磯崎新が雑誌ではじめて特集を組まれたのは『建築』1965年2月号

「磯崎新12×5=60」展(ワタリウム美術館)ギャラリートーク第3回「住宅と栖をめぐって」植田実(編集者)の聞き手の備忘録
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松井茂 @matsui_shigeru

本日18時「磯崎新12×5=60」展(ワタリウム美術館)ギャラリートーク第3回「住宅と栖をめぐって」植田実(編集者)。磯崎新氏が、1968年に『都市住宅』の表紙のために選んだ12の住宅と、1998年に『栖12』のために選んだ12の栖に関してと、編集と建築の協業をめぐって伺う予定。

2014-10-17 10:13:08
松井茂 @matsui_shigeru

@matsui_shigeru 本日の「磯崎新12×5=60」展での、トーク「住宅と栖をめぐって」植田実(編集者)の参考資料として、 『都市住宅』をめぐる植田実×内藤廣の対談 杉浦康平、渡辺真理らのエッセイなどなど。 inaxreport.info/data/INAX170_1…

2014-10-17 10:38:09
松井茂 @matsui_shigeru

10+1 web site|磯崎新をどのように読み継ぐか──批評・手法・歴史をめぐって|テンプラスワン・ウェブサイト 10plus1.jp/monthly/2014/1…

2014-10-17 10:48:50
ワタリウム美術館, WATARI-UM, @watarium

18時より植田実さんと松井茂さんのギャラリートーク始まります。植田さんは磯崎さんを60年代から注目ししていた編集者で、『栖(すみか)12』などを編集されている。知られざる磯崎さんの活動を聞けるのが楽しみです。

2014-10-17 17:45:55
ワタリウム美術館, WATARI-UM, @watarium

「はじめの表紙はクロード・ニコラ・ルドゥーフランス革命期の建築家から始めて当時日本では10人もいなかったんじゃないかな。」植田実 談 pic.twitter.com/dQ8G1fjQyW

2014-10-17 18:31:34
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ワタリウム美術館, WATARI-UM, @watarium

その後に世に出した「栖12」は世界中のすみか、つまり住宅を選んで、文書を書き、シルクスクリーンを入れてたパッケージをその住宅に関係する郵便局から100人の人に送った。メールアートになって中を開けてない人も多い 植田実 談 pic.twitter.com/vllbRrmSyX

2014-10-17 18:45:25
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松井茂 @matsui_shigeru

昨日の「磯崎新12×5=60」展(ワタリウム美術館)ギャラリートーク第3回「住宅と栖をめぐって」植田実(編集者)ですが、以下に聞き手の備忘録。

2014-10-18 14:47:35
松井茂 @matsui_shigeru

本展の「12」というコンセプトは、植田実さんが編集した『栖十二』(住まい学大系100、1999年)をひとつのきっかけとしている。同書が編集された経緯には、遡ること30年前に植田さんが編集長として創刊した『都市住宅』(1968年創刊)があった。

2014-10-18 14:47:53
松井茂 @matsui_shigeru

最初の1年間は、表紙を磯崎新が12の住宅を選び、杉浦康平が赤青めがねで3Dに見えるようにデザインしたという。ヴァーチャルな建築が浮かび上がることもさることながら、時代を考えれば、これはサイケデリックな、拡張現実としての表現にほかならなかっただろう。

2014-10-18 14:47:59
松井茂 @matsui_shigeru

植田さんによれば、当時、磯崎アトリエでもそうした感覚を巡る議論が盛んに行われていたという。『SD』(1968年3月号)に掲載された、福岡相互銀行大分支店の、ピンク色の奇妙な図法によるポスターもこれに近いだろう。

2014-10-18 14:48:04
松井茂 @matsui_shigeru

『都市住宅』の12のセレクトは、当時で異例のセレクトで、住みやすい住宅をあげているわけではなく、通常の建築の価値観とは異なる視点からのものだったという。「ルドゥーの建築を知っている人なんて、当時の日本に10人いたかどうか・・・」。

2014-10-18 14:48:37
松井茂 @matsui_shigeru

『都市住宅』(1968年5月から69年4月)から、『栖十二』(1998年8月から99年9月)へ。 『栖十二』参考 tokinowasuremono.com/tenrankag/izen… 植田実の『栖十二』に関する注釈。 blog.livedoor.jp/tokinowasuremo…

2014-10-18 14:48:43
松井茂 @matsui_shigeru

『栖十二』は、鳥小屋で書き始められ同所で完成。住宅、住まいという既成概念のコンテクストを解体し、定住する住宅でなく、仮寓する場。寝られればいい。人間の生活はそんな風にあったと問い直す。私見だが、「沙漠の寝所」は究極の実践だ。 goo.gl/aXUf2b

2014-10-18 14:49:17
松井茂 @matsui_shigeru

磯崎新が雑誌ではじめて特集を組まれたのは、『建築』1965年2月号で、この担当をしたのも、植田実さんだった。若干30歳でほとんど新人であるにも関わらず、年代記という自伝を掲載し、とにかくコンセプト図版と写真の迫力あるレイアウトが目をひく。

2014-10-18 14:49:23
松井茂 @matsui_shigeru

植田さん曰く「とにかくジョイントコアを紹介したくて、柱の図を見開きに、新宿計画、丸の内計画の柱を強調するために見開きに、空中都市も柱を強調するために見開きに、とんでもないレイアウトをしていた」。

2014-10-18 14:49:29
松井茂 @matsui_shigeru

豚の蚊遣り=医師会館や、大分県立図書館(現アートプラザ)の空間のなんともいえない豊かさへの共感と感動が、こうした編集につながったという。『建築』1967年4月号で2回目の特集が組まれ、映画美術や展覧会の会場構成が紹介。プロセス・プランニングも折込で紹介。これも異例のレイアウトだ。

2014-10-18 14:50:03
松井茂 @matsui_shigeru

磯崎新の思考は、多くの雑誌を舞台に、グラビアとテキストで展開してきた。ここに編集者と筆者、時にデザイナーという関係と協業があった。手法論もポスト・モダンも、実際の建築だけでは成立しなかったはずで、植田実のような批評的観点をもった編集者の存在は「建築外的思考」に不可欠だったと思う。

2014-10-18 14:50:11
松井茂 @matsui_shigeru

一連の話題を経て、植田さんから、アイロニーやテキストをめぐる磯崎論は多くあるが、磯崎新が設計し、人間が身体的に感知する建築それ自体の空間を対象とした磯崎論が少ない。磯崎建築の空間の魅力があまり論じられていない。今後、こうした議論が展開してほしいとの主旨のまとめがあった。

2014-10-18 14:50:18
松井茂 @matsui_shigeru

実は藤井博巳さんも交えての二次会もたいへん貴重なインタビュー時間となったのだが、特に荒川修作と親しかった藤井さんによる荒川論は示唆的だった。ダイヤグラム絵画から建築、都市への移行をめぐり、荒川評価に随分踏み込んだ話を聞いてしまった。 goo.gl/Qq6seZ

2014-10-18 14:50:47
松井茂 @matsui_shigeru

ギャラリートークでは大分県立図書館の空間を激賞した植田さんだったが、二次会では磯崎建築で本当にすばらしいと思った空間は「パラディアム」だったと告白。磯崎さんで1冊本をつくるのなら「パラディアム」がいい。だからこの展覧会押さえてるなぁと思った、と言われ、監修冥利に尽きたのでした。

2014-10-18 14:50:53