オリジナルザハとしての牛田英作&キャサリン・フィンドレイ

ザハ・ハディドのデザインが近未来で斬新とかいうが、ぐにゃりとした自由曲面の建築は牛田英作&キャサリン・フィンドレイがやってるんですよ、もう20年以上前に。小田急から見たことないかな?
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建築エコノミスト森山高至「土建国防論」執筆中 @mori_arch_econo

ザハ・ハディドが新国立競技場で魅せた流れるラインのデザインが近未来で斬新とかいうが、ぐにゃりとした自由曲面の建築は牛田英作&キャサリン・フィンドレイがやってるんですよ、もう20年以上前に。小田急から見たことないかな?汚れがすごいけど pic.twitter.com/zVpSyzdHRy

2014-09-21 18:20:55
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建築エコノミスト森山高至「土建国防論」執筆中 @mori_arch_econo

ちなみに、牛田&フィンドレイ「トラスウォールハウス」1993年ころ、ザハは初めての実作ヴィトラ工場の消防所事務所やってた。やっとこさ断片化と斜めラインをこなしてた。空間変容というよりもデコンのピクチャレスクな意識しか垣間見れないです。 pic.twitter.com/0t9mH3laav

2014-09-22 15:25:11
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@mori_arch_econo 牛田さんたちは時代にちょっと早すぎた。当時レンゾ・ピアノが関空を完成させ、世界の建築家は皆二次曲面を触ってたころです。結果として牛田&フィンドレイは作品を「有機的」と曖昧にしか解説できなく、純粋に形態操作のディメンジョンの刷新と気付けてなかった。

2014-09-21 18:30:50
建築エコノミスト森山高至「土建国防論」執筆中 @mori_arch_econo

@mori_arch_econo CADのない時代に先駆的な成果が「有機的形態論」と理解され、建築形態生成のドライなメソッドではなく、自然との交歓に安易に流れてしまった。しまいにこの不定形態をさらに緑化し輪郭を見えなくしてしまい建築のロジックが完全に閉じてしまった。残念だった。

2014-09-21 18:37:05
建築エコノミスト森山高至「土建国防論」執筆中 @mori_arch_econo

@KintaGoya 小田急の急行で町田の手前で、「えっ?」って感じで現れましたよね。牛田さんの「トラスウォールハウス」はエヴァンゲリオン使徒の登場よりも早いから、造形デザインとしても相当画期的なんですよ。フレデリック・キースラー以降50年間止まってた方向を再起動した砕氷船です。

2014-09-21 18:46:26
建築エコノミスト森山高至「土建国防論」執筆中 @mori_arch_econo

フレデリック・キースラーの解説しておくと、1890年生アンビルドアーキテクト界のゴッドファーザーですね。1920年代デ・スティルという芸術グループに属し、重力を消したモンドリアン的建築提案をしています。今の藤本壮介さんみたいですね。 pic.twitter.com/kyo9sVzgHQ

2014-09-21 20:25:15
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建築エコノミスト森山高至「土建国防論」執筆中 @mori_arch_econo

その後もキースラーは理念が先走しってリアル建築を作ってらんねえ!で突っ走りました。リアル建築ゴッドファーザーのフィリップ・ジョンソンに言わせると「建ないのに評価される人」デ・スティル時代の空中に浮く理念的な線の放射が都市であるから一転 pic.twitter.com/mrqLnQJ2lQ

2014-09-21 20:32:31
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建築エコノミスト森山高至「土建国防論」執筆中 @mori_arch_econo

キースラーは空中に持ち上げられたシロアリの巣「エンドレスハウス」の提案をして周囲を驚かせます。1952年は世の中にはモダニズムの白い箱が一般化し始めたころですよ。エンドレスといっても閉空間なので、要素に文節しないという意味でしょうね pic.twitter.com/fPmjcZuPc4

2014-09-21 20:39:28
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建築エコノミスト森山高至「土建国防論」執筆中 @mori_arch_econo

牛田さんとフィンドレイさんはこのキースラーのコンセプトを逆転して具現化したんです。キースラーは何もない平原にオブジェクトとして置こうとしましたが、彼らは変形した小さな日本の住宅地という建築にとって不利な狭さを「エンドレスハウス化」により地面から空まで無限につなげ広げたわけです。

2014-09-21 20:45:12
建築エコノミスト森山高至「土建国防論」執筆中 @mori_arch_econo

というわけで牛田英作&キャサリン・フィンドレイが居たから今のザハがある。キャサリン・フィンドレイさんは残念ながら今年お亡くなりになりました。建築家として女性の地位向上に貢献されたということで、ジェーンドリュー賞を受賞されています。 ちなみにスコットランドのご出身です。

2014-09-21 18:51:17
建築エコノミスト森山高至「土建国防論」執筆中 @mori_arch_econo

【新国立競技場問題】多くの人が建設費や維持管理費、機能性不備、周辺環境の問題等、一般にも伝わりやすい批判をし始めたので、俺はザハのデザインコンセプトが改悪により、もはや壊れているのにそれを見逃そうとする審査員たちは、建築家の審美眼としてどうなのか?あんたらの目は節穴か?論に移る。

