#完全ノープラン艦これ与太話 【ディープ・ナイト・レクイエム】 #5～#6

春魔解丼 @vespiking

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#完全ノープラン艦これ与太話 【ディープ・ナイト・レクイエム】#5 #KZNPLN

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「ドーモ、マイヅル鎮守府の皆さん。レクイエムです」戦艦レ級、レクイエムはバツが悪そうにオジギした（正しい海軍様式アイサツだ）。「めんどくせェー、マジかよ」「ドッソイオラー！」アイサツ直後、時津風が猛然と突進！ #KZNPLN

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スモトリ駆逐艦、時津風は元キョート・リキシリーグのヨコヅナである。敵スモトリ艦艇を情け容赦なく殺害し続け、チャンピオンとなった彼女はリーグでムラハチにされ、マイヅル鎮守府へと流れ着いた。オスモウのルールから外れたその破壊力は今や、ヨコヅナ時代の数倍にのぼる！ #KZNPLN

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ゆうに3mを超える巨体が、砲弾めいた速度で迫る！「ドッソイ！ドッソイ！」「イヤーッ！」レクイエムはバク転で回避！打ち下ろされる張り手が、コンクリートに巨大なハンドスタンプを刻んでゆく！「ハ！ハ！ハ！ヨコヅナの手形だ！実際レアだぜ！」長波が笑う。 #KZNPLN

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「チィーッ！デカブツがァーッ！調子こいてんじゃねー！」レクイエムは片手で倒立し、腕と尾の筋肉を最大出力で解放！大顎が時津風の巨体と正面衝突！「グワーッ！シレェーッ！」「オラァーッ！」レクイエムは噛み付いた尾で船体をカラテ曳航し、上空から追撃を狙う！ #KZNPLN

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「キリステ……」レクイエムの追撃が時津風の頭部を破壊する、そのコンマ1秒前！右舷側でカタナを水平に構えたハガネ瞳の駆逐艦が、謎めいたチャントを残し……消えた！？否！「ゴーメン！」「グワーッ！？」レクイエムの右腕を覆うニンジャ装束が裂け、不知火は左舷側にいた！ #KZNPLN

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裂けた装束を空中で掴み、レクイエムは己の右腕に素早く巻き付けた。一拍遅れ、装束の切れ端が赤く滲んだ。「ファック！何だ！？」「デス・キリだ！」間発入れず、不知火は再びカタナを水平に構えた！「キリステ！」「させるかァ！」レクイエムの尻尾が弾丸めいて飛ぶ！ #KZNPLN

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「フーンク！」後方斜め下！体勢を立て直した時津風が拳を引き絞り、レクイエムへ放った！毘式ポムポム・パンチだ！「イヤーッ！」レクイエムは空中で船体を捻り、危険な対空パンチを寸前で回避！伸ばした顎に回転が加わる！「……ゴーメン！」不知火が消えた！ #KZNPLN

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不知火のカタナが、レクイエムの顎と激突！「沈め……沈めッ！」「オラーッ！オラーッ！」互いのカラテは同等！死の鍔迫り合いはゴジュッポ・ヒャッポの様相を呈する！「ドッソイ！」そこへ時津風のオーバーヘッドキックが迫る！ #KZNPLN

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「イヤーッ！」レクイエムは尾を一瞬引いた。刹那、不知火は攻めに転ずる！だがレクイエムは不知火の筋肉へ電気信号が伝わるより早く、カラテ爆発力にまかせ、引いた尾を一気に伸ばした！「グワーッ！」ゴウランガ！均衡が破れ、不知火が後方へ吹き飛んだ！ #KZNPLN

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「オラーッ！」だが時津風のオーバーヘッドキックはいまだ健在だ！レクイエムは空中でさらに旋回！空中回し蹴りで大質量を受け止めようというのだ！無謀！「フーンク！ネギトロになれェー！」両者の脚部が正面衝突！ベコリと音を立て、レクイエムの脚が90度折れ曲がる！ #KZNPLN

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驚愕したのは時津風である！スモトリ時代、数多くの敵スモトリ艦を破壊してきた時津風の感覚が、尋常ならざる違和感を脚に伝えていた。明らかに、艦の船体が破壊される感触ではない。まるで紙製の水フーセンを折ったような、不気味な感触だ。曲がった脚から、ブシュウと液体が噴出す。 #KZNPLN

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困惑する時津風を尻目に、レクイエムは余裕の表情で、伸び切った時津風の脚部を掴む！「ハハッハァ！スキありィ！」腕を伝い、迫るレクイエムの尾が時津風を打ち据えた！「アバーッ！」3mの巨体がビルの屋上を転がる！ #KZNPLN

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「最後はおめーだなァ！チビスケ！」レクイエムは折れて萎んだダミー脚部をぶら下げ、左腕と尾の筋力のみで弾丸めいて長波へ迫った！「ありがとよ！いい準備運動にはなった！ここで死ね！」長波はカラテを構えず、機材をオンにし、キツネ・サインを高く掲げた！「ヘイ！ヨー！聞け！」 #KZNPLN

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『ここのルールは単純明快だ！テメェら！カラテを鍛えろ！いいな、カラテってのは！単なる腕っ節の強さじゃねえ！テメェらは何がしたい！テメェらの本心は何だ！？何がしたい！それに従え！従う為の、意志を貫く力を持て！それが、カラテだ！』 #KZNPLN

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刹那、長波のキツネ・サインがレクイエムへと伸びた。レクイエムのニンジャ動体視力は捉えた。長波の肘の肉が裂け、骨格を軸として、長波の腕がドリルめいて高速回転するのを。「イヤーッ！」「グワーッ！？」レクイエムが吹き飛んだ。 #KZNPLN

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長波は右腕を戻し、ブシュウと肘から血が噴出した。長波はレクイエムを蹴飛ばし、踏みつけた。「見せてもらった。テメェのカラテ。悪いが、テメェをここに置くわけにはいかん。食物連鎖のバランスだ。選びな。出てくか、死ぬか」 #KZNPLN

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「……ひとつ、その前に聞かせろ」レクイエムは唾を吐いた。「……いいだろう」「それ、知ってンのか？……『青虫』は」長波の瞳孔が開いた。「ハ、知るわけねーか。あのアクマ・マニアックが、知ってて野放しにするとも思えねーな。てめーら、いくつ持ってる？」 #KZNPLN

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「……何モンだ、テメェ」「レクイエムはレクイエムだ。そんだけだ」レクイエムはむくりと船体を起こす。「まァいい。覚えとくぜ。てめーらのコトはよ。大事にしな。レアモノだろ、その『敵対者』」警戒する長波を尻目に、レクイエムは尻尾で器用に歩き出した。 #KZNPLN

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「アー、いいよ。出てくぜ。せっかくジゴクから這い出たンだ。ここで死ぬ気はさらさらねー。『約束』があンだよ」「約束？」長波は警戒を解かず問うた。レクイエムは飄々と振り返る。「あのクソメガネに、言わなきゃならん事がある」 #KZNPLN

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#完全ノープラン艦これ与太話 【ディープ・ナイト・レクイエム】#5終わり。エピローグである#6へ続く。 #KZNPLN

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#完全ノープラン艦これ与太話 【ディープ・ナイト・レクイエム】#6 #KZNPLN

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降りしきる重金属酸性雨の中、アフターマンはナメクジめいて地べたを這いずり、オヒガンめいたマイヅルの都を目指していた。背後から未だに、追跡される恐怖を感じる。幻覚だ。彼を追う者など、最早誰もいないのだから。 #KZNPLN