「強姦罪に問われた27歳男性に逆転無罪の判決」の判決文内容の紹介:2014年9月
新聞報道(2014年9月19日付)
→▼強姦罪に問われた27歳男性に逆転無罪の判決 (読売新聞) - Yahoo!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140919-00050130-yom-soci
強姦罪に問われた27歳男性に逆転無罪の判決
読売新聞 〔2014年〕9月19日(金)21時53分配信
千葉県内で女子中学生に乱暴したとして強姦(ごうかん)罪に問われた無職男性(27)の控訴審で、東京高裁(三好幹夫裁判長)は〔2014年9月〕19日、懲役4年6月とした1審・千葉地裁判決を破棄し、「合意の上だった可能性が否定できない」として逆転無罪の判決を言い渡した。
高裁は、中学生が男性と別れた後もすぐに助けを求めずに公園で眠り込んだことを指摘。さらに、男性が抵抗を妨げる暴行や脅迫を行ったとも認められないとし、「中学生は強い抵抗を示していない」と判断した。
最終更新:9月19日(金)21時53分
東京高等裁判所 判決文
Part.1
読売は,「高裁は、中学生が男性と別れた後もすぐに助けを求めずに公園で眠り込んだことを指摘。」としている。headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140919-… 確かに,高裁判決には,こうした指摘がある。
2014-09-23 07:00:59つまり,「女性との行動における疑問点」(11頁)で,「性交後,・・・被告人が立ち去った後も,その公園にとどまり,すぐに助けを求めたりせず,そこで眠り込んだことなど,女性との行動には,被告人との性交に合意したのではないかとの疑いを生じさせかねない点がある。」と判示されている。
2014-09-23 07:03:03しかし,高裁判決は,「女生徒が当時15歳の中学3年生であって,…性的被害を受けた精神的衝撃等を考慮すれば,これらの行動が直ちに不自然,不合理と談じることはできず,…」としている。
2014-09-23 07:06:48結局,高裁判決は,「女生徒のこれらの行動について,性交に同意したことを示すものではないとした原判決の判断は,決して不合理とはいえない。」と結論付けている。
2014-09-23 07:07:30高裁判決の結論は,「…当裁判所の事実取調べの結果を加えても,被告人が女生徒の抵抗を著しく困難にする程度の暴行を加えて性交に及んだと認めることはできない。また,被告人の範囲についても,女生徒が性交を含む性的行為に合意したと考えて行為に及んだ可能性をやはり否定することができない。」
2014-09-23 07:11:09「そして,縮小認定としての強制わいせつ罪の成否についてみても,被告人が女生徒において性交を含む性的行為に合意したと考えた可能性が否定できないことからすると,強制わいせつ罪の犯意を認めることもできないから,強制わいせつ罪も成立しない。」
2014-09-23 07:13:43
結局,「合意の上だった可能性が否定できない」との読売の報道は,事実と違う(読売以外の報道は,これを書く際に参照していないからパス。)。
2014-09-23 07:17:31控訴の趣意は,「論旨は,被告人は,女生徒と合意の上で性交したものであって,無罪であるから,強姦罪の成立を認めた原判決には,判決に影響を及ぼすことが明らかな事実の誤認がある,というものである。」
2014-09-23 07:22:10
Part.2
例の無罪判決をOCRで読み込み,適宜編集してみた。これで,判決の大まかな論理は分かるのではないか。 ・・・なにやっているんだろう。仕事に煮詰まっている証か。
2014-09-23 20:38:04
判決文(東京高等裁判所)の構造
第1 本件事案と控訴の趣意 第2 原判決の判断 第3 当裁判所の判断 1 「…しかし,女生徒の原審証言が信用できるとしても,その証言から認定できるのは,性交が女生徒の意思に反するということにとどまり,その証言内容に照らし,被告人が女生徒の抵抗を著しく困難にする程度の暴行を加えたこ
2014-09-23 20:38:56とまで認定することはできないから,これを認めた原判決の判断は,経験則,論理則等に照らし,不合理であって,是認することができない。以下,その理由を説明する。」
2014-09-23 20:39:03
2 女生徒の原審証言と被告人の原審公判供述 (1)女生徒の原審証言 (2)女生徒の原審証言の信用性 「…これらの点からすれば,女生徒の原審証言は,基本的に信用すべきものといえる。…このような事件直後の経緯は,性交が女生徒の意思に基づくものではないことを示唆するものである。」
2014-09-23 20:39:23