うっかり伝説の剣抜いちゃった女の子とその剣の聖霊の話

お兄さんことU(@ebleco)さんのツイートまとめです!
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U @ebleco

「えー……」 「主殿。あなたこそ、私が千年待ち詫びた適正を持つ選ばれし勇者に違いない」 「……いや、遊び半分で伝説の剣抜いたあたしも悪いんだけどさぁ」 「主殿、ご命令を」 「すげぇ簡単に抜けちゃったし」 「どうか」 「なんかドン引きするくらい美形の精霊みたいなの出て来ちゃったし」

2014-09-12 10:46:50
U @ebleco

「いやいやいや……」 「はっ」 「いやいやいや、めっちゃ跪いてるし」 「ご命令を」 「いや、ご命令をって言ったって」 「手始めに魔王の城への道を示せば宜しいでしょうか」 「まじかぁー……あたしこれから友達と約束あるんだけど」 「討伐の」 「討伐の約束はしてないよ。どんな友達だよ」

2014-09-12 10:49:46
U @ebleco

「では、近隣の村々の警護から、で御座いましょうか?」 「いや、解るよ。君の使命とか、世界情勢とかは、超解るよ。今魔王の軍とかヤバいしね。でも……えー、まじかー……」 「はい」 「あー、とりあえず、ね。顔上げてくれる?」 「はっ」 「あー、これ直視できない。イケメンすぎるこの精霊」

2014-09-12 10:53:36
U @ebleco

「あのさぁ」 「はい」 「この剣、台座に戻したりしたら、ダメかな?」 「……私に……何がご不満でも」 「いや、ごめん、本当にごめん。君に不満があるわけじゃないんだ。でも、あたしには重いっていうか、その、ね?」 「では、精霊の加護で重量を」 「いや、使いやすさの問題じゃなくてね?」

2014-09-12 10:57:01
U @ebleco

「ごめんっ、本当にごめん! 期待持たせるような事したのは謝るから! この剣、戻すね!」 「お待ちください! 主殿っ!!」 「やめろぉっ!! 触るなぁっ!! 何かいろいろ揺らぐだろっ!!」 「ですがっ!!」 「ですが、じゃない!」 「はっ」 「あー、そっかー、強く出ると跪くんだー」

2014-09-12 11:00:37
U @ebleco

「……じゃぁさ、逆に聞くけど、君、何が出来るの」 「はっ、私めは、一振りで山を裂き、主に精霊の加護を与え、悪しき魂に浄化の安寧を与える事が出来ます」 「オーバースペックだよ!」 「はぁ」 「『一振りで山を裂きたい』とか考えた事すら無いよ!」 「主殿は心の優しいお方でいらっしゃる」

2014-09-12 11:22:23
U @ebleco

「大体ね、あたしは生まれてこの方剣とか握った事すら無いからね!」 「それについては、ご心配無く」 「おう」 「私めが、主殿に、剣術の手解きを致します」 「至れり尽くせりだな」 「まず、剣をこう」 「うん」 「指先は……」 「……うん」 「そして腰を」 「待って待って待って、近い」

2014-09-12 11:24:49
U @ebleco

「近い、と申しますと」 「いいか。離れろ。まず、あたしからゆっくり離れろ」 「はっ」 「……あ~」 「……」 「気が気じゃないわッ!!」 「はぁ」 「初対面の美形男子が腰に腕回してるような姿勢で平常心保ってられる程あたしは人間が出来てないぞ!!」 「はい」 「ハウス!」 「はっ」

2014-09-12 11:28:28
U @ebleco

「……(じりじり)」 「……(じっ)」 「……(じりじり)」 「……(じーっ)」 「……(そっ)」 「主殿」 「やっぱダメか!!」 「不満があるならば、善処致します。どうか、私めを台座に戻そうとするのは止めて頂きたい」 「だって!」 「はい」 「心の準備ってのがあるでしょう!?」

2014-09-12 11:33:14
U @ebleco

「あれだぞ!? あたしにそんな簡単に力与えたら、悪用するぞ!?」 「と、申しますと」 「え……うーん……こう、友達に彼氏だとか嘘吐いて自慢するとか」 「はぁ」 「荷物とか超持たせる」 「主殿が、それを望むのであれば」 「あ、解ったぞ。お前さては女をダメにするタイプのイケメンだな」

2014-09-12 11:41:27
U @ebleco

「いいか。人間はな。急に持て余すくらいの力を与えられたらダメになるんだぞ」 「左様で御座いますか」 「解った?」 「肝に銘じて置きます」 「お前肝あんのかよ」 「ものの例えです」 「よし、待機」 「はっ」 「……」 「……」 「……」 「……」 「……ごめんって!」 「はっ」

2014-09-12 11:48:42
U @ebleco

「ごめんって! なんか、無理だったわ! すごい立ち去ろうとした後に『こいつずっとあたしが迎えに来るの待ってるんだろうなぁ』とか考えたら帰れなかったわ!!」 「主殿は、心の優しい方でいらっしゃる」 「お前本当人をダメにする奴だな!!」 「申し訳御座いません」 「あ~もー! もー!」

