居合について

9
武術屋@元・東京‘古流'武術研究会 @bujutsu_ken

江戸時代以後に発達した技術の中で、居合術については「護身の技」としての意味合いが強かったのではないかという自説を持っています。ので、根本的に自分が不利な状況を、技術で覆すものだと思っているので、漫画などでよく見る「居合使いは納刀した方が強くなる理論」には違和感を感じております。

2014-09-29 19:05:03
武術屋@元・東京‘古流'武術研究会 @bujutsu_ken

居合術について引き続き。個人的な感じ方ですが。どう考えても鞘に刃が納まった状態からよりも、刀をちゃんと正眼とかに構えた状態の方が有利なんですよ。

2014-09-29 19:10:38
武術屋@元・東京‘古流'武術研究会 @bujutsu_ken

でも、そういう「普通に考えて不利な状態」にも関わらず、特殊な技術で「自分の方がちゃんと構えてて有利だぜヘイヘイ」状態の相手を斬り倒す方法として「居合術」ができたんじゃないかと。相手は「え、うそ、なんで俺が斬られてんの、何されたのいま(バタリ」みたいな

2014-09-29 19:13:59
武術屋@元・東京‘古流'武術研究会 @bujutsu_ken

相手が「まだ納刀してる相手」に対して感じる安心感(隙?)をついて、予想もしない技術で一発逆転する、というのが本来のあり方じゃないかなと。

2014-09-29 19:16:59
武術屋@元・東京‘古流'武術研究会 @bujutsu_ken

しかも、やってみたらわかりますけど、これ凄い難しい技なんですよね。抜くだけならまだしも、殺る気まんまんで刀を構えた相手を斃してしまうってのは。

2014-09-29 19:18:06
武術屋@元・東京‘古流'武術研究会 @bujutsu_ken

達人になっちゃった方々の考えることは分かりませんけども、自分だったら「納刀状態からでも抜刀した相手を倒す事ができる技」を身につけたとして・・・。それでもやっぱ戦うとしたら自分もちゃんと構えたじょうたい(少しでも有利な状態)から戦いたいと思いますよ。わざわざ難しい事したくないもん。

2014-09-29 19:20:25
武術屋@元・東京‘古流'武術研究会 @bujutsu_ken

勿論、技術追求の中で「抜刀状態よりも納刀状態の方が有利なぐらい強い技術」を追い求めたことはあるでしょう。だけど、それは本当の「流派としての理想」であって、実践的に考えると、そこまで難しい技術を追求するより「抜刀して構える暇があれば抜いた方がいいじゃん」で完結すると思う。普通は。

2014-09-29 19:25:49
武術屋@元・東京‘古流'武術研究会 @bujutsu_ken

ましてや、居合術というものが江戸時代もそのあとも、広く普及してしまったのだから、納刀状態の相手に対して「あ、こいつ居合使うんじゃね?」って警戒はされて当然。となると、なおさら居合術のもつ「未知の技術」というアドバンテージが薄れる気がする。

2014-09-29 19:30:28
武術屋@元・東京‘古流'武術研究会 @bujutsu_ken

@bujutsu_ken まあでも、だからこそ「居合使いだと分かっていても、抜刀状態の敵に絶対勝てる方法」の追求に向かった側面はあると思います。中には本当に居たと思いますよ、納刀状態の方が強かった人。でも、自分の考え方だとそれは「納刀状態よりも抜刀状態の方が弱い変なヒト」になる。

2014-09-29 19:34:07
武術屋@元・東京‘古流'武術研究会 @bujutsu_ken

@bujutsu_ken この辺りはまあ、個人の考え方の違いだから、自分の言うことが正しいのかって問われると、そこまで自信も武術の腕もあるわけじゃないですけども。

2014-09-29 19:36:27
武術屋@元・東京‘古流'武術研究会 @bujutsu_ken

なぜこんな事を思うかと言うと、稽古相手が本気でこちらに打ち込んで来る状態で、こちらは居合術で対応しようとすると、コレ相当の腕の差があってすら、無茶苦茶難しいんですよ。勿論、稽古して修行して、ある程度勝てるようになる。だけど、やっぱり自分が正眼に構えると、全然楽に勝てるんですよ。