2014-09-21 13:43:25
建築エコノミスト森山高至「土建国防論」執筆中 @mori_arch_econo

新国立競技場の元のザハ案から今の基本設計の変更は、いってみれば牛田&フィンドレイから高崎正治の第二大地の建築に変更しちゃって進めてるようなもんなんだ。デザインコンセプト的にいえば。それを審査委員長「うん、バランスがええ」とは何事か!と pic.twitter.com/FeuakuffVN

2014-09-21 19:03:17
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建築エコノミスト森山高至「土建国防論」執筆中 @mori_arch_econo

ザハの真骨頂について「新国立競技場の基本設計は出来上がっていない!⑤」読んでもらえば分かるように、牛田&フィンドレイが生み出した曲面体と高崎正治のラーメン構造の一部を歪ませたものは同じ「有機的」でもまったく違うコンセプトなんだ。 ameblo.jp/mori-arch-econ…

2014-09-21 20:10:12
リンク 建築エコノミスト 森山のブログ 『新国立競技場の基本設計は出来上がっていない!⑤』 新国立競技場の基本設計案は、「お前は既に死んでいる」状態であるという解説の続きです。これまで、多くの方々が景観とか規模とか費用とか、具体的かつ、数値化しやすい…
建築エコノミスト森山高至「土建国防論」執筆中 @mori_arch_econo

以上のようにザハ案を脱骨換胎したとはいいがたい今の基本設計案については、来月から始まるザハ展で新国立競技場案が作品としてどのように扱われ展示されているか、そこにザハ自身のコメントがどのように発表されるか、世界の建築評論でどのように受け止められるかも見ものってことですね。

2014-09-21 20:13:58
建築エコノミスト森山高至「土建国防論」執筆中 @mori_arch_econo

ちなみに、牛田&フィンドレイ「トラスウォールハウス」1993年ころ、ザハは初めての実作ヴィトラ工場の消防所事務所やってた。やっとこさ断片化と斜めラインをこなしてた。空間変容というよりもデコンのピクチャレスクな意識しか垣間見れないです。 pic.twitter.com/0t9mH3laav

2014-09-22 15:25:11
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西尾直樹 @tubird

@mori_arch_econo でもこれは造形的に美しいですね。

2014-09-22 16:03:48
建築エコノミスト森山高至「土建国防論」執筆中 @mori_arch_econo

はい。当時、遂にザハ実現したかー!!って感激したのを覚えています。がこのタイプはモルフォーシス系の人、カナダの建築家ジョン・パトカウが抜きんでたように思います。@tubird

2014-09-22 16:17:44
西尾直樹 @tubird

@mori_arch_econo パトカウは人工物を自然物に調和させようとしてああなった感じがしますが、ザハは予定調和になんとかして破調をねじ込もうとしているように見えますね。

2014-09-22 17:11:01
建築エコノミスト森山高至「土建国防論」執筆中 @mori_arch_econo

@tubird 鋭い指摘ですね。確かに、そこは私の好みでした。パトカウは構成方法を抽象的に隠してしまうのではなく、どうやって(建築作業的に)構成されているかを表現している点が、「ファインアートの建築への注入」じゃなくて「建築の構成方法の漸進的な介入」という感じで好きなのです。

2014-09-22 17:34:37
建築エコノミスト森山高至「土建国防論」執筆中 @mori_arch_econo

カナダの建築家パトカウをちょっと解説、patkau.caカナダのBC州を中心に活躍する、近年はカナダを代表する現代建築家です。環境や素材や構造からディテールまでの一貫したプリンシパルを維持しながら構成デザインし劇的な彫塑的表現に到達しているのが素晴らしい

2014-09-22 18:18:22
建築エコノミスト森山高至「土建国防論」執筆中 @mori_arch_econo

patkauarchitectはパトリシア&ジョンのパートナーです。初期は西海岸系の建築家、フランク・ゲーリー、モルフォーシス、エリック・オーウェン・モスらに通じるような幾何学的ディメンジョンの崩壊を狙ったような作風から徐々に収斂し pic.twitter.com/jcHcK9DRQ7

2014-09-22 18:25:20
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建築エコノミスト森山高至「土建国防論」執筆中 @mori_arch_econo

現代建築の抽象的なテーマを追い求めながらも地域表現に成功したものとして、白眉と思われる「Seabird Island School」にて、ヴァナキュラーな要素のプログレッシブな表現に到達。ameblo.jp/mori-arch-econ… pic.twitter.com/ogxWkRJ5Mp

2014-09-22 18:27:29
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建築エコノミスト森山高至「土建国防論」執筆中 @mori_arch_econo

昨今はヴェネチアヴィエンナーレのカナダの代表や、都市計画や公共施設、学校施設において成果を遂げ受賞歴も多いです。僕は20年ほど前にどうしても「Seabird Island School」が見たくて事務所におしかけて見せてもらいました。 pic.twitter.com/Z9nPY4pTWu

2014-09-22 18:32:05
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