おもちゃのぽいぬちゃん改: I needs you back

おもちゃの提督ちゃんシリーズスピンオフのおもちゃのぽいぬちゃん最終章。必ず私の元へ帰ってきてね。
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天宮ユウキ @amamiya1yuuki

「はぁ、はぁ」 走る。 「はぁ、はぁ」 走る。 夕立はひたすら走っている。執務室に向かって走っていた。 「提督、助かってっぽい」 彼女は走しながらある事に気付いた。 (いつもより静かっぽい?) 鎮守府内がどこか静かで気配を感じさせない。喧騒が喚く鎮守府だから余計違和感があった。

2014-10-10 09:04:19
天宮ユウキ @amamiya1yuuki

(やっぱり鎮守府で何か起きてるっぽい!電や提督は・・・) やがて夕立は執務室に着き、ドアを開けた。 「提督!」 「どうしたの?夕立?何かあったの?」 大きな声で呼びかける夕立に提督は驚きつつもゆったりとした口調を変えずに聞いた。 「艦娘に何かされたっぽい!?」

2014-10-10 09:13:27
天宮ユウキ @amamiya1yuuki

「な、何もされてないよ。それに報告の時間なのに誰も来てないの。どうしたんだろう?」 「え?」 提督の言葉が信じられなかった。この鎮守府の艦娘がどれだけ提督が嫌いでも適当な報告はするはずである。しかしそれすらもしない。 「まさか・・・」 「夕立どうしたの?」

2014-10-10 09:19:44
天宮ユウキ @amamiya1yuuki

夕立はドアに耳を付けて聞き耳をしてみた。 「加賀さんがやっと鎮守府をぶっ壊していいって言ったからね。うずうずするわ!」 「でも先に電や五十鈴、那珂を殺すんだろ?あいつらつえーからな。集団でも勝てるのか?」 「その為に電を牢獄行きに。五十鈴は捨て艦共に那珂は川内に言ったんでしょ?」

2014-10-10 09:26:09
天宮ユウキ @amamiya1yuuki

(五十鈴は分かるけど、川内って居たっぽい?) 「夕立、川内なら那珂ちゃんの部屋にいるって聞いた事あるよ」 「そうなんだ。え!?」 どうやら夕立の独り言が提督に聞こえていたらしい。 「どういう事っぽい?」 「那珂ちゃんが黙っていてって言われたけど川内は前から部屋に籠っていたみたい」

2014-10-10 09:30:30
天宮ユウキ @amamiya1yuuki

「でも私川内の事なんか聞いた事ないっぽい」 「よく知らないけど那珂ちゃんが昔色々あって川内を傷つけてしまったって言ってたけどそれ以上は言わなかったし電も聞いたらダメって釘刺されちゃったから聞いてないの」 「そうなんだっぽい」 「ところで川内がどうしたの?」 「えっと・・・」

2014-10-10 09:35:22
天宮ユウキ @amamiya1yuuki

「提督はどうする?」 「あいつはすぐ殺せるよ。だって弱いし艦娘にぷるぷる震えるから後でいいって加賀さんにも言われたでしょ」 「そうだったな。とりあえず電とかをぶっ殺した後は提督をリンチしようぜ」 「いいね。もうレイプするのも飽きたしそろそろ殺したいんだよな。ウザいし」

2014-10-10 09:39:42
天宮ユウキ @amamiya1yuuki

その声は夕立に近づいていた提督にも聞こえていた。艦娘の非情な言葉に提督は恐怖で震えてしまった。 「え?なんでわたし殺されるの?わたし悪い事したの?なんで、なんで。それに・・・電を殺すってどういう事?教えてよ夕立」 「どうやら、今日鎮守府にクーデターを起こすっぽい」

2014-10-10 09:44:58
天宮ユウキ @amamiya1yuuki

「クーデター?なんで?なんで?おかしいよそんなの。間違ってるよ」 「私もそう思うっぽい。艦娘が提督を殺して鎮守府を乗っ取るなんておかしいっぽい」 提督は震え泣き崩れた。夕立は提督をぎゅっと抱きしめ壁を真っ直ぐ見つめていた。 「夕立、怖いよぉ。助けて、助けて」 「私が助けるっぽい」

2014-10-10 09:50:27
天宮ユウキ @amamiya1yuuki

「ねえ、夕立?」 「どうしたっぽい?」 「わたしを一人にしないで。もう一人は怖いよ。艦娘は怖い。だけど一人はもっと怖い。だから一緒にいて」 「分かったっぽい。提督、一つ聞いていいっぽい?」 「何?」 「提督の名前、教えて欲しいっぽい」 「わたしの名前?」 「うん」

2014-10-10 09:56:50
天宮ユウキ @amamiya1yuuki

提督は一旦間を置くとその口を開いた。 「わたしの名前は思奈(しな)チカ。電以外でわたしの名前を聞いてきたの夕立が初めてだよ」 「・・・電は知っていたっぽい」 夕立は提督の名前だけなのにどこか電を底の深さを知った。 「わたしも聞いていい?」 「何?」

2014-10-10 10:09:11
天宮ユウキ @amamiya1yuuki

「夕立はどうして男の子のアレをつけるの?」 「あっ・・・」 そう、夕立は普段から男の子のナニのクスリを飲んでいた。その事自体は艦娘達には既に知られていたがまさか提督も知っていたとは思いもよらなかった。 「えっと・・・」 「夕立は誰か好きな人でもいるの?」 「そういうわけじゃ」

