ザハ・ハディド展覧会レビューと見どころ
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東京オペラシティで開催中のザハ・ハディド展覧会のオープニングに出席してきました。簡単にレビューと見所を解説してみます。 pic.twitter.com/dF0gHRBAKd
2014-10-18 10:46:45ザハ・ハディド展に行く前に予習しておこう!ザハってどんな人? 新国立競技場の建設コンペをめぐる議論について 1 ameblo.jp/mori-arch-econ… …
2014-10-21 07:55:39ザハ展レセプション始まりました。 pic.twitter.com/Yn42uyDiQw
2014-10-17 18:06:00挨拶の弁:新国立競技場のデザイナーとして著名なザハさんですが、ご本人のこれまでの業績をより多くの方々に知っていただくことで都市や建築についてより理解を深めてください。尚、ザハさんも本日ご出席を希望されてましたがご都合がつかず欠席されました。
2014-10-17 18:11:02ザハさんの事務所のエキシビション担当のマノーさんの挨拶:ザハは日本とはキャリアの初期から深い関係がありました。今回この時代の模型やドローイングも展示しています。その他の最新プロジェクトとザハ事務所の思想パラメトリックデザインに関する展示です。
2014-10-17 18:17:37今回のザハ展ですが、グローバルに展開中の最新ザハ作品展示を期待する諸兄にはいささか拍子抜けでしょうね。どちらかというと昔のザハ、2000年以前のプロジェクトがメインです。しかし、ザハの良質な部分のみが抜き出してあるともいえます。いってみれば二十世紀ザハです。
2014-10-17 19:45:54二十世紀ザハのドローイングはモノトーンでなかなかカッコイイ pic.twitter.com/3l0wJcQPiF
2014-10-18 10:26:09ザハ展第一会場は1990年の北海道にあったMoosSoon時代のインテリアデザインを中心にした構成。フィリップ・スタルクとかの影響も感じられる時代ですね。ドローイングはカンジンスキーのようでもある。 pic.twitter.com/L1gS9hezvR
2014-10-18 10:39:38特に俗にアンビルト時代と言われる頃の大量のドローイングが見られるのが素晴らしいです。一見CG?と思われる黒い背景は丁寧にキャンバスを塗られたものです。 pic.twitter.com/89xYJdWCjZ
2014-10-17 19:51:25また、1990年頃に新宿のディベロッパー、ケイワン(現サクラハウス)の久枝社長がザハのために準備した富ヶ谷と麻布十番プロジェクトのドローイングと模型がありますが今これを建てればそこそこ評価されるものになるでしょう。この2作品には後のザハの全てが入っています。
2014-10-17 20:00:00両テナントビル共に現在の不動産投資のスキームにはまったく載らないですが、両方のプロジェクトにいえるのがレンタブルな床はないということです。閉鎖して静止する床の代わりにあるのは、窮屈になりがちな狭小の敷地をものともせず複雑に折り畳まれた導線です。
2014-10-17 20:05:08バブル期にケイワンでやってた麻布十番プロジェクト。実施設計を西松建設がやって、斜体構造内部に垂直の鉄骨を隠し入れることで建築成立させようとしてたことに当時のザハ氏は怒ってました。 pic.twitter.com/rE4C7rHwNW
2014-10-18 10:28:53今回のザハ展でもっとも注目すべきは会場の展示構成のためのエレメントです。直交するWDHのディメンジョンに拘束されたギャラリー空間を、行き場を求めて鋭角にのたうちまわる黒い不等辺断面のオブジェクトの動き、浮き上がり、衝突する連なりはザハそのものといえます。
2014-10-17 20:33:07ザハ展会場内で跳ね回る黒い展示エレメント。遠目から一見すると壁にペイント?って風に見えるのですが pic.twitter.com/rsRcj4dtvW
2014-10-18 10:30:26ザハ展の展示エレメントですが、近くに寄るとそれなりの構造物ということがわかります。 pic.twitter.com/544s2hVBVh
2014-10-18 10:31:36ザハ展の展示エレメント。かなり作り込んであります。不整形な鋭角断面がよくわかります。そもそもこの仮設とはいえ展示エレメントの作成が相当大変だったと思います。 pic.twitter.com/AQXq6YlUhc
2014-10-18 10:33:23ザハ展の展示エレメント。の中に置かれた透明のテーブルとかのプロダクト。アーティスト藤幡正樹氏の有機的な紫外線樹脂オブジェクトを思い出しました。 pic.twitter.com/Gdogfisn8q
2014-10-18 10:36:36改めて初期ザハ作品と展示エレメントを見て浮かんだのが、クラゲの刺飽という器官です。夏の海でクラゲに刺された経験はありますか。クラゲのトゲは袋の中にギチギチに折り畳まれ螺旋状にバネのように矯めて格納され刺激を受けた時に一気に螺旋運動で解放され相手に絡まり突き刺さります。
2014-10-17 20:49:34初期ザハ作品ではそのような建築として拘束されることに抗う空間の躍動に対する矯めが感じられるのです。最近は敷地や機能からその拘束がなくなった分、浜に打ち上げられたイカやクラゲの様に溶けかかってクタッとダラケた緊張感のない軟体器官のようです。
2014-10-17 20:55:11ザハはアンビルト時代に建てない前提で夢想的デザインをしていたわけではなくて、既存の建築的拘束にあらがい続けていたわけですが、今回の展覧会ではそんなザハの良い面、ザハのギズモ面がよく現れたものなっています。一方オマケのように最後に展示されている新国立競技場コーナーがヒドイというか
2014-10-17 21:57:24ザハ展は第一会場の初期アーチスト時代、第二会場のプロダクト&空間構成と分かれてまして、第三会場の新国立競技場コーナーだけが妙に開き直った合成CGパネルになっています。JSCの人が見たら「うわー!」ってなるくらいに絵画館の後ろにドカーンと広がる新国立の立面かぶせていたりして、、
2014-10-17 21:59:59ザハ展:新国立競技場の模型も展示されておりました。 pic.twitter.com/ckw0FMcXib
2014-10-18 10:43:56ザハ展の新国立競技場コーナーは、廊下みたいな空間にパネルが並ぶだけでどこかひっそりとしております。が、パネルの合成CGは非常に大胆なアングルが採用されていて、、、 pic.twitter.com/qh6H1nGt43
2014-10-18 10:41:18いずれにしましても本展覧会のキュレーターさんや会場構成されたデザイナーの方々は、あの黒い展示エレメントを作成するのは本当にご苦労があったと思います。場合によっては来館者に座られてしまうかもしれない高さや壁面に不安定に設置するわけですから強度や予算面での折衝はご苦労あったと思います
2014-10-17 22:02:07