論文紹介「木本 忠昭, ``原子力をめぐる科学者の二重性─科学・技術の社会的存在形態'', 学術の動向, Vol. 19 (2014)」

ぜひ、論文そのものをお読みください。
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Hironobu SUZUKI @HironobuSUZUKI

読み応えあり ↓ 木本 忠昭, ``原子力をめぐる科学者の二重性─科学・技術の社会的存在形態'', 学術の動向, Vol. 19 (2014) No. 3 p. 3_69-3_76, dx.doi.org/10.5363/tits.1…

2014-09-30 22:04:16
Hironobu SUZUKI @HironobuSUZUKI

「3.11事故発生後、首相から爆発の可能性を問われて「ない」と答えてまもなく水素爆発が起きたとされるが、そのときに氏が意味不明の感嘆詞を発した反応は、3.11事故に至るまでの日本の原子力関係学者の特質を象徴的に表したもので、まさに原発史を象徴する一瞬であった(木本2014)」

2014-09-30 22:07:44
Hironobu SUZUKI @HironobuSUZUKI

「科学者が、こうした政治的要請に応じるところからいわゆる「御用学者」が生まれたり、御用学的な活動に組み込まれたりする。(木本2014)」

2014-09-30 22:08:03
Hironobu SUZUKI @HironobuSUZUKI

@tigercatver2 さん、ちょっと紹介。木本忠昭氏の「原子力をめぐる科学者の二重性─科学・技術の社会的存在形態」って既に読んだ?僕の目からみると、これ田舎の広告屋さんが書いたんじゃないかと思うほどに論理展開が似ている。 twitter.com/HironobuSUZUKI…

2014-09-30 22:15:13
@tigercatver2

@HironobuSUZUKI びっくりしました。技術史的装いを持った公共事業論ですね。「利害関係経済関係の絡む諸社会的の中に身を置く人間が自分の活動に必要な「科学」的知識を活用し、また科学者を動員しているところの構造把握が必要であろう」は正にと思います。

2014-09-30 22:21:28
@tigercatver2

欧米の専門家等とは異なって事故規模はたいしたことはないとか、「メルトダウン」などはあり得ないと従来の「絶対安全論」的視野からの解説に終始し、政府関係者と足並みを揃えるかのように「風評被害」論に重点を置いていた。(原子力をめぐる科学者の二重性)

2014-09-30 22:57:42
@tigercatver2

現実に炉心溶融が起きていた時点でもそれを否定し、テレビ司会者の「メルトダウン」という語の使用の仕方にまで専門用語を駆使して反駁し、事態が深刻な状態に陥った現実自体を直視することから眼をそらせようとさせた。(同)

2014-09-30 22:58:37
@tigercatver2

事故後3年を迎えようとしている現在もなお避難解除の放射線量や被曝線量をめぐって住民は翻弄されている。科学者は低線量の被曝の有害性が「科学的に未知」であることを理由に、現行の住民翻弄の行政体制を容認して良いのであろうか。(前同)

2014-09-30 23:00:26
@tigercatver2

そして、「昔」から現実の技術には、科学的理論に基盤を置いている部分はあるにしても科学的には、説明できていない部分、経験に依拠している部分、未知の部分がある。(前同)

2014-09-30 23:04:15
@tigercatver2

他方、科学のガヴァナンス論がいう「水俣病は、科学のガヴァナンスの失敗の典型」という断罪の仕方は、見当違いもはなはだしいと言わざるを得ない。(前同)

2014-09-30 23:05:36
@tigercatver2

科学的には水俣病の原因は徐々に明らかにされていったし、たとえ科学的に原因説明が無理であったとしても、漁業禁止あるいは汚水である工場排水放出の停をすれば拡大を食い止めることはできたはずである。(前同)

2014-09-30 23:06:18
@tigercatver2

科学的な説明を隠蔽あるいは排除し、拡大を防ぐための行政処置が石油化学工業育成のために通産官僚たちによって確信犯的に妨害されたことで水俣病が拡大されていったことが事の真相であったことは、当の官僚たちの回想によってさえも明らかになっている。(同) これを理解できる科学者が少ないw

2014-09-30 23:08:14
@tigercatver2

正しい理論は間違った理論によって「中和」され、東工大清浦雷作教授(当時)や田宮委員会などの有名有力教授を動員して真なる因果関係の発見や実験結果は隠蔽されたりで、科学は彼らと工場経営者によってガヴァナンスされていたのである(前同)

2014-09-30 23:09:11
@tigercatver2

科学・技術の社会的問題に関する議論が混迷している根本は、単に科学が自然現象すべてを説明できていないことに諸問題の原因を求めるやり方だけでなく、科学と技術を一緒くたにし、それらの社会的存在形態、そしてそれらに関係している科学者・専門家たちの社会的存在形態を直視しないこと。(前同)

2014-09-30 23:11:15
@tigercatver2

第一に社会との関わり方、規定関係は、科学と技術では異なっている。科学は、例えば資本との関わりが必ずしも直接的ではなく相対的に独立している場合が多いが、技術の活動は資本的活動そのものである。(前同)

2014-09-30 23:12:37
@tigercatver2

第二に、科学・技術の諸分野や個々の科学的知識・個別技術の社会的諸関係は異なった社会的諸関係を結んでいる。(前同)

2014-09-30 23:13:46
@tigercatver2

農民を鉱毒から守るかどうかということでも近世の政治関係は、農業・農民をより重視したが明治以降の富国強兵体制は、科学(医学者)が足尾銅山に鉱毒の原因があることを明らかにしたにも拘わらず、農民より銅山業(者)を守ったのである(前同)

2014-09-30 23:14:09
@tigercatver2

科学者でも、医学者は原因解明を厭わなかったが、政府行政に強く包摂された当時の直接的専門家の鉱山冶金技術者は沈黙を余儀なくされるか、あるいは因果関係を正面から受け止めず鉱山(業者)の立場に立った。(前同)

2014-09-30 23:15:08
@tigercatver2

【討論文の論点1】 利害関係経済関係の絡む諸社会的の中に身を置く人間が自分の活動に必要な「科学」的知識を活用し、また科学者を動員しているところの構造把握が必要であろう(前同)

2014-09-30 23:16:57
@tigercatver2

その際、既存の科学的知識では、社会関係でいうところの執政側と住民側ないし被害者側に仮に分けた場合に、被害者側のいう真実を明らかにし得ない場合が多 い。(前同)

2014-09-30 23:18:34
@tigercatver2

科学的活動は、科学文化行政や研究体制、さらには人間の諸活動自体の中にあり、したがって科学的活動の成果たる科学諸理論・科学知識は、「偏在的」で「不均等発展」している面も多いからである。(前同)

2014-09-30 23:19:01
@tigercatver2

科学(科学的知識)とその利用方法が、政治的社会経済的に規定され、科学の利用は万人に平等に与えられてはいないことは、3.11事故後にも過酷事故、事故後の処理、住民の避難や安全確保をめぐって明瞭になった。(前同)

2014-09-30 23:20:27
@tigercatver2

こうした3.11事故後の科学者と政治の動きからは、トランス・サイエンスとして捉えるより、まず社会内で科学と科学者がどのような社会的関係にあるかを分析することの方が本質的である。(前同)

2014-09-30 23:22:23
@tigercatver2

先に述べた様に四大公害裁判で、企業側に立った「中央有名大学」の教授たちがことごとく誤謬論を振り回したことである。(前同)

2014-09-30 23:26:46