2014-09-29 19:40:30
武術屋@元・東京‘古流'武術研究会 @bujutsu_ken

ここまでの発言、自分の腕がまだまだ低いのは承知の上ですけどね。でもそんなに達人の域限定でお話をしたって、自分たちみたいな凡百の武術屋にしたらそれこそ意味の無い話なんですよ。「達人域なら居合術の方が強いかもしんないよ。でも僕らは普通に構えた方が楽なんだ」ってこと。

2014-09-29 19:43:43
武術屋@元・東京‘古流'武術研究会 @bujutsu_ken

ああ、そういえば忘れてたけど、鞘の中にあるから「抑止力」として成り立つ」って側面もあった。抜いたら生きるか死ぬかの闘争だけど、抜かずに事を納めたらなんか洗練された大人っぽい。法的にも抜かずに納めたほうが社会的に有利。鞘内で勝つ、の極意かなあ、とか。

2014-09-29 19:46:21
みんみんぜみ @inuchochin

@bujutsu_ken 歴史的な話だと、詰め寄られた所からの反撃、もしくは逆にこちらから近づき詰め寄って、相手が何かしようとしたら先に抜いて刀で手を押さえてしまうような使い方なんかが居合の原型ぽいです。構えてる相手に帯刀で、というのもありますが

2014-09-29 22:01:44
みんみんぜみ @inuchochin

@bujutsu_ken 田宮流の江戸初期くらいの立合形だと、帯刀のまま誘って打たせて十文字に打ち留め勝つか、セイガンに構えて待つ相手には遠間から切っ先あたりに抜き掛けてあとは剣術みたいですね。

2014-09-29 22:10:20
みんみんぜみ @inuchochin

@bujutsu_ken あと、最近習った某流派の居合組太刀だと、こちらは帯刀、敵は八相で互いに自然に歩みよって打太刀は片手打に来るのを体捌きでかわしつつ抜き付けたり、抜き留めたりするんですが、形自体は稽古なので如何に変な想定でも良いんですが、いくらなんでも構えた相手に向かって

2014-09-29 22:14:49
みんみんぜみ @inuchochin

@bujutsu_ken 自然に歩いていくのは変だなー、と(笑) 打太刀が片手打ちなのを見ても、敵が抜き付けてくるのを稽古用に八相からの片手打ちに変えてるんじゃないかと思ってます。

2014-09-29 22:16:53
みんみんぜみ @inuchochin

@bujutsu_ken 渋川流の渋川伴五郎が「最近、居合というと咄嗟に抜いて切るものだと思われている。最近も座敷で口論になり抜き合いになって抜き付け切り殺す事件があったが、居合をわかっていない未熟者だ」というような事を随筆で書いてますね。

2014-09-29 22:29:41
みんみんぜみ @inuchochin

しかし、よく考えたら、相手が構えていても自分は自然に歩みよるってのもあるし、どっちでも取れるか。

2014-09-29 22:36:18
武術屋@元・東京‘古流'武術研究会 @bujutsu_ken

@inuchochin うちもそうですけど、やはり居合の抜きは「まず抜刀すること」が第一にあって、抜いた後の攻撃で相手を倒す型が多いですね。抜きつけで斬るのはせいぜい相手の指先とかで、剣先も相手の正眼につけて敵の動きを制する感じで。抜きつけで一刀両断、ってのは相当あとの話ですね。

2014-09-30 10:06:51
武術屋@元・東京‘古流'武術研究会 @bujutsu_ken

@inuchochin がっちり構えてる相手に、普通にスタスタ歩いていくのって、実はそれ自体が敵の虚をつく技法かもしれませんね。護身術のときに習いましたが、重要なのは緊張した空気を一瞬緩めることで、一気に自分のペースにひっくり返すことだ、とかありました。

2014-09-30 10:09:04
武術屋@元・東京‘古流'武術研究会 @bujutsu_ken

@inuchochin 居合を修める物の心得ですよねえ。ただ、大元をたどれば闇討ちや辻斬り相手にしたときに、とっさにぶった切る為に出来た技法でもあるわけですね。しかし、それを多用しては身を守る為のものでなく、世を乱す元になるから、実用は控えよ、鞘内にて勝て、と。

2014-09-30 10:12:37