2014-09-12 11:51:05
U @ebleco

「お前ご飯は?」 「必要御座いません」 「寝る所は?」 「必要御座いません」 「姿は?」 「消せます」 「……よし、解った。なら、まぁ、仕方ないわ。いいわ。とりあえず、あたしこれから約束あるから」 「ですが」 「おう」 「時々は、私めに話し掛けて頂きたい」 「お前さー! もー!」

2014-09-12 11:58:51
U @ebleco

みたいな、うっかり伝説の剣抜いちゃった女の子とその剣の精霊の話ください。

2014-09-12 12:01:12
U @ebleco

「……でさ」 「はい」 「振ってみたよ」 「お見事に御座います」 「ございますじゃねぇよ!! マジで山裂けてんじゃん!!」 「はい」 「もー……どーすんだよー。この辺の地図全部書き換わっちゃうじゃん。「あれ? こんな所に新しい道通ったんだー」みたいになってるじゃんかー」 「はぁ」

2014-09-12 12:35:12
U @ebleco

「引くわー」 「左様で御座いますか」 「この大参事をあたしが引き起こしたとは思いたくない」 「心中ご察し致します」 「全くだよ! 少しは察せよ!! お前これ誰か怪我でもしてたらマジで叩き折るからな!!」 「御無体な」 「多分、人は居ないだろうけどさぁ!! こんな山の中にはね!!」

2014-09-12 12:37:48
U @ebleco

「ですが、主殿。かの山は魔物が住み着き、人も寄り付かない魔境となっていると伺いました」 「魔物しか居なかったとしてもウサギさんとかキツネさんとかはまだ済んでるかも知れないだろ!!」 「主殿は心の優しい方でいらっしゃる」 「あー……こんな遊び半分で生き物を殺めたなんて思いたくない」

2014-09-12 12:40:51
U @ebleco

「どーすんだよおいー」 「と、申しますと」 「流石にバレちゃうだろ!! お前考えても見ろよ! 村に伝わる伝説の剣が忽然と無くなってて次の日に山が裂けてんだぞ!!」 「伝説の、剣」 「お前の事だよ!!!」 「成程」 「ひっどいわ……もうあたしの平穏な生活どっか行ったわ。詰んでるわ」

2014-09-12 12:44:57
U @ebleco

「……大体、お前これ、あれだぞ? 一振りでマジで山裂いてんじゃん」 「はい」 「これ、仮にあたしが魔物退治とかするにしても、村がある方向にお前振れないじゃん」 「それは、加減して頂くより他に」 「だから剣とか持った事無いって言ってるだろ!」 「では私が」 「距離が近いんだよ!!」

2014-09-12 12:49:57
U @ebleco

「お前なぁ、剣の使い方とか教えて貰ってる所友達にでも見られてみろよ! 山の中でイチャついてるバカップルにしか見えないからな!!」 「左様で御座いますか」 「あたしはそんな噂立てられたら生きていけないぞ! 旅に出るしかなくなるぞ!」 「それは何よりに御座います」 「叩き折るぞ!!」

2014-09-12 12:53:14
U @ebleco

「あと、お前、その態度何なの?」 「何、と申されますと」 「何でデフォルトで跪いてんのかって聞いてんの!!」 「私めは、主様の剣です故」 「だから噂されんだろ!! 気持ち悪いくらい顔の整ったイケメン跪かせてブチキレてる女だと思われるだろ!!」 「ですが」 「ですが、じゃない!!」

2014-09-12 12:56:36
U @ebleco

「……では、失礼致します」 「そうそう。そうやって普通に立ってれば……お前背ぇ高いな!!」 「両手剣です故」 「邪魔なんだよ!! 昨日も透明になったお前を棚にめっちゃぶつけたわ!」 「はい」 「邪魔!!」 「……」 「ごめんって! しゅんとすんなって! 言い過ぎたから! もー!」

2014-09-12 12:59:35
U @ebleco

「……もー……何なのお前……なんでそういう所でこう……もー、さー……」 「申し訳御座いません」 「……人じゃん……捨てれないじゃん……」 「……主様?」 「近いっ!!」 「はぁ」 「離れろ!! あたしの顔から! ゆっくり離れろ!!」 「はっ」 「お前、本当に自分の外見自覚しろ!」

2014-09-12 13:03:31
U @ebleco

「……あとさー」 「はい」 「何でお前、あたしの呼び方が『主殿』から『主様』にランクアップしたんだよ」 「上下関係を表現するのに適切かと判断致しまして」 「もっと歩み寄る方向で気を利かせろよ!! 対等でいいよ!!」 「はぁ」 「……帰る」 「はっ」 「帰ったら薪割りな」 「はっ」

2014-09-12 13:07:17
U @ebleco

のえるさんが「続き読みたい」って言ったので続き書きました。

2014-09-12 13:08:14
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