『Henle集合論』勉強会・第6章

James M. Henle 『An Ountline of Set Theory』の勉強ログです。
1
ぼんてんぴょん(Bontenpøn) @y_bonten

【Henle】第6章、Ordinals(順序数)。ちなみに第7章はCardinals(基数)。なんか英語で序数(first, second,..)とか基数(one, two,..)とか習って混乱したものだけど、この文法用語もordinalsとcardinalsなんだな。

2014-09-29 13:37:58
ぼんてんぴょん(Bontenpøn) @y_bonten

【Henle】 ordinalsはorderと同根で、こちらが順序数。ordinaryっていうと「フツーの、ありきたりな」って意味だけど、これも同根で、まぁ「順当な」という感じか。なんにせよ、数学の序数・基数を学ぶときは、語学で習ったことはいったん忘れたほうが良さそう。

2014-09-29 14:00:58
ぼんてんぴょん(Bontenpøn) @y_bonten

【Henle】cardinal=「枢」(くるる、とぼそ、蝶番(ちょうつがい)のごとく主要なもの)だけど、「基数」にしろ「cardinal」にしろ、「序数じゃないほうの、基本的なほうのヤツ」ってネーミングなんだろうなぁ。

2014-09-29 14:19:00
ぼんてんぴょん(Bontenpøn) @y_bonten

【Henle】p27、「Nを拡張してさらに大きな数のクラスを作り、無限集合を数えられるようにする」と、順序数導入の動機が述べられている。巨大な集合の「length」を測りたいのだと。次章を先読みすると、基数のほうは「size」を測るため、とある。両者の違いは、後のお楽しみか。

2014-09-29 14:29:19
ぼんてんぴょん(Bontenpøn) @y_bonten

【Henle】まずwell-ordered(整列)の概念が定義される。よく似た概念にwell-founded(整礎)というのがある。「空でない任意の部分集合が最小元を持つ」ような全順序集合は「整列である」という。ん?「整列な」って言い方、あまりしない?そんなことない?

2014-09-29 20:55:03
ぼんてんぴょん(Bontenpøn) @y_bonten

【Henle】一方well-founded(整礎)な集合とは、「空でない任意の部分集合が【極小元】を持つ」半順序集合。最小元なら極小元だが、極小元は最小元とは限らんので、整礎性は整列性より弱い。全順序に限れば極小元=最小元なので両者は同値。一般には「整礎な全順序」=「整列順序」。

2014-09-29 21:14:33
ぼんてんぴょん(Bontenpøn) @y_bonten

【Henle】整列性も整礎性も、順序関係一般についての概念だが、その順序関係が「∈」である場合を考える。そもそも「∈が順序をなしている」という状況をよく理解しないといけない。

2014-09-30 08:27:46
ぼんてんぴょん(Bontenpøn) @y_bonten

【Henle】ややこしいが、いくつかの集合を集めた集合(つまり集合族)があって、その要素(各集合)同士の間には∈の関係があったりなかったりする。たまたまこれらが順序をなす(推移性などを満たす)ような集合族になっているケースを考えるのである。

2014-09-30 08:27:59
ぼんてんぴょん(Bontenpøn) @y_bonten

【Henle】これ、普通の数学ではめったに見ない状況じゃないかな。知らんけど。「∈」でどんどん入れ子になってる状況を作るだけなら、冪集合を取ればいい。例えば0∈N∈P(N)∈P(P(N))みたいに。でも、だからと言って0∈P(N)ではないから推移的でない。

2014-09-30 08:28:34
ぼんてんぴょん(Bontenpøn) @y_bonten

【Henle】そう考えると、初めに集合で定義した、あの自然数は激しいことになっている。0∈1∈2∈3∈……であるだけでなく、a<bなる任意の自然数a,bについてa∈bなのだ。ついでに言うと任意のa<bについてa⊂bでもある。いやこれほんと凄くね?

2014-09-30 08:29:21
ぼんてんぴょん(Bontenpøn) @y_bonten

【Henle】Nで「∈」が全順序をなすってこと、証明したっけなぁ。p18、定理2.18「x,y∈Nについて、x<y(その定義は∃k∈N[x+S(k)=y])ならばx∈y」と定理2.19「『<】は全順序」は証明済み。でも2.18の逆はまだのような。結局2章を総復習せにゃならんのか…

2014-09-30 13:28:14
ぼんてんぴょん(Bontenpøn) @y_bonten

【Henle】p67とp119のヒントと解答にちょっと異議あり。任意の集合(族)Aに対して正則性公理から∃b∈A[¬∃c∈A[c∈b]]を導いておくのはいいんだけど、このbはあくまで「もしもAが∈-全順序集合の部分集合なら、Aの最小元になる」という代物。

