主隊に合流していると角度的に敵艦に対して砲撃ができないから。また、一航過して帰投したのは第八艦隊司令部からの命令に敵を徹底殲滅しろというニュアンスがなかったため。司令部もここまで一方的に勝てるとは予想していなかったらしいです。なお、加古の撃沈について言及はなし。

2014-09-09 21:38:14
伊佐海老 @kinugasa_nakami

サボ島沖海戦。飛行場砲撃という作戦に対して、「有難からぬ、価値も疑わしい」ものとコメントしてます。貴重な弾薬を飛行場に撃ちこんでも敵の機械力ですぐ復旧されてしまうから「土鼠おどし」に過ぎない、第一海上から見えない飛行場を砲撃するには事前に決めたルートを正確に通る必要がある。

2014-09-09 21:42:59
伊佐海老 @kinugasa_nakami

でもそれはルート上に敵の小艦艇一隻でもいたら成立しないし潜水艦がいたら一方的にやられてしまう。ブーゲンビル泊地で予行演習中にも敵潜に雷撃されて危うくかわしたことがある(なお、航海長の注釈では泊地内で雷撃を食らったことはない、別の時と混同されているのではないか、だそうです)

2014-09-09 21:47:03
伊佐海老 @kinugasa_nakami

敵艦隊に接しても青葉が戦闘態勢を取らなかったことについては、事前に決められたルートに固執したのでは、と書いてます。 (伊佐注:もしこれで眼前の艦が敵じゃなかったら、飛行場を砲撃できるルートから外れてしまうことを嫌った?) なお古鷹では早くから目の前の艦が敵だと気付いていたそう。

2014-09-09 21:53:53
伊佐海老 @kinugasa_nakami

ですが、水雷長・航海長両者から記憶違いでは?と突っ込まれてるという。丁字不利の状態で砲撃を受け、最初に衣笠が取舵、それに続いて古鷹も取舵。でも青葉が主舵を取って砲撃を受けて火柱が上がったのを見て「旗艦分離せずして救援せざるべからずを直感」、面舵左砲雷戦を下令します。

2014-09-09 21:59:13
伊佐海老 @kinugasa_nakami

転舵が不利なことはわかっていた、けれど反航戦のままでは味方は分離し、このあたり読み取れない部分も多かったんですが「無様」なことになっていただろう、と。衣笠についていけば古鷹は無傷でも青葉の運命は推して知るべしとも。ただ航海長としては一旦間合いを取るべきだと当初取舵したそうです。

2014-09-09 22:03:40
伊佐海老 @kinugasa_nakami

なお、一貫して青葉古鷹衣笠のことしか書いてなくて吹雪や初雪は一言も出てこなかったです。旗艦より大分敵に近づいていたために集中砲火を浴び、左舷の二軸が停止、次いで右舷も停止して漂流状態に。自分はソロモンの藻屑となっても構わないけれど、部下のことは心配。救援は呼んだけれど応答はなし。

2014-09-09 22:13:17
伊佐海老 @kinugasa_nakami

いよいよ沈没しそうになった時、部下は脱出させて自分は自決しようとしたけれど拳銃も軍刀もない。ならばと羅針儀に体をくくろうとしたけどロープもない。そうこうしているうちにいよいよ沈んで眼前が白いサイダーの泡のように。ところがいつのまにか海面に浮かんでいて顔を上げたら目の前に古鷹が。

2014-09-09 22:17:14
伊佐海老 @kinugasa_nakami

艦首を高く空に突き上げた古鷹が頭上にかぶさるようにくっきり見えたそうです。そして急に一気に艦尾の方向に沈んでいった。艦長の左肩がむずがゆいと思ったら鼠がしがみついてたらしいです。短艇などで脱出していた部下が艦長だ艦長だと助けに来るけれど先に部下が全員救助されてなければ嫌だとごねる

2014-09-09 22:22:17
伊佐海老 @kinugasa_nakami

でも部下に問答無用で短艇に引き上げられ、軍装がボロボロになったとか。帰投して報告を総合すると、沈没原因は水線下の被弾だそうですが、水線上だけで弾痕が90あったそうです。井上4F長官からは「真の武人の働きを見た」山本長官からは「帝国海軍の伝統に寄った立派な行為」と労われています。

2014-09-09 22:28:02
伊佐海老 @kinugasa_nakami

あとは責任を感じて自殺しないよう監視がつけられた話や十七年五月に整備に入った時に電探の装備を強く希望したのに結局かなえられなかった話。前線の状況を理解しない司令部のせいで兵の士気に悪影響が出たことや帝国海軍に人命救助のための装置がないことなどが列記されていました。

2014-09-09 22:34:05
伊佐海老 @kinugasa_nakami

あと『功績便覧 4/13 戦艦.巡洋艦.航空母艦』ですが通り一遍の戦績の表しか載っていませんでした。複写は三週間かかるそうなので汚い字で加古の戦績を写してきました。面白いのは目次でも本文でも愛宕が戦艦の末尾に入ってたこと。ナンデ? pic.twitter.com/JKmJ4kjLh1

2014-09-09 22:35:37
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伊佐海老 @kinugasa_nakami

赤い字で書かれてるのは基準がよくわかりませんが評点のようです。青葉が136、古鷹さんが124、衣笠さんが163でした。最高は金剛ちゃんの222。重巡最高は羽黒の177だと思います。榛名などは紙を継ぎ足して表を伸ばしているのに、むっちゃんは1ページで終わっているという切なさ……

2014-09-09 22:37:11
伊佐海老 @kinugasa_nakami

こんなところでしょうか。TL占拠してすみません。確実に読み取りミスがあると思うので、あまり真に受けないでください。複写が来たら文字起こし……できるかな……_(:3ノ ヽ)_

2014-09-09 22:41:19