2014-10-10 10:51:27
天宮ユウキ @amamiya1yuuki

「・・・夕立は変な子だね。わたしはきっと好きな人とエッチな事したいのかなって思ってた。でも夕立にそんな人がいるとは思えないの。なんで?本当の理由を教えて」 「・・・本当の理由っぽい。私は・・・男の子にも女の子にもなりたかったっぽい。どっちでもある自分になりたかったっぽい」

2014-10-13 20:01:37
天宮ユウキ @amamiya1yuuki

「うーん、でも男の子のアレをつけたら男の子でも女の子でもあるけどどっちでもない夕立になっちゃうよ?」 チカ提督の素朴な疑問に夕立は分かっていたかのような顔つきになった。 「わかってたっぽい。だけど、夕立にはそれ以上の答えが出てこなかったっぽい。だから、だから・・・」

2014-10-13 20:10:10
天宮ユウキ @amamiya1yuuki

突如として轟音が夕立の言葉を遮ってしまった。二人が轟音の方を向くとそこには長門が立っていた。彼女は普段礼儀正しく扉の開け閉めは轟音を出してしまう程力いっぱいなんてしない。何かあったのかチカ提督が呼びかけようとした瞬間 「あ、かわいい女の子が二人もいるぞ。ふふ、抱きたいぞ」

2014-10-13 20:19:13
天宮ユウキ @amamiya1yuuki

「あっ・・・長門?どうしたの?」 長門の突然の発言にチカ提督は驚きが隠せなかった。夕立は夕立で最悪の事態に遭遇してしまったと震えていた。 「・・・長門、お前・・・」 「どうした夕立?嬉しくて震えているのか。嬉しいな。今からでもやってやるからな」 長門がジリジリと二人に近づく。

2014-10-13 20:36:01
天宮ユウキ @amamiya1yuuki

チカ提督は信頼していたはずの長門が自分を襲いに来るなんて思わなかった為、艦娘に対する恐怖症が再び出ていた。 「来ないで・・・来ないで・・・」 彼女の震えは夕立にも伝わるくらいとても強かった。 「提督・・・。大丈夫。ここは私に任せて」 「夕立?怖くないの?」

2014-10-13 21:25:57
天宮ユウキ @amamiya1yuuki

「提督、私だってよく犯されてるから怖いっぽい。だけど提督を守らない艦娘は艦娘以前に人として終わってるっぽい。それに長門がこんなするのはきっと何かあるっぽい」 チカ提督は夕立も震えている事に気付いたが彼女の勇気に安心感を覚えた。 「でも、無理はしないでね夕立」 「わかってるっぽい」

2014-10-17 14:20:51
天宮ユウキ @amamiya1yuuki

夕立は震えながらも腰に着けていた拳銃を取り出して長門に向けた。 「長門!それ以上動くなっぽい!提督を犯そうとするなら長門でも撃つっぽい」 「なら、夕立をやってもいいんだな」 「えっ」 夕立が逆に面食らっている内に長門に上を取られていた。反応の速さに驚いたがそれ以上に恐ろしかった。

2014-10-20 08:50:19
天宮ユウキ @amamiya1yuuki

(犯されるのは怖い。だけど提督は提督だけは守らなきゃ。今ここにいても長門に犯されるだけ。なら外に逃がした方がいいっぽい) 「提督早く逃げ、って何してるっぽい!」 夕立が提督を逃がそうと呼びかける前に提督は長門の服を引っ張っていた。 「長門やめてよ!こんなの長門じゃないよ!ねえ!」

2014-10-20 08:55:23
天宮ユウキ @amamiya1yuuki

チカ提督の必死の呼びかけをしても長門はビクともしない。むしろ新しい餌が来て顔を更に緩んだ様にも見える。 「提督、何も焦らなくてもいいぞ。この長門、夕立と開発したら提督のあそこに三式弾を撃ち込んでヤるからな」 「ああ・・・」 チカ提督の呼びかけも虚しく力尽きて膝が床についた。

2014-10-20 09:01:37
天宮ユウキ @amamiya1yuuki

(やばい。提督が心折れてしまってる。このままだと無抵抗に犯されてしまうっぽい!) 夕立は長門から離れようとしても両腕を掴まれて足も固められているので逃げようにも逃げられない。 (このままじゃあ・・・あっ・・・) 夕立はある人物を目についてしまった。その人物は現れないはずだった。

2014-10-20 09:12:52
天宮ユウキ @amamiya1yuuki

「た、高雄・・・」 長門の真後ろに高雄が佇んでいた。しかしその顔は怒りとも悲しみとも取れる。高雄は何も答えず長門の髪を掴み、乱暴に後ろの方向に引っ張った。 「!?がっ!」 長門は視界が突然変わりそれと共に後頭部に衝撃を受けた。突然の出来事に驚きを隠せなかったが更に高雄が跨ってきた

2014-10-20 09:21:53
天宮ユウキ @amamiya1yuuki

「高雄・・・!?」 チカ提督はやっと高雄の存在に気付いたが高雄は長門の首を掴み、拳を振りかざそうとしていた。高雄はチカ提督が自分を見ていたのに気付いたので夕立に注意を促した。 「夕立。提督の目と耳を塞ぎなさい」 「そう言われても」 「早く!!」 高雄の威勢に押されて従った。

2014-10-20 10:01:42
天宮ユウキ @amamiya1yuuki

「高雄・・・どうして・・・」 チカ提督は夕立に目と耳を塞がれてしまって状況があまりわからなくなっていたがただ高雄がよからぬ事をしようとしているのは確かだった。彼女の不安は見事に的中していた。 「いい?」 「あ・・・がっ・・・」 動けない長門をよそに高雄は拳をとうとう振り下ろした。

2014-10-21 02:59:49