2014-10-02 16:55:44
ぼんてんぴょん(Bontenpøn) @y_bonten

【Henle】まだそうと決まっていない段階からこれを∈-least elementと呼ぶのはいかがなものか。最小元どころか、極小元である保証もない。

2014-10-02 16:56:17
ぼんてんぴょん(Bontenpøn) @y_bonten

【Henle】ここは正攻法で、まずは「これから順序数であることを示したい集合」が∈-全順序集合であることを示すために必要なことを考えよう。

2014-10-02 17:26:14
ぼんてんぴょん(Bontenpøn) @y_bonten

【Henle】(再放送)strictな全順序=推移∧無反射∧反対称∧弱三分。ただし「推移∧無反射→反対称」なので反対称性は冗長。また後ろの3つをまとめて「強三分性」と呼べば「推移∧強三分」とも書ける。三つのうち「少なくとも一つ」が弱三分性、「ちょうど一つ」が強三分性。

2014-10-02 17:27:23
ぼんてんぴょん(Bontenpøn) @y_bonten

【Henle】何度か述べたとおり、この本はtrichotomy(三分性)を定義するときには強三分性として定義しているのに、その後は弱三分性として用いているフシがある。他の前提のおかげで論理的に問題ない場合ばかりだったが、今回はどうか。

2014-10-02 17:27:51
ぼんてんぴょん(Bontenpøn) @y_bonten

【Henle】p120には「定理2.18(x<y→x∈y)と『<』のtrichotomyから、容易にx<y⇔x∈yを得る」とある。「x<y→x∈y」のもと、「<」の弱三分性から「∈」の弱三分性は言えるが、「<」の強三分性から「∈」の強三分性は導けず、「x<y⇔x∈y」も導けない。

2014-10-02 17:28:12
ぼんてんぴょん(Bontenpøn) @y_bonten

【Henle】「∈」の強三分性を示すは、「∈」に備わる無反射性と反対称性を公理から導いて担保しないといけない。そこを分かったうえで「an easy consequence」という記述を噛みしめねばならない。はぁ、厳しい。

2014-10-02 17:29:14
ぼんてんぴょん(Bontenpøn) @y_bonten

【Henle】話を整理すると、公理から導かれる「∈」の性質から、どんな集合(族)を考えるにせよ無反射性と反対称性は言える。弱三分性と推移性は場合による。

2014-10-02 18:59:09
ぼんてんぴょん(Bontenpøn) @y_bonten

【Henle】そこでまずNについて考えることにすると、Nの要素に関する限り(ここ重要)、「<」の話にすり替えることができ、「∈」は残りの性質も満たすことが言え、Nは∈についての全順序集合となることが分かる。

2014-10-02 18:59:23
ぼんてんぴょん(Bontenpøn) @y_bonten

【Henle】初めに示した∃b∈A[¬∃c∈A[c∈b]]は、「∈は、もし全順序をなすなら自動的に整列全順序をなすことまで言える」、つまり「∈については『整列でない全順序』というのは存在しない」ということ。したがってNは整列全順序。

2014-10-02 19:03:54
ぼんてんぴょん(Bontenpøn) @y_bonten

【Henle】すると必然的な欲求としてですね、Nにおける「∈」の推移性や弱三分性を、「<」を経由せずに示せないかと考えてしまうわけです。しかしこれは多分かなり大変。「a<b」の定義は∃k∈N[a+S(k)=b]で、それは「+」という2変数関数の存在に依拠している。

2014-10-02 20:27:56
ぼんてんぴょん(Bontenpøn) @y_bonten

【Henle】そしてその存在はp18を丸々1ページ費やして示したように、かなり複雑な手続きを要する。いったん「<」を経由するというのは、それだけの資産を使っているということ。3日くらい考えたが私には無理だった。

2014-10-02 20:28:09
ぼんてんぴょん(Bontenpøn) @y_bonten

【Henle】証明できるという方はぜひご教授ください。ワタクシは先に進みますが(おいこら)

2014-10-02 20:31:23
ぼんてんぴょん(Bontenpøn) @y_bonten

【Henle】順序数であるための要件は、今まで見た「∈に関し整列であること」に加え、「推移的集合であること」。「a∈b∈X→a∈X」を満たすXを推移的集合と呼ぶが、Henle先生も忠告しているとおり、2項関係の推移性と混同してはいけない。

2014-10-04 14:26:23
1 ・・ 7 次へ